また奥の細道の話です。
当ブログでは2015年9月20日に「封人の家」を訪れています。その後尾花沢までの行程を抜かして最上川下りに行ってしまいました。
その補足です。
芭蕉一行はここから山刀伐峠(なたぎりとおげ)を通って尾花沢の鈴木清風宅に向かいます。
この峠の最上側は「二十七曲がり」と呼ばれるほど曲がりくねった道で車道はありますが対向車が来たらどうしようかといった感じの情報です。
ご隠居は車の運転に自信がないのでこの標高470mの小さな山は避けて尾花沢側に行ってみました。
県道わきに立派な案内板がありました。
「雪とスイカと花笠」雪が深いのでしょうね。
それと尾花沢は日本一のスイカの産地だそうです。
スイカは千葉が一番かと思っていました。馬鹿ですね。
芭蕉一行はあの橋の上を峠の方から疲れ切って降りてきたのでしょうか。
サルビアの花が綺麗に咲いていました。
観光客は誰もいません。9月のからっとした風が心地よく吹いていました。
誰の句だかよくわかりませんでした。
尿前の関 後半
あるじの云う、是より出羽の国に、大山を隔てて、道さだかならざれば、道しるべの人を頼みて越べきよしを申。
(途中に大きな山があって道もはっきりしないから道案内を頼んだ方がいいと言われた)
さらばと云て、人を頼侍れば、究きょうの若者、反脇差をよこたえ、樫の杖を携えて我々が先に立ちて行。
けふこそ必あやうくめにもあふべき日なれと、辛き思いをなして後について行。
(今日という今日はきっと危ない目にあうかもしれないと後をついて行く)
あるじの云にたがわず、高山森々として一鳥声聞かず、木の下闇茂りあひて夜る行くがごとし。
(高山は森が生茂り鳥の鳴き声ひとつ聞こえない。木の下は真っ暗で夜道を行くようだ)
雲端につちふる心地して、篠の中踏み分け踏み分け、水をわたり岩につまずいて、肌につめたき汗を流して、最上の庄に出づ。
(深山を陰風の吹き抜けるさまに、雲の果てから土を吹き下ろすと詠んだ杜甫の詩句そのままの感じだ)
かの案内せしおのこの云やう、「此みち必ず不用の事有。つつがなうをくりまいらせ仕合したり」と、よろこびてわかれぬ。
(この道ではいつもきっと乱暴なことが起こるのですが、今日は無事に送ることが出来て良かったと喜んで別れた。
跡に聞きてさへ胸とどろくのみ也。
(後になって聞いても胸がドキドキするばかりだ)
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