23日、読売編集手帳より抜粋
・・(略)・・
谷川俊太郎さんが
詩集『詩の本』(集英社刊)のあとがきで「匂い」に触れていた。
〈…手にしたときの重さ、匂い、ページを繰るときの紙の手触りなど、
栞(しおり)をはさむというささやかな行為すら、
詩の一部だと感じさせるのが詩の本の魅力だろう〉と。
“電子書籍元年”という声も聞こえるなかで迎えた読書の秋である。
携帯端末で読む電子書籍にはそれなりの便利さがあるにしても、
紙の書籍がもつ匂いの魅力が消えることはあるまい。
自由律の俳人、尾崎放哉に一句がある。
〈淋(さび)しい寝る本がない〉。
猛暑を耐え忍ぶのに疲れ、読書どころではない夜がつづいた人もあろう。
就寝の友を探しに、
散歩の足を書店に向けるのもいい。
・・(略)・・
谷川俊太郎さんが
詩集『詩の本』(集英社刊)のあとがきで「匂い」に触れていた。
〈…手にしたときの重さ、匂い、ページを繰るときの紙の手触りなど、
栞(しおり)をはさむというささやかな行為すら、
詩の一部だと感じさせるのが詩の本の魅力だろう〉と。
“電子書籍元年”という声も聞こえるなかで迎えた読書の秋である。
携帯端末で読む電子書籍にはそれなりの便利さがあるにしても、
紙の書籍がもつ匂いの魅力が消えることはあるまい。
自由律の俳人、尾崎放哉に一句がある。
〈淋(さび)しい寝る本がない〉。
猛暑を耐え忍ぶのに疲れ、読書どころではない夜がつづいた人もあろう。
就寝の友を探しに、
散歩の足を書店に向けるのもいい。