昨日もご紹介したとおり、映像作品『朝鮮通信使~駿府発二十一世紀の使行録』の上映会が、今日(14日)13時30分から、静岡県立美術館講堂で開かれました。
15分ぐらい前に会場に着いたら、250席の講堂に座っているのは20数人。そういえば美術館の玄関ホールや会場前には、それらしい案内やポスター類などは一切なく、大々的に告知しているわけでもなく、無理もないかなぁと肩を落としながら、最後列の席に着きました。
しばらくしたら、作品の制作請負団体であるしずおかコンテンツバレー推進コンソーシアム専務理事の平尾正志さんがやってきました。昨日(13日)でコンテンツバレーの派遣業務を終え、週明けから元の職場(SBS静岡放送本社)に戻るそうで、これが実質最後のお勤め。お勤めといっても、今回の上映会はコンテンツバレーの職員にとっては業務でも何でもなく、平尾さんは休日返上し個人的にかけつけてくれたのでした。
そんな奇特な人はほかにはいないだろうな、と思っていたら、金両基先生がフラッと登場。お会いするのは昨年10月のしずおか地酒サロン『国境を越えた匠たち』以来だったので、「せんせ~!」と思わず抱きついてしまいました。
気が付くと、講堂内は半数以上の席が埋まっていました。ホッと息をついたところで、上映が始まったら、講堂内の照明が消えずに、久能山東照宮から始まる冒頭シーンが台無し。オープニングタイトルが始まる頃、やっと場内が暗くなったのですが、悲しいかなハイビジョン再生機ではないので、画が粗く暗~く、サイズも4対3で、林隆三さんがスリムに?見えてしまいました。…仕方ないですね、静岡市内でハイビジョン映像の上映ができる設備を持っているのは、コンテンツバレーが運営する静岡市クリエーター支援センター(旧青葉小学校)しかないのですから。
久しぶりに観た『朝鮮通信使』。修正したいところがいくつもあって、何度も自己嫌悪に陥りました。映画を作っている人って、納品し自分の手を離れてしまってから直したいところに気づいて、地団駄を踏むことってあるのかなぁ。どうなんだろ。完璧!満点の出来!って清々した気分で送り出せるものなんだろうか…。
それでも、エンドロールの膨大な名前を眺めているうちに、こんなに大勢の人を巻き込んだ難しくて手間のかかる作品を、よく4ヶ月で創ったなぁと他人事みたいに感心してしまいました(笑)。
金先生からは「おまえさんがブログで“大きなホールの大画面で見られる機会はめったにない”と書くから期待して来たのに、ウソじゃないか」と小言を言われてしまいました。…肩透かしをくったのは私も同じです~と苦笑いしつつ、金先生と平尾さん、制作関係者が2人も駆けつけてきてくれたことが無性に嬉しかった。この作品のことを、今でもこうやって大切に思ってくれる同志が、ちゃんといたんだと。
展覧会企画者でもある福士雅也さん(県美学芸員)が、挨拶時に、私の名前を出して上映会開催の経緯を紹介してくださったので、金先生から「プロデューサーでもない、制作スタッフの一人にすぎない脚本家がとんだ越権行為をしたもんだ」と冷やかされました。…確かに製作元やプロデューサー氏にしてみればオモシロくない話かもしれませんが、金先生も平尾さんも、「最後は一人のマンパワーがモノをいうんだよ」と慰労してくれました。
上映会には結局150名を超える人が集まってくれました。サクラは、我々3人を除けば一人もなし、純粋な美術ファン・歴史ファンだけでこれだけの人に観ていただけたのは、感謝感激です。立役者の県美学芸員のみなさま、本当にありがとうございました。