近いうちにブログの『ラジオな日々』のカテゴリーで、毎週日曜19時25分からNHK R1で放送されている『新日曜名画座』という番組を紹介し、みなさんにも聴いてもらいたいと思っていた矢先、そのメインキャストの西田敏行さんが、今朝未明に亡くなったという訃報ニュースが入ってきた。
『新日曜名画座』は、西田さんと竹下景子さんのたった二人で、声だけですばらしいドラマの世界を見せてくれる番組で、昭和の中頃、まだ、テレビ(映像)もなかった頃に、ラジオの前で聴いていたラジオドラマを彷彿させる番組だけれど、このお二方の演技力は、言わずもがな。その頃の朗読のような内容とは全然違う。
素晴らしい芸術作品だとおもいつつ、日曜の夜を楽しみにしていた。
次の日曜、10月20日(日)放送分は、NHKサイトに公開されているので、おそらくいつもどおり放送されるのだろう。
でも、もう聴けないのか・・・。
とてもさみしい。
もちろん、PCなどを使って、課金でNHKアーカイブなどを探れば聴くすべはあるのだろうけれど、私的には夕御飯を食べたあと、電波のショボいAMラジオから流れてくる『新日曜名画座』が好き。
ほんと、残念である。
またひとつ自分の持ち物を失ったような気がしている。
『諸行無常』というお釈迦様の教えがある。
方丈記に「ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず・・・」がその言葉の一面を
よくあらわしているけれど、ちょっとネガティブすぎる感じ。
西田さんはじめ、先輩たちがいなくなってゆくのは、仕方のない『無常』ではないように思う今日。
釈迦の教えを勝手に解釈するのは恐れ多いけれど、『諸行』を「あらゆるもの」と捉え、『無常』を、常に同じ状態ではない「流転(生々発展)」と解釈すれば、「人間の社会は日々替わってゆくけれど、その変化の中で生々発展する」と読める。
ものすごい努力を重ね、国宝級の俳優さんになった西田さんのご冥福を祈るとともに、必ず次の素晴らしい役者さんが出てくるのが人の世なんじゃないかな?と思っている。
それが『諸行無常』かと思う。
次にバトンタッチするまでは、日日是好日と日々感謝してできることを精一杯すればいいんじゃないかな。