ななきたのご隠居~野崎 幸治

千葉市美浜区で行政書士をしています。
地元では「ななきた(磯辺7丁目北自治会)のご隠居」と言われています。

豊橋の旅(潮騒の島)

2016年03月24日 | 旅行

さて三島由紀夫の小説「潮騒」の舞台になった地、神島に行ってみました。(小説の中では姫島)

神島観光船の高速船で約15分です。

他にお客もなく貸切でした。鳥羽港からの連絡船が主なルートのようです。

伊勢湾フェリーの方が大きくて立派です。当たり前ですね。自動車共用ですから。

神島港の桟橋です。わずか15分でもここは愛知県ではなく三重県です。

愛知県のガイドブックを見ていたら有名なのに掲載されていないのでおかしいなと思いました。

三重県のガイドで探さなくてはいけません。

上陸すると大きな案内というか立派な碑がありました。

そうですね神島は潮騒の島です。人口は500人余りだそうです。

蛸壺がありました。タコ漁が盛んだとか。

歌島の年間漁獲高の八割は蛸であった。11月に始まる蛸の漁期は、春の彼岸にひらく槍烏賊(やりいか)の漁期を前に、すでに終りに近づいていた。

伊勢海が寒いので、太平洋の深みに寒を避けるいわいる落蛸を、壺が待ち構えていて捕える季節が終わったのである。(潮騒から)

島に一つの郵便局です。鳥羽市神島町の郵便番号は517-0001です。休日なのでATMは使えないみたいです。

郵便会社も東京市場に株式上場を果たして意気軒昂と言うところでしょうか。

今後も郵便局の諸君のご健康とご活躍を祈念します。とか心にもないことを言って島巡りに行きましょうか。

郵便局の先の路地を右折します。

時計がありました。かつては唯一この時計が島の時間を刻んでいました。

こういう写真はアリバイになりますね。

ご隠居の知人が殺されたとしてもこの時間に島にいたのだから千葉で殺人事件を起こせるわけがないとかいって容疑者から外されます。

ちょっと2時間ミステリードラマの観すぎかな。

洗濯場 

村の本道のコンクリートの段々を奥さんは白いサンダルで軽い音を立てて下りた。賑やかな笑い声がして、濡れたものをはたく弾みのよい音がきこえて来た

見ると道沿いの小川のほとりで、6,7人の簡単服の女たちが洗濯しているのである。(潮騒から)

さらに階段を山頂方面目指して登ってて行きます。結構きつい。

歌島には眺めの良い場所が二つある。一つは島の頂きちかく、北西に向かって建てられた八代神社である。

ここからは、島がその湾口に位いしている伊勢海の周辺が隈なく見える。北には知多半島が迫り、東から北に渥美半島が延びている。

西には宇治山田から津の四日市にいたる海岸線が隠見している。(潮騒から)

その八代神社を目指します。

八代神社

主人公の新治が祈ります。

神様、どうか海が平穏で漁獲は豊かに、村はますます栄えていきますように!・・・・・・・・それから筋違いのお願いのようですが、いつしかわたしのような者でも、気立てのよい、美しい花嫁が授かりますように!

・・・・・・・たとえば宮田照吉のところへかえって来た娘のような・・・

10円玉を賽銭箱に投げ入れ、更にもうひとつ投げ入れた(潮騒から)

神島灯台がやっと見えてきました。

海の難所である伊良湖水道を見守っています。日本の灯台50選です。

官舎の跡でしょうか?

新治を可愛がってくれた灯台長夫妻の所に魚を届ける場面で初江と偶然に会います。20円のお賽銭の効果は絶大です。

桂由美の「恋人の聖地」のプレートがありました。

愛を誓いプロポーズするのにふさわしい観光スポットとして恋人の聖地30か所の一つだそうです。

笑っちゃいますね。ここまで来るとかなり息が切れるので若いうちにどうぞ。シニアは倉敷のチボリ公園なんかの方が楽そうです。

映画でも小説でも盛り上がる「監的硝」です。

戦時中に旧陸軍が伊良湖から試射弾訓練の着弾点を確認するために建てたそうです。

昭和初期に建造されたものですがもしその後手入れされていないとしたら今でも痛んでいないのにはびっくりポンです。

新治と初江が裸になって暖をとった焚火の跡でしょうか。

・・・・新治が目をさますと、目の前には一向に衰えていない焔があった。焔のむこうに、見なれないおぼろげな形が佇んでいた。新治は夢ではないかと思った。白い肌着を火に乾かして、一人の少女がうつむいて立っている。

肌着をその両手が低いところで支えているので、上半身がすっかり露わである。(潮騒から)

屋上に出てみました。天気が悪い!

さてここからはやっと穏やかな下り坂です。

カルスト地形

石灰岩が風化してできたもので荒々しい風景を醸し出しています。

鳥羽市の指定天然記念物です。

ニワの浜

晴れていれば前面にカルスト地形の白い浜と青い海が素晴らしいでしょうね。

その日も入梅前の、すでには初夏とは言えない烈しい日ざかりの浜に、たき火が焚かれ、煙が南風につれて王子の古墳のほうまで流れている。

ニワの浜は小さな入り江を抱き、入り江はまっすぐに太平洋に臨んでいる。沖には夏雲がそびえ立っている。(潮騒から)

島を一周してやっと神島港が見えてきました。帰りの船の時間もあるので急いで廻ったら結構時間が余りました。

まだ健脚です。と思いたくなりましたが膝がガクガク!

さようなら。神島!

 

小説を読んで、映画を観て、現地を訪ねる。という三点セットは結構楽しいですよ。

泊まるところは温泉なんかじゃなくてもいいのですがお風呂だけはちょっと大きいのがあるといいですよね。

それに近くに地元の美味しいものを食べさせてくれるレストランや食堂があると、なおいいです。

最近ルートインみたいなビジネスホテルでも1階に大浴場なんかがあったりして嬉しい限りです。

 


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