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大岩壁ー笹本稜平

2019年06月14日 | 読書

評価4

カラコルム山脈西端に位置するナンガ・パルバット(標高8,126㍍)は世界第9位の高峰。その冬季初登へ挑戦した立原、木塚、倉本俊樹の3人は俊樹の命を奪った荒天に遭遇し敗退。5年後、立原と木塚は倉本弟・晴彦をメンバーに加え、最難関のルパール壁から再度頂点を目指す。3人と並行して登攀を始めたロシア隊の不穏な動きと晴彦の異常とも思える行動がリーダー立原を苦境に陥れる。極限状態の中、執念の足跡を刻む男たちの物語。

結局、晴彦の本当の気持ちがどこにあったのだろう?ただの殺人者ではないのか?他人に迷惑を掛けずソロで頂きを目指すべきではなかったのか?いろいろな想いが巡る。笹本作品に時々登場する「あまりにも人が良い」主人公と悪人・晴彦のやりとりにイライラした後半だったが、やはり頂点征服をゴールとする山岳小説は読みごたえがある!止められない!