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悔いの八千度

2011-03-04 22:16:43 | 編集手帳
  3月4日 読売新聞編集手帳


  日本の言葉にポルトガル語で解釈を施した『日葡辞書』に、
  〈Cuino yachitabi〉という項目がある。
  「悔いの八千度」、
  何度も後悔することをいう。

  辞書が編まれた慶長年間(17世紀初頭)には、
  ごく普通に用いられる言い回しだったのだろう。
  いつの世も、
  人は悔いの種を撒き散らしながら生きていく。

  「八千」は「たくさん」の意味というが、
  “白髪三千丈”式の誇張ともいえまい。
  睡眠時間を除いて1日を18時間とすれば1080分、
  1分間に1~2度、
  悔いが胸を刺せば6日間で「八千度」を超す計算になる。

  ああ、ばかなことを…と、
  不正の発覚から逮捕までの6日間に彼を襲った悔恨も、
  何千回かを数えたに違いない。
  携帯電話を使った大学入試カンニング事件で予備校生(19)が逮捕された。
  油断すると、ほんの出来ごころが大事件を引き起こす。
  情報革命期の悲劇と言えなくもない。

  愚か、姑息、狡猾――
  全部その通りで入学選抜の信頼性、
  公平性を根底から揺るがした行為そのものを憎むことでは人後に落ちないつもりだが、
  彼に向けようとする指弾の指に、
  なぜか力が入らない。
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日立、英、高速鉄道受注へ インフラ輸出期待高まる

2011-03-04 22:15:42 | 報道/ニュース
  3月3日 めざましテレビ


  イギリス運輸省は、1日、ロンドンとマンチェスターなどを結ぶ高速鉄道の新型車両について
  日立製作所を中心とするグループとの契約に向け最終交渉に入ると発表した。
  日立の受注が事実上決まり、年内にも最終契約を結ぶ。

  カナダ ボンバルディア、ドイツ シーメンス、フランス アルストムの3社が
  世界の鉄道(受注)ビッグ3といわれていて、
  世界鉄道車両市場で圧倒的なシェアを誇っている。
  日立がこの一角を崩した。
  
  日立製作所は、2009年、日本メーカーとして始めて車両納入しているが、
  その際イギリスではあたりまえの納期遅れも無く計画より早く納入し、
  納入した車両は大雪でも遅れずに運行している。
  こうした実績が評価され、鉄道ビッグ3を押さえ受注の運びとなった。

  この事業は、
  イギリスの主要都市を結ぶ鉄道の車両を旧式から新型に更新するというビッグプロジェクトで、
  日立はこの路線をカバーする車両の納入を任される。
  日立の受注総額は約6000億円、納入する車両は約く500両で、
  イギリス北部のダラム州に車両生産工場を建設する。

  政府が成長戦略の柱に据えるインフラの輸出がさらに加速することが期待される。
  官民一体で取り組む最近のインフラ輸出は、
  高速鉄道(イギリス)日立が車両生産を受注へ
  原発(ベトナム)日本の発注を決定、
  水基盤整備(サウジアラビア)日揮・横浜市が実証事業などで
  成果をあげつつある。

  今回の日立の鉄道受注は当初の見込みでは事業規模1兆円だったものが、
  イギリスの財政難で6000億円に4割も縮小されたという事実があり、
  インフラ輸出のリスクが露呈されたという面で日立に痛手である。
  輸出先の政権交代、経済状況の影響を受けるのがインフラ輸出のリスク。
  JR東海などが動いているアメリカの高速鉄道では、
  知事が拒否を表明という事態も起きている。
  このリスクにいかに対応していくのか、
  インフラ輸出で成長をもくろむ日本のカギとなってくる。
  



 
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