日暮しの種 

経済やら芸能やらスポーツやら
お勉強いたします

3Dプリンターで変わる“モノづくり”

2012-11-03 08:01:53 | 報道/ニュース


  10月30日 おはよう日本


  服のしわや顔の表情までプリンターで作ることができる。
  プリンターと言っても紙に印刷するものではなく
  立体的なものをつくる3Dプリンターというもの。
  10月オープンの渋谷にある3Dプリンターの体験施設。
  大きさは冷蔵庫ぐらいで1台1,300万円。
  インクの代わりにゲル状の樹脂が上のノズルから噴射されていく。
  たとえばコーヒーカップを作る場合
  カップの形に薄く積み重ねていくことで立体を作っていくという仕組みである。
  自動車整備に使う工具はアクリル樹脂で2時間ぐらいで数本作られる。
  精密で動かすこともできる。
  このほかにもメガネ、歯型、家の模型など複雑なものも作ることができる。
  人のフィギュアは専用のカメラを使い体のサイズを測定しデータをとっていく。
  そのデータを3Dプリンターに入力して作り16時間ほどで完成。

  いまこの3Dプリンターの低価格化がすすんでいる。
  去年3Dプリンターを購入した会社員の加藤雅さん(33)。
  アメリカから個人輸入で10万円で手に入れた。
  これがあったらいいなと思うものを作っている。
  まずはパソコンでデータをつくり作業を開始する。
  (加藤雅さん)
  「シャンプーの首の方にパチンとはめると
   シャンプーが下りるストロークが減るので出す量が調節できる。」
  お風呂の排水溝のフタもちょうど良いサイズが見つからず3Dプリンターで作った。  
  3Dプリンターは個人のアイデアを簡単に形にすることができるため
  モノづくりの担い手が爆発的に増えると予想されている。
  先端技術と社会とのかかわりに詳しい長沼博之さんは
  3Dプリンターの普及によって産業構造が大きく変わるという。
  (ソーシャル・デザイン 長沼博之さん)
  「3Dプリンターが導入されてくると
   中小零細企業もより様々な商品を作り上げていけるようになるので
   大企業だけではなく中小零細個人が製造メーカーとして
   立ち上がっていけるような時代になってくる。
   製造業の分野でも個人に無限の可能性が開かれたと言っても過言ではない。」

  3Dプリンターの登場は21世紀の産業革命とも言われている。
  いろいろな素材が使えるようになって用途が広がっているのである。
  たとえばカナダのメーカーが作った自動車はボディが3Dプリンターで作られた。
  時速120kmで走ることができる。
  名器ストラディバリウスのデータをもとに作ったバイオリンは
  バイオリン職人も想像以上の音色に驚いた。

  次々と活用の場が広がる3Dプリンターは医療の世界も変えようとしている。
  東京大学医学部付属病院では
  3Dプリンターで人口の骨を作り患者に移植する臨床試験が続けられてきた。
  事故や病気で骨を失った場合
  これまでは患者の骨盤などから骨を削って移植していた。
  3Dプリンターで人口の骨を作って患者の負担を減らそうとしている。
  まずCTスキャンで骨のデータをとる。
  あごの骨を再現したケースで使用されたのはアメリカ製3Dプリンター。
  データをもとにクリーンルームで人口の骨を作った。
  ポイントになる材料は骨に近いリン酸カルシウムという物質を使う。
  リン酸カルシウムが全面に敷かれている状態で接着剤を吹きかけると
  リン酸カルシウムが少しずつ固まっていく。
  これを繰り返し少しずつ出来上がっていく。
  移植した後の画像を見るとぴったりはまっている。
  2年後の画像では人口の骨がどうかしたため境目がわからなくなっている。
  (東京大学大学院医学系研究科 高井戸毅教授)
  「3Dプリンターを使って正確な形をつくることが非常に重要なポイント。
   将来は肝臓・腎臓・心臓も再生可能と考えられている。
   そのためにも形を作る技術は大きな研究の一翼を担うと考える。」

  
  
コメント