リバースー湊かなえ 2019年03月05日 | 読書 評価 大学4年生の夏、ゼミ同期の浅見、谷原、村井、広沢、深瀬の4人は高原の別荘へ向かう。4人で乾杯をしたところで、遅れてやって来る村井から「駅まで迎えに来て欲しい」との連絡が入り、飲めない酒を飲んだ広沢が車で高原を下って行ったが崖から転落して命を絶った。そして社会人になって3年経った頃、4人に「人殺し」と書かれた告発文が届く。 真相を告げる最後の一文に驚愕! 自虐的な男の内面をえぐり出す言葉、伏線の数々。物語が終息に向ったと思った途端のリバース(逆転)。のめり込みました。素晴らしい作品です。
ナミヤ雑貨店の奇蹟ー東野圭吾 2019年03月04日 | 読書 評価 落ちぶれ果てた雑貨店の店主・浪矢雄治は地元の子供たちの相談ごとに乗ることを生き甲斐にしていた。そんな彼の人生も1972年9月13日に閉じてしまうのだった。その40年後、3人の若者が女性経営者の別宅に盗みに押し入った後、経営者を置き去りにしたまま廃屋と化した雑貨店にもぐりこんだ。そして3人の目の前に次々と相談事をしたためた封書が郵便投入口から投函される。相談は40年前から現代に送られて来たもので、内容を読んで懸命に返事を出す3人。何人者人たちがその返事に人生を動かされることになるのだった。 雑貨店がタイムマシンとなって手紙が現在と過去を行き来する(東野圭吾らしくない)サスペンス、トリックなしの云わば人情話。「へ~こんな小説も書くんだ~」と思った意外な作品でした。
雑感。 2019年03月02日 | 家族・自分 本を読んでいてあるフレーズが心にとまった。 <生き甲斐> 今の自分にはない。 子どもの頃から数年前までは盛岡一高硬式野球部を追い掛けることが生き甲斐だった。 「もう一度やってみようかな」とフト思った・・・
戦史の証言者たちー吉村昭 2019年03月02日 | 読書 評価 巨大戦艦進水の秘話、連合艦隊司令長官戦死にまつわる隠された真実、沈没した潜水艦の悲劇とその引き揚げ時に現出した奇蹟を戦記文学の名手・吉岡昭が生の声で再現し解説。 1.戦艦武蔵の進水 2.山本連合艦隊司令長官の戦死 3.福留参謀長の遭難と救出 4.伊号33潜水艦の沈没と浮揚 山本五十六の護衛機で右手を失った操縦士、引き揚げられた潜水艦の中で見た死者の姿など生の声に戦慄を覚える。そんな中でもセブ島で行われた日本兵捕虜の引渡し交渉にはホッとした物を感じた。そして、戦艦武蔵の超ド級の迫力にビックリ。地図帳の中西部太平洋の頁を穴の開くほど眺めた。