ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

カジュアル&スパークリング&オーガニック+エシカル=最強ワイン?「オーガニックスパークリングN...」

2021-02-25 21:57:47 | ワイン&酒

コロナ禍の影響を受けた2020年、日本のワイン市場は大きく変わりました。

飲食店や観光ビジネスへの大打撃で、飲食店や宿泊施設で提供されるアルコール類は大きく落ち込みました。

 

2020年の日本のワイン市場は約10%落ち込み、輸入ワインにおいては13%減となりそうです。

 

そんな中で、「家飲み」需要は増えました。

家庭用ワインは、若年層の購入率が最も伸びが大きく、20代女性が対前年比23%増、男性が24%増という数字が出ています。

 

では、2020年はどんなワインが人気だったのかを見ると、

手頃な価格帯(800円未満)のスパークリングワインが117%増(対前年比)

オーガニックワインが112%増(同)となっています。

 

800円未満のカジュアルラインのスパークリングワイン、またはオーガニックワイン

ということですね。

 

これらの要素をひとつでも満たしているワインは、現在の日本市場にはたくさんあるかと思います。

が、「カジュアル&スパークリング&オーガニック」の3つをフルで満たしているワインは限られてくるでしょうか。

 

先日、「ソーシャルプロダクツ・アワード2021」の「ソーシャルプロダクツ賞」を初受賞したワインのニュースリリースが届いたのですが、その受賞ワインのスペックを見ると、「カジュアル&スパークリング&オーガニック」の3要素をすべて満たしているじゃないですか!

 

オーガニックスパークリング N...(エヌ) ロゼ  

メルシャン株式会社

 

化学的な農薬・肥料・除草剤などは使わず、スペインの有機栽培のブドウを使用した、オーガニックのスパークリングワインです。

「エコサート・ジャパン」のオーガニック認証を取得しているメルシャン藤沢工場(2020年で創立100年)で瓶詰めされています。

 

500mlサイズのペットボトルで、オープン価格ですが、参考価格 600円前後と、買いやすいカジュアルプライスになっています。

(追記 2021.2.28 本日購入したら、ペットボトルではなく、瓶ボトルでした)

 

アルコール度数は、白、ロゼとも12%。

使用ブドウ品種は公開されていません。

 

 

Mercian Organic Sparkling N... 白

 

「オーガニックスパークリング エヌ...白」は、キレのある酸を特徴としたやや辛口で、柑橘の風味のジューシーな味わいが楽しめます。

 

 

Mercian Organic Sparkling N... ロゼ

 

「オーガニックスパークリング エヌ...ロゼ」は、フレッシュなベリー類の凝縮した風味と、軽快でほどよい酸のバランスがとれた中口タイプ。

白よりも甘さを感じるかもしれませんね。

 

どちらも容量は500mlなので、二人なら飲み切りサイズですし、ひとりで飲む場合でも、栓はスクリューキャップなので、飲み残しの保存が楽なのがいいですね。

ラベルデザインの雰囲気もよく、気分がアップしそうです。

 

 

「ソーシャルプロダクツ・アワード2021」「ソーシャルプロダクツ賞」初受賞、の話題に戻りますが、

「ソーシャルプロダクツ・アワード」は、一般社団法人ソーシャルプロダクツ普及推進協会が主催するアワードです。

デザインや機能といった「商品性」だけでなく、環境や人・社会への配慮である「社会性」も兼ね備えた商品・サービスを表彰しています。

 

 

例えば、「エコ(環境配慮) 」、「オーガニック」、「フェアトレード」、「寄付などの支援企画」、「地域や伝統に根差したもの」をはじめ、購入者が「持続可能な」社会づくりに関する行動や団体とつながる事ができる、さまざまな商品が表彰の対象となります。

 

「オーガニックスパークリング エヌ...」は、「第8回ソーシャルプロダクツ・アワード2021」の自由テーマ部門で、「ソーシャルプロダクツ賞」を初受賞しました(受賞発表は2021年2月12日)。

初受賞なのは、この商品が2020年9月1日に発売されたからです。

 

「N...」には、「Neo-(新しい)」、「Natural(自然な)」、「Non chemical fertilizers(化学肥料未使用)」の3つの意味が込められています。

 

「オーガニックスパークリングN...」の受賞の背景には、パッケージや価格帯、商品づくりの姿勢、環境配慮したスペインの提携ワイナリーでつくられ、エコサートの認証を受けたメルシャン藤沢工場で瓶詰されたことなどなど、多くのことが評価されたからです。

 

「オーガニックスパークリングN...」は、ようやく発売して半年を迎えるところですが、メルシャンによると、「エシカル消費」を気軽に実践できるオーガニックワインとして消費者から支持されているとのこと。

エシカル(ethical)を直訳すると「倫理的な、道徳的な」という意味ですが、

「エシカル消費」は「人や社会、環境に配慮した消費行動」ということになります。

 

エシカルについては、若い世代の方が認識が高いそうです。

せっかく飲むならエシカルなものをと、「オーガニックスパークリングN...」は、若い世代を中心に人気なのが頷けます。

価格も魅力的ですし、若い世代ならずとも、手を伸ばしたくなりますね。

 

 

ちなみに、メルシャンのオーガニックワインカテゴリーの2020年の販売数量は、前年比187%だそうです。

ワイン市場全体がコロナ禍で落ち込む中、この数字はスゴイ!

オーガニックワインの消費者需要が高まっていることの現れだと思いますが、キッカケは、やはりコロナでしょうか。

 

飲んで、ただおいしい、だけじゃなく、自分を含めた「人」にやさしく、社会にも環境にもやさしい商品を求めたい気持ちは、こんなご時世だからこそ強く湧き上がってきたのかもしれません。

 

この週末、このワインを探してみようかな、と思ってます。


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