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政治家の「言葉」

2010-09-16 23:15:48 | 編集手帳
  15日、読売新聞編集手帳

  
  菅首相は「初心を貫く 菅直人」と書いた。
  小沢一郎氏は「小沢一郎」とだけ記した。
  今月2日の公開討論会における記念の揮毫(きごう)である。
  
  9年前の7月を思い出す。
  与野党7党首による参院選の公開討論会で、
  当時首相の小泉純一郎氏は俵万智さんの短歌をもじり、
  「自民党がいいねと君が言ったから二十九日は投票に行こう」と揮毫した。
  このときも、小沢氏は名前だけを書いている。

  “たかが揮毫”に人物が表れることもある。
  陳腐な座右の銘や戯ざれ歌を褒める気はさらさらないが、
  名前しか書かない人よりは、意思を伝える「言葉」を重んじている証しにはなるだろう。

  自分の政治資金を巡って元秘書らが3人も起訴されながら、
  国会の場でただの一度も釈明しない。
  記者会見では、質問者に逆さかねじを食わせるふりをして誠実な回答を拒む。
  小沢氏が党員・サポーター票で菅氏に5倍の大差をつけられた民主党代表選挙の敗因は、
  言葉を軽視、もしくは蔑視(べっし)する政治家に世間が示した拒絶反応とみるほかはない。

  経験も指導力も財力もあるのに、「言葉」だけが致命的に欠落している。
  もったいないことである。



  

  
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