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利用者は5億人超 世界一のネット大国

2012-11-12 07:55:49 | 報道/ニュース


  11月10日 NHK海外ネットワーク


  新しい中国共産党最高指導部にとって
  高い経済成長と社会の安定の維持が何よりも重要な課題となる。
  その背景には国民の権利意識が高まりつつあることがある。
  このため中国政府は今年
  警察など治安維持対策の予算に国防予算を上回る約9兆円をつぎ込んでいる。
  インターネットの普及で情報が瞬く間に伝わるようになり
  政府にとって脅威となっている。

  中国は携帯端末やパソコンなどインターネット利用者は5億人を超える
  今や世界一のネット大国である。
  「いつもネットでニュースや株式情報 金融関係の外国のサイトを見ている。」
  「スマートフォンがない生活なんて考えられない。」
  しかし中国国内のインターネット接続は自由ではない。
  閲覧には厳しい規制が課せられており
  政府が規制する海外のサイトを開こうとするとこのページは表示できません
  国内のサイトでも天安門事件を意味する言葉を入れると
  法律や政策に違反するおそれがあります
  政府による規制に沿って運営されている中国版ツイッター ウェイボー上には
  かつてなかった世論が生まれている。
  その影響力を見せつけられたのが去年7月の高速鉄道の衝突事故だった。
  発生直後に車両を現場に埋めてしまい運転再開を優先した鉄道当局に
  激しい怒りの声が巻き起こる。
  車両を埋めて何を調査するんだ
  国際社会の笑いものだ

  当初 対応の鈍かった政府もネットの世論に押される形で
  関係者を処分すべきという調査報告書をまとめた。
  ネット上の世論に強い危機感を抱く中国政府。
  しかしどこまで規制するのか。
  難しい判断を迫られている。
  (ネット管理責任者)
  「これまでのやり方ではネットを統制できない。
   今のネットの状況は社会の安定を脅かしている。」
  沖縄県の尖閣諸島をめぐる反日デモ。
  当初 政府はデモを呼びかける書き込みを黙認した。
  しかし一部が暴徒化し批判の矛先が政府に向かいかねない状況になると
  一転 規制を強めた。

  こうしたなかネットを通じて新たな動きが出ている。
  かつて空港の職員だった呉さんは
  3年前にネット上で役人の不祥事を暴き全国的に有名になった。
  今は支援者に活動資金を提供してもらい社会問題や不正などを世の中に訴えている。
  呉さんの活動は当局に監視されるようになり
  活動を妨害されることもしばしばだと言う。
  (呉さん)
  「ネットを使えば多くの情報を手に入れ真実を伝えられる。」
  立場の弱い人を守ろうと発信を続ける呉さん。
  十分な補償もなく立ち退きを迫られたという男性が呉さんを訪ねてきた。
  男性は立ち退きを求める地元政府と住民の衝突を撮影した映像を呉さんに見せた。
  (男性)
  「市場全体が取り壊された。
   3回も裁判所に訴えたのに受理してもらえない。」
  呉さんはその後の独自調査の結果も盛り込み
  近くウェイボーでこの問題を発表することにしている。
  (呉さん)
  「人々に影響を与えたいし一緒に声を上げてほしい。
   今の活動には意義があるので続けていきたい。」

  政府はネットとどう向き合うべきか。
  政府系の研究機関の専門家は
  政策に民意を反映させていく仕組みを作るべきだと指摘している。
  (専門家)
  「ネットを統制しようとしても不満はいずれ抑えきれなくなる。
   根本的な解決策は政治改革しかない。」
  広がる貧富の格差や社会の矛盾を鋭く発信し始めたネットとどう向き合うのか
  新指導部にとって大きな課題となっている。

  


  
  
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