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イギリスの暴動

2011-08-19 07:51:16 | 海外ネットワーク



  8月13日 NHK海外ネットワーク


  イギリス・ロンドンの低所得者が多く居住するトットナムで、8月4日、
  29歳の無職の男性が銃の犯罪にかかわった疑いで警察に追跡されているとき銃撃で死亡した。
  2日後、警察に抗議に集まった住民が暴徒化し放火や略奪を繰り返した。
  ソニーの流通センターも炎上しDVDやCDなど製品に大きな被害がでた。
  暴動はリバプール、マンチェスター、バーミンガム、ブリストルにも広がった。
  ロンドンでは暴動に巻き込まれた若者が死亡。
  バーミンガムでは略奪をとめようとした若者3人が車にひき逃げされ死亡。
  日本人女性がロンドン市内で暴徒に囲まれ現金を奪われる事件があった。
  イギリスの保険業界は、今回の暴動による損害は2億ポンド(250億円)を超えると発表。
  キャメロン首相は休暇を切り上げ、10日、緊急閣議を開き対応を協議した。
  キャメロン首相は、
  暴徒に立ち向かうため大規模な捜査に着手したと述べた上で
  放水車の豆乳も含むあらゆる手段をとるという断固たる姿勢を示した。
  警察は監視カメラが捉えた監視カメラの映像を公開。
  こうした徹底的な取締りで1500人以上が逮捕された。
  
  イギリスの過去の暴動
  1980年 4月 ブリストル 差別に反発
  1981年 7月 リバプール、マンチェスターなど 緊縮財政による失業問題が原因
  1985年10月 トットナム 失業や人種問題が原因 

  今回の略奪や放火の背景にも失業や緊縮財政への不満があると言われている。
  失業率は高く、18歳から24歳の若者の失業率は17%を上回る。
  物価も上昇傾向にあり、職を持たない若者には非常に厳しい状況である。
  日本の消費税に当たる付加価値税が20%に引き上げられ、
  所得の低い人たちに重くのしかかっている。
  こうした若者たちにロンドンの状況が携帯電話で一気に広まり、
  不安が高まり暴動という形で爆発したとみられる。

  イギリス議会でキャメロン首相が強調したのは、断固とした姿勢で臨む方針である。
  暴動を抑え込むため軍を警察の後方支援に当たらせることや、
  非常時には携帯電話のメッセージの利用を規制することまで検討する考えを表明した。
  ただ、暴動の背景にある若者の失業や教育の問題に取り組まない限り、
  根本的な解決を望めないという声も上がっている。
  イギリス政府は治安の改善だけでなく、
  根深い問題にどう取り組んでいくかが問われている。

  イギリスのような先進国でネット規制の必要性が協議されることには
  批判的は見方も出ている。
  中東のネット規制を批判してきたことと矛盾しているとか、
  暴徒の取り締まりも反政府デモの取締りと同じではないかという冷ややかな声も
  イランやシリアなどからあがっている。
  キャメロン首相は暴徒に厳しい姿勢を崩していないが、
  強硬なだけでは若者たちの不満や怒りを静めることは出来ない。
  今回の暴動は経済的な損失だけではなく、
  イギリスのイメージ失墜という大きな痛手をこうむった。
  オリンピックを来年に控え、社会不安をこれ以上増大させてはならない。
  治安の回復とともに、いかに若者を社会に取り込むのか、
  難しい課題を突きつけられている。
  


  





















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