10日 読売新聞編集手帳
かつて本誌に載った小学6年生の詩がある。
<オレの身体を/血が走る/汗が流れる/涙涌く/生きてる証拠だ/足もくさい>
足についてはくしくも、
19世紀フランスの小説家フローベールが『紋切型辞典』(岩波文庫)で
同じことを言っている。
<【臭い(足の)】健康のしるし>。
子供の鋭い感性に恐れ入る。
健康の証であるにせよ、ないにせよ、
ひとさまに嗅がせて喜ばれる香りではない。
自民党は「足のにおい」で下野した。
政権という名の靴を長く履きすぎ、
族議員などが振りまく既得権益の悪臭に有権者が鼻をつまんだ、
と言える。
今年7月の参院選で改選第1党になったとはいえ、
比例選の得票率を見れば約24%と、
あれだけの失策を重ねた民主党の約32%を下回っている。
自民党が再び政権の靴を履くことを、
“既得権政治”に懲り懲りした有権者は
まだ許してくれていない。
新しい党三役が決まった。
幹事長以下、50代の若い論客で固めた布陣である。
政府・与党に論戦を挑む「口」が大事なのは言うまでもないが、
「足」の脱臭もお忘れなく。
くさい足を自慢していいのは子供だけである。
かつて本誌に載った小学6年生の詩がある。
<オレの身体を/血が走る/汗が流れる/涙涌く/生きてる証拠だ/足もくさい>
足についてはくしくも、
19世紀フランスの小説家フローベールが『紋切型辞典』(岩波文庫)で
同じことを言っている。
<【臭い(足の)】健康のしるし>。
子供の鋭い感性に恐れ入る。
健康の証であるにせよ、ないにせよ、
ひとさまに嗅がせて喜ばれる香りではない。
自民党は「足のにおい」で下野した。
政権という名の靴を長く履きすぎ、
族議員などが振りまく既得権益の悪臭に有権者が鼻をつまんだ、
と言える。
今年7月の参院選で改選第1党になったとはいえ、
比例選の得票率を見れば約24%と、
あれだけの失策を重ねた民主党の約32%を下回っている。
自民党が再び政権の靴を履くことを、
“既得権政治”に懲り懲りした有権者は
まだ許してくれていない。
新しい党三役が決まった。
幹事長以下、50代の若い論客で固めた布陣である。
政府・与党に論戦を挑む「口」が大事なのは言うまでもないが、
「足」の脱臭もお忘れなく。
くさい足を自慢していいのは子供だけである。