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シェエラザード(上)ー浅田次郎

2021年12月19日 | 読書

評価4

再読(前回2017年10月22日)、
昭和20年4月、台湾沖で国際赤十字船の弥勒丸が2千人の民間人もろとも撃沈された。もともと豪華客船だった弥勒丸は密命を帯びてシンガポールで「ある物」を積載していたのだ。その弥勒丸引揚げ話が持ち上がる現代と過去が交錯し徐々に秘密が明かされる。

密命を知らされないまま南方へ赴く弥勒丸船内では密航者の殺害や突然の空爆による操舵士の死があり不穏な空気が渦巻き、「ある物」の調達に奔走するシンガポールでは弥勒丸の到着を待ち構える男たちがいた。

一方現代では、宋英明という中国人から弥勒丸引揚にかかる100億円の調達話を持ち掛けられた暴力団企業舎弟の軽部と日比野は、これを組長の山岸へ相談する。二人は山岸の戦後の闇市仲間である篠田と小笠原から弥勒丸の秘密を聞かされる。

度々出て来る男女の臭い恋愛話(腐れ縁話?)が邪魔だが(笑)、浅田次郎独特の壮大なロマンから目が離せない!