さらに登ります。
杉木立です。
芭蕉塚
江戸時代鶴岡の俳人衆が「涼しさや ほの三日月の 羽黒山」に因み永く面影を慕おうと三日月塚と称して建立しました。
御本坊跡(別当寺宝前院の跡)
途中、奥の細道本文にも出てくる南谷別院跡に下る分岐点がありましたがもう汗まみれで省略しました。
三の坂を登り終えてやっと2446段最後の鳥居が見えてきました。
厳島神社・蜂子神社
三社合祭殿(重文・日本最大の萱葺き建物)
三神合祭殿は月山、湯殿山、羽黒山を祀っています。
月山、湯殿山は冬期間積雪で登拝できないので三神を羽黒山に祀るとされています。
萱葺き屋根の壮大さにただただ目をみはるばかりです。
日本の各地の山にそれもかなり高い場所に荘厳な神社仏閣が建立されていますが本当に驚いてしまいます。
御朱印もいただきました。
8月31日 蜂子神社祭(八朔祭)
9月1日 田面際 お祭りの時で山伏姿の人にたくさん出会いました。
鶴岡市観光協会のパンフレットから
重文 鐘楼と大鐘 屋根も切妻造りの萱葺きで質素な感じですが歴史を感じます。
鐘は日本第三の大きさとか。
霊祭殿
出羽三山は先祖の霊魂を祀る山としても信仰を集めています。
末社 稲荷神社や白山神社など九社が祀られています。とにかく山中、神、神、神です。
ちょっと面白いなと思い撮りました。
手水舎 こちらの鳥居を抜けると有料道路を登ってくる車のための大きな駐車場とお土産屋さんなどが並んでいます。
階段を登ってこなくても気軽に霊山の空気に触れることができますので安心してくださいね。
何よりも天気が良くてラッキー!雨でも降ってガスっていたら目も当てられないです。
「さて2446段の階段とは大変なものだね」
「気合だ、気合だ、気合だぁぁぁぁぁぁぁぁ・・・」
「うるさいねぇ、こんな静寂で荘厳な場所でなんで大声出しているのかねぇ」
「気が狂いそうです。頭の中じゃ茶店までもたどり着かない感じです」
「山寺でも800段以上、標高差は同じぐらいのなのになんとかなったから大丈夫」
「根拠のない自信は無敵です」
「染物師の呂丸さんの紹介で本坊、別当代・会覚さんの好意で南谷紫苑寺に泊まることが出来ました」
「翁はどこにも沢山ののファンがいて助かります」
「アイドルグループのファンみたいな軽い人たちではありませんよ。俳句の修行をしている人達です」
「お言葉ですがおニャン子クラブやモーニング娘でもその後、会社経営に成功したりネットなどで活躍している人も多いようです。侮れません」
「曾良さんは芸能通だね」
「ところでリュチェルとペコちゃんが結婚して式に1000万円もかかったって知っていますか?」
「知らん!宇宙人の話ですか
「馬鹿っぱなししているうちに五重塔に着きました」
「なんとみずみずしい五重塔でしょうか。人間が作ったのに地から生えてきたような生命力があり、塔が地から水分を吸って呼吸しているようです」
「簡素ですが太古の力があり、見る者は全身を浄化されるようです」
(注、この二行は嵐山光三郎さんの文を参照しています。)
「さてやっと別院に着きました。暗くなってきて心細かったですね」
「私はね、出羽三山に一度死にに来ました。いままで積み上げてきた俳諧の道をすべて捨て去り、その後に新しい命が吹きこまれるとの覚悟です」
「まぁ難しい話は別にして別院で飲んだり食ったりしたお礼に句会でもじゃんじゃんやりましょう」
「困った人だねぇ」
嵐山光三郎「芭蕉紀行」から
三神合祭殿は巨大な萱葺き屋根をのせ、現在の建物は1818年の再建である。
一棟の中に拝殿と本殿が造られ、冬は雪で参拝できない月山と湯殿山も祀っている。
ここでも祭壇のなかで、講中人達が祈祷をしていた。
耳をすますと、祝詞と声明と般若心経が入りまじって煮え立つような不思議な音調であった。
カーンとしずまりかえった石段を登りきったあとに聴くと、祈りのだみ声の渦に吸い込まれて宇宙の迷子になりそうで足がもつれた。
陶酔しきった祈祷の声にはエロチックな誘惑が満ち、講中の婦人は身を悶えて白衣を汗で濡らしている。
羽黒山、月山、湯殿山が古代において「恋の山」であり、湯殿山ご神体である自然岩が女体の象徴であったことも無関係ではない。
歩きながら首筋に汗が流れる。
汗はつーっと首から背骨へおちていき、自分の肉体も生身であることを実感した。
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