『オレゴン・ワシントン ワインフェア 2013』表彰式のリポート ついでに、取材したものの、まだアップしていなかった オレゴンワインの生産者 を紹介したいと思います。

オレゴン州のウィラメット・ヴァレー(ポートランドの南西約50km)に位置し、1987年に設立された 「Domaine Drouhin Oregon」 (ドメーヌ・ドルーアン・オレゴン) の醸造責任者である ヴェロニク・ドルーアン氏 が、2013年3月に来日しました。

ヴェロニク・ドルーアン -Domaine Drouhin Oregon
ヴェロニクは、仏ブルゴーニュで1880年から続く「メゾン・ジョセフ・ドルーアン」の4代目のひとり。
「ドメーヌ・ドルーアン・オレゴン」 は、彼女たちの父であるロベール・ドルーアン氏が設立し、現在は娘のヴェロニクが醸造責任者を、息子でヴェロニクの兄であるフィリップが栽培責任者を務めています。
ヴェロニクとフィリップは、ブルゴーニュの「メゾン・ジョセフ・ドルーアン」の醸造責任者、栽培責任者も務めています。
つまり、同じ人物が、ブルゴーニュとオレゴンでワインづくりをしている のです。
「醸造に関してはほぼ同じ。でも、土壌が違うから、同じピノ・ノワールでも違ったワインになる」 と、ヴェロニク。
ブルゴーニュの土壌は粘土石灰質、
オレゴンのウィラメット・ヴァレーはまったく石を含まない玄武岩質の火山灰土壌 。

栽培に関しては、ブルゴーニュのドルーアンでは1万本/haで植えていますが、オレゴンでは7500本/ha(オレゴンの他の生産者の平均は4500本/haとか)と、少々ゆとりがあります。
「平均よりも密植させているのは、木に競争をさせて根をしっかりと張らせることができ、また、収穫量もコントロールできるから」。
そもそもオレゴンの土地を選んだのは、ブルゴーニュの気候に似ていると思ったから(暑すぎず、寒すぎず)だそうで、ということは、彼らがつくる2つの産地のワインの味わいの違いは、やはり“土壌の違い”となるか?


比較テイスティングで確認してみました
Chardonay

Chablis Reserve de Vaudon 2011 (仏ブルゴーニュ)
Domaine Drouhin Oregon Chardonnay “Arthur”2010 (米、オレゴン)
Meursault En Luraule 2010 (仏ブルゴーニュ)
シャブリ・レゼルヴ・ド・ヴォードン は樽を使わず、ステンレスタンクのみで仕上げたもの。しっかりした酸の骨格があり、キリリとしながらも、フルーツの豊かな味わいがあり、ミネラル感もあるバランスの取れたワインでした。(参考上代3000円、税別)
オレゴン“アーサー”(ヴェロニクの長男の名前)は、プレスした果汁の半分をステンレスタンクで、残り半分を樽に入れて発酵、熟成(10カ月)させてアッサンブラージュさせています。若くてメロウなアロマがあり、味わいも甘くまろやかで、強すぎないボリューム感にほっとします。最初はゆるめに感じていた酸も、後からグッと盛り上がってきました。(同5000円)
ムルソー・アン・リュロール は小さな区画の場所。100%樽を使っていますが、新樽は20%未満。色は3つの中で最も濃厚。樽のニュアンスが思ったよりも控えめ。非常になめらかな口あたりながら、甘さ控えめなキレイなボディに好感が持てます。キュッと軽く引き締まる収れん味と酸、熟した果実の複雑味がお互いを引き上げ、長い余韻へと続きます。(同7700円)
Pinot Noir

Domaine Drouhin Oregon Pinot Noir 2009 (米オレゴン)
Chambolle-Musigny 1er Cru 2009 (仏ブルゴーニュ)
Beaune 1er Cru“Clos des Mouches”Rouge 2001 (仏ブルゴーニュ)
オレゴン ピノ・ノワール は、アロマを失わないよう、繊細さを大事にし、あえて濃くない色に仕上げています。ヴェロニクが目指しているのは、タンニン分を感じさせない絹のような味わいの、シャンボール・ミュジニーのイメージのピノ・ノワール。2009年はオレゴンではいい年。7~8年は保存できるポテンシャルがあるとか。
アロマはかわいらしいベリー系ですが、輪郭のはっきりした鮮やかな果実味が素直に表現されていると感じました。(同5000円)
シャンボール・ミュジニー1級 は、10くらいの区画のブドウを、年によって4~5つほど使い、ひとつのワインにまとめあげたワインです。「ピノ・ノワールのエレガントさや複雑さを、よりよく表現できるから個人的にもシャンボール・ミュジニーが好き」とヴェロニク。2009年はブルゴーニュもいい年。
複雑で魅惑的なアロマ!タッチはやわらかですが、背筋のピンと伸びた優雅さがあります。キレイな果実味がゆったりと広がり、余韻にもフィネスがあります。(同10000円)
ボーヌ1級クロ・デ・ムーシュ は、ドルーアンを代表するワインとして知られています。
「2001年は非常に難しい年だったが、畑での手入れをていねいに行い、しっかりした醸造を行なえば、長期保存できるよいワインになる。寒い年だったことも、長期保存に向いていて、これからもどんどん熟成する。食事の際も、時間の経過とともにワインが変化を遂げていくはず」とヴェロニク。
スパイス、ドライフルーツ、などなど、複雑で何層にも重なる香りにうっとり。気品があり、非常に優美。タンニン量が多いけれど、よく溶け込み、とてもなめらか。上品な存在感はさすがです。うまみをたっぷり含む余韻も素晴らしい!(同14000円)

シャルドネもピノ・ノワールも、オレゴンとブルゴーニュそれぞれの個性の違いを感じます。
それはやはり根を下ろしている土と、吸い上げる水の差でしょうか。触れる空気の差などもあるかもしれませんね。
が、2つに共通している哲学は、
洗練され、エレガントでありながら、熟成の可能性を秘めたワインであること
それはたしかにどちらにも感じました。
この機会に、2つの産地の飲み比べをしてみると、面白いかもしれません

「Domaine Drouhin Oregon」 では、上記で紹介した2つのワインのほか、
32の区画からのブドウを別々に醸造して熟成させ、厳選した100個の樽をブレンドした最上級キュヴェ 「Oregon Pinot Noir “Laurene”」 (長女の名前から)、ごく少量のみつくるエレガントなキュヴェ 「Oregon Pinot Noir “Louise”」 (次女の名前から)の、合計4つのワインを生産しています。
“ロレーヌ”は日本でも販売されていますが(同7000円)、“ルイーズ”は現地のワイナリーでしか販売していません。
オレゴンに出かける方は、ぜひ現地でルイーズを手に入れてきてください
(輸入元:三国ワイン株式会社)


オレゴン州のウィラメット・ヴァレー(ポートランドの南西約50km)に位置し、1987年に設立された 「Domaine Drouhin Oregon」 (ドメーヌ・ドルーアン・オレゴン) の醸造責任者である ヴェロニク・ドルーアン氏 が、2013年3月に来日しました。

ヴェロニク・ドルーアン -Domaine Drouhin Oregon
ヴェロニクは、仏ブルゴーニュで1880年から続く「メゾン・ジョセフ・ドルーアン」の4代目のひとり。
「ドメーヌ・ドルーアン・オレゴン」 は、彼女たちの父であるロベール・ドルーアン氏が設立し、現在は娘のヴェロニクが醸造責任者を、息子でヴェロニクの兄であるフィリップが栽培責任者を務めています。
ヴェロニクとフィリップは、ブルゴーニュの「メゾン・ジョセフ・ドルーアン」の醸造責任者、栽培責任者も務めています。
つまり、同じ人物が、ブルゴーニュとオレゴンでワインづくりをしている のです。
「醸造に関してはほぼ同じ。でも、土壌が違うから、同じピノ・ノワールでも違ったワインになる」 と、ヴェロニク。
ブルゴーニュの土壌は粘土石灰質、
オレゴンのウィラメット・ヴァレーはまったく石を含まない玄武岩質の火山灰土壌 。

栽培に関しては、ブルゴーニュのドルーアンでは1万本/haで植えていますが、オレゴンでは7500本/ha(オレゴンの他の生産者の平均は4500本/haとか)と、少々ゆとりがあります。
「平均よりも密植させているのは、木に競争をさせて根をしっかりと張らせることができ、また、収穫量もコントロールできるから」。
そもそもオレゴンの土地を選んだのは、ブルゴーニュの気候に似ていると思ったから(暑すぎず、寒すぎず)だそうで、ということは、彼らがつくる2つの産地のワインの味わいの違いは、やはり“土壌の違い”となるか?


比較テイスティングで確認してみました
Chardonay

Chablis Reserve de Vaudon 2011 (仏ブルゴーニュ)
Domaine Drouhin Oregon Chardonnay “Arthur”2010 (米、オレゴン)
Meursault En Luraule 2010 (仏ブルゴーニュ)
シャブリ・レゼルヴ・ド・ヴォードン は樽を使わず、ステンレスタンクのみで仕上げたもの。しっかりした酸の骨格があり、キリリとしながらも、フルーツの豊かな味わいがあり、ミネラル感もあるバランスの取れたワインでした。(参考上代3000円、税別)
オレゴン“アーサー”(ヴェロニクの長男の名前)は、プレスした果汁の半分をステンレスタンクで、残り半分を樽に入れて発酵、熟成(10カ月)させてアッサンブラージュさせています。若くてメロウなアロマがあり、味わいも甘くまろやかで、強すぎないボリューム感にほっとします。最初はゆるめに感じていた酸も、後からグッと盛り上がってきました。(同5000円)
ムルソー・アン・リュロール は小さな区画の場所。100%樽を使っていますが、新樽は20%未満。色は3つの中で最も濃厚。樽のニュアンスが思ったよりも控えめ。非常になめらかな口あたりながら、甘さ控えめなキレイなボディに好感が持てます。キュッと軽く引き締まる収れん味と酸、熟した果実の複雑味がお互いを引き上げ、長い余韻へと続きます。(同7700円)
Pinot Noir

Domaine Drouhin Oregon Pinot Noir 2009 (米オレゴン)
Chambolle-Musigny 1er Cru 2009 (仏ブルゴーニュ)
Beaune 1er Cru“Clos des Mouches”Rouge 2001 (仏ブルゴーニュ)
オレゴン ピノ・ノワール は、アロマを失わないよう、繊細さを大事にし、あえて濃くない色に仕上げています。ヴェロニクが目指しているのは、タンニン分を感じさせない絹のような味わいの、シャンボール・ミュジニーのイメージのピノ・ノワール。2009年はオレゴンではいい年。7~8年は保存できるポテンシャルがあるとか。
アロマはかわいらしいベリー系ですが、輪郭のはっきりした鮮やかな果実味が素直に表現されていると感じました。(同5000円)
シャンボール・ミュジニー1級 は、10くらいの区画のブドウを、年によって4~5つほど使い、ひとつのワインにまとめあげたワインです。「ピノ・ノワールのエレガントさや複雑さを、よりよく表現できるから個人的にもシャンボール・ミュジニーが好き」とヴェロニク。2009年はブルゴーニュもいい年。
複雑で魅惑的なアロマ!タッチはやわらかですが、背筋のピンと伸びた優雅さがあります。キレイな果実味がゆったりと広がり、余韻にもフィネスがあります。(同10000円)
ボーヌ1級クロ・デ・ムーシュ は、ドルーアンを代表するワインとして知られています。
「2001年は非常に難しい年だったが、畑での手入れをていねいに行い、しっかりした醸造を行なえば、長期保存できるよいワインになる。寒い年だったことも、長期保存に向いていて、これからもどんどん熟成する。食事の際も、時間の経過とともにワインが変化を遂げていくはず」とヴェロニク。
スパイス、ドライフルーツ、などなど、複雑で何層にも重なる香りにうっとり。気品があり、非常に優美。タンニン量が多いけれど、よく溶け込み、とてもなめらか。上品な存在感はさすがです。うまみをたっぷり含む余韻も素晴らしい!(同14000円)

シャルドネもピノ・ノワールも、オレゴンとブルゴーニュそれぞれの個性の違いを感じます。
それはやはり根を下ろしている土と、吸い上げる水の差でしょうか。触れる空気の差などもあるかもしれませんね。
が、2つに共通している哲学は、
洗練され、エレガントでありながら、熟成の可能性を秘めたワインであること
それはたしかにどちらにも感じました。
この機会に、2つの産地の飲み比べをしてみると、面白いかもしれません

「Domaine Drouhin Oregon」 では、上記で紹介した2つのワインのほか、
32の区画からのブドウを別々に醸造して熟成させ、厳選した100個の樽をブレンドした最上級キュヴェ 「Oregon Pinot Noir “Laurene”」 (長女の名前から)、ごく少量のみつくるエレガントなキュヴェ 「Oregon Pinot Noir “Louise”」 (次女の名前から)の、合計4つのワインを生産しています。
“ロレーヌ”は日本でも販売されていますが(同7000円)、“ルイーズ”は現地のワイナリーでしか販売していません。
オレゴンに出かける方は、ぜひ現地でルイーズを手に入れてきてください

(輸入元:三国ワイン株式会社)
