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ツクツクボウシ

2010-09-07 22:09:34 | 編集手帳



   9月3日 読売編集手帳より抜粋




   夏目漱石『吾輩は猫である』で
   名前の無い猫が語る。
  <善く鳴く奴で、
   吾輩から見ると
   鳴くのと猫にとられるより外に
  天職がないと思われる位だ>(岩波文庫版)。

  ツクツクボウシに触れた一説である。
  もう一つの天職を忘れては気の毒だろう。
  残暑に幕を引く“晩夏の使い”でもある。
  秋風の立ちそめるころ、
  少々せわしない声で季節の変わり目を告げる。

  <中略>

  秋風を待ちきれずに鳴くツクツクボウシも勝手が違うのか、
  心なしか声に張りがないようである。



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