電気料金の値上げで、生活の中での電気の有り難さをあらためて感じているが、同じように、電波も生活に欠かせないものになってきているようだ。
パソコンやスマホは、便利この上ない道具だけれど、Wi-Fiが不調になったり、ドコモさんの通信障害が出ると、いきなりタダの箱になってしまう。
スマホはもちろん、固定電話もインターネット電話だから、光回線に異常がでると電話連絡も不通。
家族や知人との連絡の術もとたんに絶たれる。
思えば、とっても便利だけれど、とっても危うい社会である。
先日のニュースで、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクが中心となって提供している災害時用の非常時無料公衆無線LANサービス「00000JAPAN(ファイブゼロJAPAN)」が、通信障害が起きた際にも開放されるという記事を読んだ。
昭和中頃生まれの認識する災害とは、もっぱら風水害、地震などの自然災害だったのだけれど、齢を重ねてみると、今や放射能だったり、未知のウイルスだったり、風水害等に起因して起こった大規模、長期の停電での生活困窮だったりと想像を絶する災害を経験してきた。
電波(通信)は、これらすべての災害時に、問題解決するための大切、重要なインフラで、その意味でも、「00000JAPAN」という枠組みを作ったのだろうけれど、さらに一歩進めて、大規模な通信障害も災害に含めた点は、生活者目線からも、良いと感じた。
いまだ「00000JAPAN」のお世話になったことはないけれど、これ、完全フリーの回線で、Wi-Fiをオンにしておくと、Wi-Fiスポットに入った段階で拾ってくれるらしい。
非常時連絡用に使用するのは良いとしても、金融などプライベートなデータの通信は、悪意のある人らがデータを抜き取ることが容易とのこと。
ちょっと、注意も必要である。
銃火器を使った国同士の戦争というのも大変悲惨で、地球規模での経済に大きな影響がでるけれど、昨今は、国ではない、掴みどころのないような組織が、インターネット回線を使った攻撃で、通信障害を起こしたり、データを盗み取ったりという時代になってきた。
核兵器という銃火器が最強というイメージだったけれど、実は、たくさんの資金がなくても開発でき、目に見えないから仕掛けるのも容易な、未知の生物兵器、神経ガス兵器などこそが人間社会全体に大きな脅威をもたらすということを、地下鉄サリン事件や、今回の新型コロナ禍で痛感した。あっという間に広がって、たくさんの人の命、生活を奪っていく。
災害も事件犯罪もどんどん国際化して、『黄金バット』の紙芝居を夢中になって見ていた昭和の『男の古』にはついていけない時代になった。
もう、こうなったら、あと少し、自分の世界で胸を張って生きてくしかない、そう思う。