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金閣寺ー三島由紀夫

2019年06月07日 | 読書

1950年(昭和25年)7月2日、青年僧の放火によって国宝・金閣寺が全焼した。吃音というハディを背負った学僧が金閣に火を放つまでの心の葛藤を告白体の名文で綴った不朽の名作。

「海」「落日」「光」「雨」など三島由紀夫の表現がとても美しく甘美だ。読んでいてその情景にすぅ~っと引き込まれるようだ。敗戦直後の日本にあって、ハンディを持つ青年が観念的に描く美と現実の生き様の中でもがき苦しみ、金閣に火をつけることで解放される様が切ない。大学の友人・柏木と主人公との会話に理解出来ない箇所が多々あり、何度でも読み返そうと思う。

私が20歳前後の頃の読書ノートを見ると、三島作品は3冊(青の時代、不道徳教育講座、潮騒)読んだことがあるらしい(記憶にない・・・)。次は2度目の「潮騒」を読んでみようと思う。