11月21日 おはよう日本
20日 マツダが発表したクリーンディーゼルの乗用車。
国産メーカーとしては初めてセダンタイプを売り出した。
ガソリン車並みの厳しい排出ガスの規制をクリアし
燃費は1リットルあたり20km以上。
窒素酸化物やすすの量を大幅に減らすことに成功した新型のエンジン。
従来のディーゼルエンジンはシリンダーの内部を高温高圧にして
燃料を自然に発火させる仕組みだが
燃え方にむらができて窒素酸化物やすすが発生してしまう難点があった。
そこで燃料を少しずつ噴射しきれいに混ぜる方法に転換したことで
燃焼のむらが減りすすなどを大幅に減らすことに成功した。
白いハンカチをマフラーにあててもほとんど汚れない。
より効率的な燃焼を実現した新しいエンジンは
エンジンの軽量化にもつながり燃費は従来より20%向上したと言う。
(マツダ エンジン性能開発部 中井英二部長)
「今回作ったものをより世界中に展開していこうと。
燃料と空気の混ざり具合を究極を目指して追求していきたい。」
日本では普及していないディーゼル車。
排気ガスへの規制が強く
燃費への関心が強いヨーロッパでは高く支持されている。
新車の販売台数の半分以上をディーゼル車が占めている。
日本メーカーにとってクリーンディーゼルの販売は
世界で販売を伸ばすうえでも重要になっている。
(マツダ 山内孝社長)
「ヨーロッパでは環境対応のひとつとして大きな柱になっている。
厳しい国内環境だったがそれがあったがゆえに我々技術者が奮起した。
新興国にも先進国にも大きな価値を持つディーゼルエンジンになったと思う。」
ディーゼル車は
ガソリン車より二酸化炭素の排出量が2割から3割少ないという特徴もある。
クリーンディーゼル車の国内シェアが10%に達すると
年間200万トンの二酸化炭素の削減が出来るという試算もある。
さらに燃料の面からディーゼル車を後押しする動きがある。
日本で精製した軽油の4分の1は国内で使いきれず海外に輸出している。
(石油連盟 松井英生専務理事)
「日本全体として大事な資源を国内で有効に使い切りたい。
エコカー減税の対象にもなっているので普及が進んでいくことを期待している。」
国内でのクリーンディーゼル車の販売実績は今年は去年の2倍以上に伸びている。
一方で従来からのガソリン車の部門でも燃費向上を目指した開発が進んでいる。
鍵となるのがダウンサイジングと呼ばれる技術。
これは従来よりエンジンを小型化することによって燃費を向上させる。
さらにターボチャージャーという装置を使い充分なパワーを確保する仕組みで
ヨーロッパのメーカーがリードしてきた分野に日本メーカーも参入している。
環境への優しさという面では電気自動車がリードしているイメージがある。
手ごろな価格で普及し始めているのがハイブリッド車。
品揃えの多さではガソリン車。
そこにクリーンディーゼル車が加わり選択肢が広がっている。