ワインな ささやき

ワインジャーナリスト “綿引まゆみ” (Mayumi Watabiki) の公式ブログ

ソアーヴェのCantina del Castelloが新オーナーに

2022-11-15 17:00:00 | ワイン&酒

今年の9月末、イタリア・ヴェネト州のワイン産地SOAVE(ソアーヴェ)

Cantina del Castello社(カンティーナ デル カステッロ)のプレゼンテーションが都内で開催され、参加してきました。

 

生産者の来日はありませんでしたが、ワインの試飲がありました。

コロナ禍でオンラインが多くなったので、必ずリアルの試飲があるわけではない、というのが、コロナ時代ならではの事情ですが、ワインを実際に口にできるのとできないのでは、まったく手ごたえが違いますからね。

 

ソーアーヴェは北イタリアのヴェローナとヴェネツィアの間で、ヴェローナ寄りにあります。

海底火山が噴火して隆起した土地なので、火山性の玄武岩が土壌のあちこちに見られます。

普通に道を走っていると、すぐ横に黒い玄武岩の地層があり、興味深い地域でした。

 

SOAVE  Cantina del Castello (Italy, Veneto)

 

カンティーナ デル カステッロは、前のソアーヴェ生産者協会の会長だったアルトゥーロ・ストケッティ氏がオーナーを務めていました。

ストケッティ氏がオーナーを務めているワイナリーとして日本でもよく知られていましたが、2019年にオーナーが交代しました。

 

新オーナーは、これまでもカンティーナ デル カステッロのビジネスパートナーとして長い縁のあったカルレッソファミリーのマルコ・カルレッソ氏

写真を見ると、若く、IT関連会社の社長のような雰囲気の人(笑)

マルコ氏もずっとここで働いていたので、カンティーナのことはよくわかっています。

また、醸造長をはじめ、醸造チームはこれまでと同じということなので、カンティーナ デル カステッロの伝統はそのまま引き継がれています。

 

変わった点を挙げると、パッと見てすぐにわかるのがエチケットラベルです。

2020年ヴィンテージから変わったということなので、新旧を比較してみましょう。

 

  

左)以前のラベル         右)2020以降の新ラベル

 

シンボルとなっているカステッロ(城)のロゴは変わりませんが、ロゴが大きく強調され、雰囲気がモダンになったでしょうか。

 

ほかの変更点は…

 

2021年からオーガニックに転換

環境に配慮した取り組みーBiodiversity Freiend プロジェクトを開始

 

歴史ある畑を新たに追加

 

中庭の地下に新しいセラーを建設中

 

など、意欲的に取り組んでいるようです。

 

 

この日に試飲したのはこちらの3本

左から)

Soave Classico DOC 2020

Soave Classico DOC Pressoni 2018

Recioto di Soave Classico DOCG Cortepittora 2017

 

Soave Classico DOC はベーシックなソアーヴェで、ブドウ品種がガルガーネガ90%、トレッビアーノ・ディ・ソアーヴェ10%のブレンド。

トレッビアーノを加えることで、ソアーヴェの伝統的な味わいを守っています。

ステンレスタンクのみで醸造するのもソアーヴェの伝統スタイル。

味わいはピュアでミネラリー。3/4カ月(24日間くらい?)シュル・リーしているので、ほどよいコク、うまみも感じました。

心地よくスイスイ飲めますね。白身の魚やイカの刺身、カルパッチョ、味付けの濃くない和食、水炊きや塩ダレの鍋などに合わせてみたいと思いました。

※参考小売価格:2,300円(税別)

 

Soave Classico DOC Pressoni 「プレッソーニ」は、2019年に認定されたソアーヴェのクリュの名前です。

33あるクリュのおよそ中央にあり、玄武岩を含む粘土質土壌で、石灰はやや少なめのアルカリ性の土質。

特徴的なのは、かなりの急勾配の場所にテラス式の畑があるため、手作業で手がかかります。

こちらは、ガルガーネガ80%、トレッビアーノ・ディ・ソアーヴェ20%。

ステンレスタンク発酵、熟成(シュル・リー12カ月)、ボトルで4カ月熟成させています。

ベーシックなソアーヴェよりも黄色が濃く、味わいも濃く、深み、複雑味が出ています。

ボディを支えているのは酸で、ソアーヴェらしい酸がしっかりあり、フルーツ感もミネラル感もしっかりあり、高いバランスでまとまっています。

こく、うまみあり、ボディのほどよい厚みがあり、飲みごたえもあり。

価格を見ると、ソアーヴェのクリュはコスパがいい!と嬉しくなりました。

※参考小売価格:3,500円(税別)

 

Recioto di Soave Classico DOCGは甘口ワインです。

9月に収穫したブドウを専用貯蔵庫で2月まで寝かせておきます。その間に水分が抜けて糖度を増したブドウをソフトプレスし(搾汁率35%)、甘~いワインに仕上げます。

ブドウ品種はガルガーネガ100%。

ステンレスタンクで発酵(15日間)、熟成(4カ月)後、瓶で熟成6カ月以上。

この2017年は前オーナーが手掛けたもので、新オーナーになってからのレッチョートは、発酵期間が25~30日、タンク内熟成も12カ月、瓶熟成も12カ月と、どの過程も以前より長くしているようです。

2017年ヴィンテージは、濃厚な甘みが甘美。収穫から5年が経過しているとはいえ、フレッシュさが味わいの中に感じられ、品の良さを感じました。

黒蜜のデザート、あんこに合わせたくなりました

※参考小売価格:4,200円(375ml)

 

 

オーナーが変わり、色々と改革中ということで、その変化がワインとして出てくるのは、あと2,3年くらいでしょうか。

ずっと飲み続けてきている生産者ですので、この先も見守りたいと思います。

 

※輸入元:大榮産業

 

 

 

前オーナーのストケッティ氏は日本のソアーヴェプロモーションでもよく来日されていましたので、覚えている方も多いのではないでしょうか?

東京湾の屋形船でご一緒した時は、お嬢さんも参加され、非常に印象深い思い出です。

下にその時のリポート記事のURLを貼ります。

 

[参考]

白ワインSAOVEの夏!

https://blog.goo.ne.jp/may_w/e/b51308590737af1e9ffb945a23b2a8a4

 

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世界最優秀ソムリエコンクールの日本代表は誰に?

2022-11-14 23:42:01 | ワイン&酒

先週、「A.S.I. アジア・オセアニア 最優秀ソムリエコンクール」が東京で開催されました。

残念ながら、日本代表の2選手は決勝に進めず、アジア・オセアニアチャンピオンの座はフィリピンのメイソン選手が獲得し、同時に世界最優秀ソムリエコンクールへの切符を手にしました。

 

世界最優秀ソムリエコンクールは各国の代表1名も参加できます

ということで、来年2月にパリで開催される世界最優秀ソムリエコンクールの日本代表選考会が、11月22日に開催されます。

こちらは無観客ですが、プレス取材のご案内をいただきましたので、取材してきます。

 

日本代表選考会は、過去の全日本最優秀ソムリエの優勝者が参加資格を有します。

今回の選考会は、以下の2選手の戦いになります。

 

岩田 渉(2017 年 全日本最優秀ソムリエコンクール優勝者)

           vs

井黒 卓(2020 年 全日本最優秀ソムリエコンクール優勝者)

 

岩田さんは前回のアジア・オセアニア 最優秀ソムリエコンクールの優勝者で、2019年の世界最優秀ソムリエコンクールに出場しています。

井黒さんは、今回のアジア・オセアニアに出場し、セミファイナリストまで進みました。

 

2人がどんな戦いを見せるのか、楽しみに取材してきます。

 

2017年全日本最優秀ソムリエコンクールの時の岩田さん

審査員に故ジェラール・バッセ氏がいらっしゃいました

 

 

なお、世界最優秀ソムリエコンクールの開催スケジュールがようやくわかりました。

2023年2月7~12日フランス・パリです。

こちらも取材に行ければ、と思っていますが、どうなるやら…

 

 

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シャトレーゼ「ダブルシュークリーム 天空のほうじ茶」

2022-11-13 23:58:27 | 甘いもん

シャトレーゼの甲州ヌーヴォーワインを買った際に一緒に買ったのが「シュークリーム」

1個100円というお手頃プライスなのが嬉しいですよね。

 

シャトレーゼ ダブルシュークリーム 天空のほうじ茶 100円

 

実はこれ、以前に買った「天空の抹茶」と思い込んで買いました。

 

見た目からはわかりませんが、割ってみると…

 

 

抹茶じゃない!

パッケージをよく見ると、「ほうじ茶」でしたか!

 

これはこれで香ばしくて良かったですが、この色は大ショック(笑)

抹茶バージョンは春の季節限定でした。

次こそ絶対に抹茶を買いたい~

 

ほうじ茶バージョンのカロリーは1個あたり203kcalです

 

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こんな季節に「かしわ餅」発見♪

2022-11-12 23:00:23 | 甘いもん

和菓子は季節に合わせて発売されることが多いので、「かしわ餅」なら4月から5月頃がトップシーズンということになります。

それが、朝晩の冷え込みがつらくなってきた11月なのに、「かしわ餅」発見!

 

なぜ????と疑問はありましたが、ひとまず買いましょう!

 

かしわ餅  こしあん

 

はい、買って買ってきました

 

こういう出合いは本当に嬉しいもの。

ランチデザートではなく、ランチ代わりにガッツリ食べました

かしわ餅は主食になります(笑)

 

これで今年は本当に食べ納めかしら?

 

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シャトレーゼ樽出し生の新酒ワイン「甲州ヌーヴォー」を買いました

2022-11-11 22:47:01 | ワイン&酒

お菓子の「シャトレーゼ」が山梨でワインを造っていることは一部の人には知られているのですが、一般的な認知度はまだでしょうか。

 

そのシャトレーゼワインが「樽出し生ワインの日本の新酒ワイン」を販売し、お菓子を販売する店舗で買うことができる、ということを知ったのが一昨年のこと。

普通に新酒ワインがあることは、もちろん知っていました。

が、甲州ワインの樽出し生の新酒ですって?!

 

202年に初の樽出し生新酒ワインを飲んだリポートは下記にURLを載せますのでご覧いただくとして…

今年もいつのまにか新酒ワインの季節を迎え、シャトレーゼ「秋ワインフェア」の新聞折り込みチラシが入ってきました。

ふむふむ、チラシに有料ボトル代が無料になるクーポンも付いている?!

(ボトル代無料は地域によるかもしれませんのでご注意ください)

 

ということで、近所のシャトレーゼの店舗で新酒「甲州ヌーヴォー」を買ってきました。

 

 

店の前には「秋ワインフェア」のポスターがありました。

フェア期間は 2022年11月4日〜13日

 

シャトレーゼの樽出し生ワインのボトルは持っていますが、現在、手作り梅酒を入れてしまったので、ボトル無料クーポンを利用してオトクに購入しました。

 

樽出し生ワイン シャトレーゼヌーヴォー甲州 2022

 

ボトルにラベルは貼られていません。

税抜き980円(税込1,078円)

ボトル代143円(税込157円)

(以前購入したボトル持参でボトル代はかかりません)

私はちらし広告のクーポンを使い、コミコミ1,078円でした。

 

店舗でワインを樽から注いでもらい、「非加熱処理」のワインなので、帰宅後は冷蔵庫に入れました。

昨年は購入から2週間で飲むよう、日付けが書かれましたが、今年は記載なし。

スタッフさんが忘れたのか? 制限がなくなったのか?

それでも、非加熱処理のデリケートなワインですから、冷蔵庫に入れ、早めに飲むのがいいと思います。

 

キンキンに冷たくして飲んでもいいですが、あまり冷たすぎると甲州のふわりとした感じが楽しめないので、ほどほどに冷やすのが私の好みの温度帯です。

 

抜栓初日は肉じゃが、レンコンのきんぴらなどに合わせました。

2日目は豚のしょうが焼きと。

普段の食卓メニューにも違和感なく寄り添うのがいいですね。

 

甲州ヌーヴォー自体の味わいとしては、フレッシュでピュア。

甲州品種らしいほっこりしたふくよかさはありますが、雑味のないキレイな味わいで、より洗練されてきたように感じました。

個人的には、田舎くさくてもかまわないんですが(笑)

 

興味ある方は、、ぜひご近所のシャトレーゼの店舗で手軽に買える新酒ヌーヴォーワインを試してみてはいかがでしょうか?

秋ワインフェア期間は11月13日まで。

樽出しの新酒ヌーヴォーは、タイミングによっては売り切れとなるかもしれませんので、ほしい方はぜひ早めにシャトレーゼの店舗でお求めください。

 

[参考]

シャトレーゼで2020年産甲州ヌーヴォーワインを買ってみた

https://blog.goo.ne.jp/may_w/e/5816f8bd2fb5bd513371ba1f26a59ee1

 

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日本ワインイベント 110人の110本@ワイナートColumn

2022-11-10 23:27:51 | ワイン&酒

ワイナートWebのコラムに、日本ワインのイベントを取材した記事がアップされましたので、お知らせします。

 

110人が日本ワイン110本を持ち寄るというイベントで、北は北海道から南は九州まで、え?こんなにあったの?と驚くほどのワインが集まりました。

知らないところ、初めて飲むワインも多く、驚きました。

 

 

日本ワインイベント 110人の110本

https://winart.jp/column/32991

 

 

たくさん写真を撮りましたが、掲載スペースの関係で全部載せられなかったのが残念!

 

このイベントで、11月19日のフェス「ヴァン・ジャポネ」で公開される日本ワインのドキュメンタリー映画「ヴァン・ジャポネ」の監督NORIZOさんとのご縁もでき、フェスにお伺いします。

 

フェスでは日本各地のワインが紹介され、試飲できるので、日本ワインに興味がある方は、参加してみてはいかがでしょうか?

参加には事前にチケット購入が必要です。

 

[参考]

11月19日(土)日本ワインの祭典「ヴァン・ジャポネ・フェス」@恵比寿ガーデンプレイス

https://blog.goo.ne.jp/may_w/e/e8082d25a51c9dda10aee0f22dadd325

 

下記公式サイトで詳細を確認してください

https://nihonwine.jp/vjf/

 

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結果速報!「A.S.I. アジア・オセアニア 最優秀ソムリエコンクール」優勝はシンガポール代表

2022-11-09 18:20:29 | ワイン&酒

「A.S.I. アジア・オセアニア 最優秀ソムリエコンクール」の決勝が本日東京で開催され、その様子が15時からライブ配信されました。

 

残念ながら日本の2選手はセミファイナルには進んだものの、ファイナルには進めず。

ファイナルを戦ったのは、シンガポール、ニュージーランド、オーストラリアの代表選手。

 

厳しい審査の結果、優勝したのは、シンガポール代表 Mason Ng

 

the ASI Best Sommelier of Asia & Oceania 2022

left)

3rd  Loic Avril (Australia)

Win! Mason Ng (Singapore)

2nd  Andrea Martinisi (New Zealand)

 

Congrats!

 

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ウクライナのワイン

2022-11-08 23:05:15 | ワイン&酒

2月にロシアがウクライナに侵攻してから10カ月半。

「ウクライナ疲れ」という言葉が出てくるようになった、とささやかれすほど長期化している中、まもなく厳しい冬を迎えます。

 

ウクライナ支援は各方面で行なわれてきましたが、一社)日本ソムリエ協会では、ワインでウクライナを支援できないだろうか?と考え、ウクライナのワインを協会で購入し、セミナーや例会後の試飲などで提供することになりました。

セミナーは今年の5月に東京と横浜の会場で、またオンラインZOOMでも行なわれ、私は東京会場とZOOMに参加しました。

 

 

5月から遅ればせながら、となりますが、早く両国間に平和が戻ることを願い、

ウクライナワイン セミナーのリポートをお届けします。

 

 

セミナー講師は、ウクライナ北東部スミ州出身のバシュナ・アンナさん。

日本に16年在住し、日本語はペラペラです。

現在はウクライナワインを輸入する会社のワイン担当で、5月当時で担当8カ月め、と仰っていました。

 

 

すっかり知られるようになったウクライナの国旗ですが、上の青は空、下の黄色は小麦畑をイメージしているほど、小麦はウクライナを象徴する農作物です。

ウクライナは日本の国土の1.6倍の国土を持ち、農業に適した平地が多いことから、全ヨーロッパの耕作可能地の1/3がウクライナと言われ、18世紀以降は「ヨーロッパの穀倉地帯」と呼ばれてきました。

 

緯度はフランスとほぼ同じで、四季があり、南部は亜熱帯となる温帯大陸性気候。

ブドウ栽培は紀元前4000年からと古く、クリミア半島にいたギリシャ人がアンフォラでワインを造っていました。

近世以降は戦争の激戦地となることが多く、ポーランドとロシアの間にあることから、西はポーランド、東はロシアの一部になった時代もありました。

 

ワイン産業のターニングポイントは、1980年のゴルバチョフ時代の禁酒政策。

1983年から88年、ワイン用ブドウが抜かれたり燃やされたりしてブドウ畑が大きなダメージを受けました。

ブドウが新しく植えられたのは、ウクライナとして独立した1991年になってから。

それまでのウクライナワインは、質より量のワインがロシアに送られていましたが、1991年以降は品質を重視し、ヨーロッパ系品種が植えられるようになりました。

今、品質の良いウクライナワインがあるのは、ある意味ゴルバチョフ時代の禁酒政策のおかげ、といえます。

 

ウクライナの国土は広く、北と南では気候が異なります。

ヨーロッパロシア地域でロシアに次いで2位の面積だそうです。

ワイン産地も広く、主に中央部以南、黒海周辺、アゾフ海北側、ハンガリーやスロバキア国境の南西部などになります。

草原、砂浜、山脈の南斜面など、さまざまなテロワールがあるようです。

たとえば、南部は亜熱帯、気温が高く、ブドウはよく熟してアルコール度数が高く、酸が低いワインになります。

 

セミナーでは8つのワイン生産ゾーンを紹介されましたが、区分は厳密には決まっていないようで、原産地呼称もひとつのみ、だとアンナさんは言います。

8つのゾーンを簡単に紹介します。

 

トランスドニストリアン ゾーン

モルドヴァ東部を流れるドニエストル川とウクライナの国境との間の細長い地域。

南部の川沿いにワイナリーが点在し、北部ではリースリング、セミヨン、アリゴテ、カベルネ・ソーヴィニヨンを生産。

 

オデーサ ソーン

オデーサのオデーサ地区とオヴィディオポリ地区。

他の地域よりも酸度が低く、抽出とアルコール度数が高いワインが特徴。

リースリング、アリゴテ、ピノ・グリ、ピノ・ブランなど。

ヨーロッパ品種も多数あり

 

南西部(草原) ゾーン

オデーサゾーン地区を除くオデーサ、オデーサの東側のムジコラーイウ、ドニプロペトロウスク、クロボグラード地域と減る損地域の一部を含むエリアで、生産区域としては一番面積が広いゾーン。

アリゴテ、ブラック・ガメイ、ポルトギーザー、シャルドネ、カバスマ、シャルドネ、リースリング、ブラックセレクシア、ビラージなど。ブレンドワインが多い。

特にリースリングは高品質ワインが多い。

 

ドニプロ下流(砂浜) ゾーン

ドニプロ川の下流、右岸エリア。レーニン、ベリスラスキー地区、ヘルソン地域、ヘルソン地方のゴロプリスタンスキー、ツルピンスキー、カホフカ地区を含むニズネドネプロフスク。

ほとんどのヨーロッパ品種を栽培。特にカベルネの赤ワインが有名。

 

アゾフ ゾーン

クリミア半島からロストフ地域までのアゾフ海北海岸にそって広がる土地。

夏暑くて乾燥するため、アルコール度数が高く酸度が低いワインが多くなる。

マスカットシャスラ種(地元ではバーチと呼ばれる)のワインがよく知られている

 

イズマイール ゾーン

オデーサ南西、モルドヴァの南で、黒海に面するエリア。クリミア半島の入り口。

南西部(ダヌビアン地域)はそれほど暑くなく、ブドウの生育期間が長いのが特徴。アリゴテ、リースリング、イタリアンリースリング、セミヨン、カベルネ、トラミナー、マスカットなど。

北部は丘陵地域で、アリゴテ、リースリング、カベルネ、シュナンなど。高品質なテーブルワイン、スパークリングワインが生産されている。

中央部は平坦な地域で、砂地の上にワイナリーがあり、特に「シャボー」は高品質ワインで有名。

 

ザカルパッチャ ゾーン

ウクライナ西部、ザカルパッチャ山脈の麓の南斜面にある、夏は長くて暖かく、フジは短くて寒くない地域。

フルミント、ガルスレヴェル、トラミナー、ホワイトマスカト、ホワイトフェテアスカ(リーンカ)、セミヨン、リースリング、イタリアンリースリング、セレムスキーグリーンなど。ホワイトフェテアスカイタリアンリースリング、セレムスキーグリーンは要注目(白ワイン)。

 

クリミア ゾーン

クリミア半島にあり、亜熱帯気候で、夏は暑く乾燥し、冬が短い地域。

アルコール度数が高く酸度が低いワインになる。

古くからワイン生産が行なわれ、高品質デザートワインの「マサンドラ・ワイン」が有名。

 

耳慣れない地名が多く、どのあたりなのかわかりにくいかもしれませんが、ドニプロ川、ヘルソン、オデーサ、クリミア半島など、ロシアの侵攻で耳慣れてしまった地名もありますね。

 

東京会場のセミナーの試飲ワインは6種

 

まず注目したいのは、左端の白ワイン「Shabo Telti Kuruk Reserve 2018」

土着のブドウ「TELTI-KURUK テルティ・クルック」を使用しています。

テルティ・クルックは「狐の尻尾」という意味で、房の形がクルンと巻いたキツネのしっぽを思わせることから名付けられました。

シャボ地域の砂浜地区で、この「Shabo」が唯一の原産地呼称だそうで、クリミア半島の入口、イズマイールゾーンになります。

粘土砂混じり土壌で、1000haのエリアに30品種が植えられているそうです。

 

ワインの味わいは、グリーンノートの爽やかな香りがあり、果実味も酸味もソフトでまろやか。柑橘の白い部分の印象があり、ほのかにミネラルも感じ、口当たりよく飲みやすい白ワインでした。

 

TELTI-KURUKの右はリースリング100%の白ワイン「ツルベツコイ ナッドニプリヤンスキ 2016」

ヘルソンのツルベツコイワイナリーの白ワインです。

ラベル表記が英語ではないので、わかりにくいのが難ですが。

 

その右はオデーサの赤ワイン「アッケルマン サペラヴィ プレミアム 2020」

サペラヴィ100%で、色濃いですが、まろやかでやわらかでした。

 

その右は「スタホスフキー メルロ Ace 2019」

ザカルパッチャの赤ワインで、メルロ100%。

まだ若いワイナリーとのこと。

樽の香りが華やかですが、爽やかなロースト感で、重たくはありません。メルロですからね。

ボルシチに合う、とアンナさんは言っていました。

 

その右は、「ツルベツコイ ピノ・ノワール リミテッド 2018」

ヘルソンンのツルベツコイワイナリーの、ピノ・ノワール100%の赤ワインです。

枯れ葉、紅茶、野イチゴのコンフィ、野ばらの花のニュアンスがあり、赤系果実がチャーミング。サワーチェリー系の風味、やや樽。

ペアリングは、「サーロ」と呼ばれるイタリアのラルドに近い豚の皮に近いトロトロの部分がオススメとのことでした。

 

右端は甘口の「チザイ トロイヤンダ カルパット 2017」

ザカルパッチャのトラミネール100%、アルコール度数16%。                                                                                                                                          

トロピカルフルーツ、オレンジのニュアンスのある、リッチな甘口。

焼きリンゴに合わせるのがオススメ、とアンナさん。

 

 

アンナさんはウクライナの料理についても紹介してくれました。

また、上記のワインは東京のセミナーでのものですが、オンラインZOOMではまた別のワインが紹介されましたので、ウクライナ料理とあわせ、また別途取り上げたいと思います。

 

アンナさんと日本ソムリエ協会の田崎眞也会長

 

なお、アンナさんが勤めるウクライナワインの輸入会社は横浜にある株式会社ヘルムズで、ウクライナワイン専門店「Vino Pioner」(ヴィノピオネール)を運営しています。

セミナーで紹介したワインはすべてヘルムズの取扱いになりますので、興味ある方は下記URLをご覧ください。

 

Vino Pioner

https://vinopioner.co.jp/

 

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ライブ配信開始時間変更ーA.S.I. アジア・オセアニア 最優秀ソムリエコンクール

2022-11-07 14:42:02 | ワイン&酒

すでにご案内しているこちら

「A.S.I. アジア・オセアニア 最優秀ソムリエコンクール」決勝(東京)は11月9日にライブ配信されます

 

では、ライブ配信の開始は「14時から」となっていましたが、

開始時間変更「15時から」の連絡がありました。

 

11月9日(水)のライブ配信時間は 15:00~18:00 となります

https://youtu.be/WcbMMutBkPk

 

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魚続きで今日はちらし寿司

2022-11-06 23:28:27 | おいしい食べもん

日々の食事の献立は悩みの種ですよね。

自分ひとりなら晩酌のおつまみでもいいんですが(笑)、高齢者にはバランスよく栄養価が高いもいものを食べさせないと、と思っています。

 

一昨日はアジの干物、昨日は金目鯛の煮付けと、魚が続いたので、今日は肉系にしようと考えていましたが、出かけた先のスーパーで具材たっぷりのちらし寿司を見つけ、手軽さを優先しました。

魚が続くのは、肉が続くより精神的にほっとします

 

ちらし寿司

 

これだけだと寒々しいので、キノコのお吸物を作りました。

汁物はほっこりしますね~

 

明日こそ肉!(笑)

 

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届いたワインの段ボール箱が濡れていた理由は…

2022-11-05 23:59:11 | ワインのお仕事

ワインの仕事をしていて良かった、と思うことはたくさんあります。

たとえば、新商品をいち早く試飲できたり、入手困難なワインを飲めたり、とか。

ホント、ありがたいことです。

 

そんなこんなで、自宅にワインを送っていただくことが多いのですが、つい先日、前代未聞の珍事がありました。

 

宅配便のお兄さんが、「ワインが割れたかもしれません」と言い、ポリ袋で包まれた段ボールを持ってきました。

たしかに段ボールの底が濡れてふやけています。

 

急いで開けてみましたが、中に入っていたボトルはすべて無傷。

1本も割れていない???

 

そこで、濡れた段ボールの匂いを嗅いでみると、これ、カニでは?!

ワインが割れたのではなく、近くにあったと思われる冷蔵品のカニから出た水分かと…

 

ワインが割れてなくて良かった~

ラップ材がしっかりしていたおかげでワインボトルに匂いは一切ついておらず、カニ臭のする段ボール&ラッピング材も、お兄さんがすべて回収してくれました。

 

私に届いたワインは無事でしたが、冷凍か冷蔵が解けてしまったと思われるカニ(と思われる)荷物は無事だったんでしょうかしら?

 

仕事柄、ワインの荷物はたびたび届きますが、ボトル割れたかも? 実はカニ臭、というのは初めての体験でした(笑)

 

今日のおやつは豆大福

 

 

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日仏ペアリング「隠れ収穫祭」@ワイナートColumn

2022-11-04 18:27:27 | ワイン&酒

「ダイナースクラブ フランス レストランウィーク2022」(2022年9月23日から10月16日まで開催)のガラディナー的なイベント「隠れ収穫祭」を取材したコラムが、「Winart」のウェブコラムにアップされましたので、お知らせします。

 

取材とはいえ、素晴らしいお料理をしっかりと堪能させていただき、とても幸せなひとときでした。

ありがとうございました !

 

 

 

日本ワイン×フレンチ、フランスワイン×日本料理

6種の日仏ペアリングを楽しんだ「隠れ収穫祭」

https://winart.jp/column/33490

 

 

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ちょっと愚痴っていいですか(笑)

2022-11-03 23:58:02 | 雑記

このところ家の雑事に忙殺され、いろいろと擦り切れている気が…

 

高齢の母にデイサービスに通ってもらおうと、先月後半に4カ所ほど体験に行ってもらい、うち2カ所と契約することになりました。

そのため、昨日は午前と午後に担当の方を自宅で迎え、時間をかけて契約作業を行なったのですが、2つめが終わったところで、もう夕方。

 

からの、今日はうちひとつのデイサービス初日ということで、持ち物を用意し、名前を書いて、という作業をしていると、急いで夕飯の支度をしなくては、という時間に。

夕飯後も、持ち物の最終準備やらで、結局、仕事に手を付けられず、でした。

新聞も、このところは朝刊を夕方に読む感じですが、前日は朝刊も夕刊も読めなかったので、2日分まとめてザっと読む始末。

 

こういうせわしい時だから、前から約束していた友人たちとの久しぶりのおしゃべりを楽しみにしていた先日、友人の友人だけど私は初対面の人が来て5人になると聞き、それではゆっくり話ができないと、参加を断念。

次はいつになるのかしら… 先は遠そう…

 

ある方面からご案内いただいていたZOOMの映画も、外出からの帰宅時間が予定より遅くなり、急いでアクセスしたら終了していた、とか…

 

すみません、いろいろ愚痴りました

 

 

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11月19日(土)日本ワインの祭典「ヴァン・ジャポネ・フェス」@恵比寿ガーデンプレイス

2022-11-02 23:52:20 | ワイン&酒

クラウドファンディングCAMPFIREの「Vin Japonais (日本ワイン)映画制作プロジェクト」で制作されたドキュメンタリー映画完成を記念し、「ヴァン・ジャポネ・フェス 2022」2022年11月19日(土)恵比寿ガーデンプレイス(東京)で開催されることになりました。

 

映画は、日本在住のフランス人フレデリック・カユエラ氏(ワインスクール講師)と、同じく日本在住の日本在住のフランス人ジャーナリストのフローラン・ダバディ氏がメインナビゲーターとなり、日本ワインの歴史と文化、日本ワインに関わる人々など、日本ワインの実力と魅力、将来性を世界に向けて発信するものになっています。

 

 

カユエラさん(画像左)はこのところたびたびお目にかかる機会があり、ダバディさんは数年前にフランス農水省のワインイベントでご一緒させていただいたことがあり、メインナビゲーターのおふたりにご縁があるのが嬉しい驚きです。

加えて、実はこのクラウドファンディングに一口出資させていただいておりました

 

フェスは<映画「Vin Japonais」鑑賞>と試飲イベント<Vin Japonais Fes.>の2本立てになっていて、どちらもチケットは事前予約購入のみ

当日販売はありませんので、参加したい!と思った方は、公式サイトをチェックして事前購入してください。

 

私も行きますよ~

 

 

<映画鑑賞>  恵比寿ガーデンシネマ(恵比寿ガーデンプレイス内)

チケット:1,500円(事前予約のみ)

第1部 10:00 スタート(開場9:30) 〜 12:30終了

第2部 13:20 スタート(開場12:50) 〜 15:50終了

第3部 16:40 スタート(開場 16:10) ~ 19:10 終了

※エンドロールにメイキング映像が登場しますので、ぜひ最後までご鑑賞ください。

 

<試飲フェス/Vin Japonais Fes.> ザ・ガーデンルーム(恵比寿ガーデンプレイス内)

チケット:8,000円(事前予約のみ)

ファーストステージ 10:00〜12:00

セカンドステージ 13:30〜15:30

サードステージ 16:40〜18:40

 

※主催者からの注意点

・クロークのご用意はございますが、できるだけコンパクトなお荷物でお越しいただけますと幸いです。ご貴重品の管理にはくれぐれもお気をつけください。

 

・各部2時間の入れ替え制です。お体に無理のない試飲をお楽しみください。

 

・スタンディングで試飲していただくスタイルです。入場口でお渡しするグラスとグラスホルダーをご使用ください。

 

・お水の販売はございません。必要な方はお水などをご持参ください。

 

・試飲はチケットと引換制です。追加のチケットの販売もございます。

 

・ボトル販売コーナーがございます。入手困難なレアアイテムも登場します。お早めにご購入ください。

 

・お支払いに使用できるのは、クレジットカード ・ PayPay のみです。

 

・ベストドレッサー賞もご用意。お洒落をしてのご来場も大歓迎です!

 

 

公式サイト (詳細&チケット購入)

https://nihonwine.jp/vjf/

 

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実は毎日歩数計をチェックしています(笑)

2022-11-01 23:55:49 | 雑記

私の携帯がガラケー(ガラホ)なのはたびたび書いていますが、これに歩数計機能が付いているので、よくチェックしています。

家にいる時もポケットに入れてます。

 

今日はかなり歩きましたよ… 1万歩!

 

夜に帰宅し、今年は町内会の班長なので、昼間にできなかった自治体の広報を班内の各戸に配り歩き、さらに歩数をかせぐことに(笑)

 

歩数計は過去の記録が残るので、なかなか便利です。

歩くことを意識するのは健康にもプラスになりますよね。

 

歩いたら、食べる!

 

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