10月31日 おはよう日本
いま手書きの手帳が人気を集めている。
スケジュール管理を手書きで行う人は2012年は62,1%、
来年は67%に増えると予想されている。(日本能率協会マネジメントセンター)
都内の大手書店では2,000種類の手帳を取り揃えている。
主流はコンパクトなサイズのものから大型化へ。
受験生のための手帳や朝の時間を有効に使いたい人のための手帳など
目的に合わせて多様化している。
この書店では手帳の売り上げがここ10年で2倍に増えている。
(丸善書店 天野隆志さん)
「デザイン性や書き込みのフォーマットなどがいろいろな種類が出ることによって
よりお客様のライフスタイルに適した手帳を選べるようになったのが
売れている要因。」
大手メーカーではコンテストを開いて手帳の様々なアイデアを募集している。
毎年1,500余の応募が寄せられるという。
(高橋書店 吉田泰輔さん)
「こんな手帳があったらいいなという希望を形にしていけたらいいと。
新しい風を手帳文化に入れていきたいとこの企画を始めた。」
千葉県の渡邊さんの応募作品は
線が斜めで図形を描くのに便利なうえ文字もたくさん書ける。
神奈川県の井上さん、大和田さんの応募作品は
上下にページが分かれていて下は週間のスケジュール帳で
上には自由に使えるスペースを広く取った。
実際に発売されて売れ行きが好調なのが
1週間の見開きで上はスケジュールを記入する欄で下には大きな余白があるタイプ。
この手帳の発案者 前田千春さんは企業の研修を行う会社で働いている。
人事、社長秘書、経理、総務の1人4役をこなしている。
自分だけではなく上司や研修スケジュールなども把握しなければならない。
縦方向では複数の人のその日の予定を
横方向には数日にわたるプロジェクトの進行状況を書き込むことができるようにした。
(前田千春さん)
「1日で終わらない仕事がたくさんあるので1週間を一覧で見られるところが便利。
いろいろな人がそれぞれ使い勝手を工夫しながら使えるようになっているので
ここを皆さん上手く活用してくれるといい。」
とっさに必要になったことを素早くメモできるのが手書きの良さだと言う。
これまでにない手帳の使い方も出てきている。
手帳ファンのためのホームページでは自分の手帳を公開する人が増えている。
手帳好きが集まって直接自分の手帳を見せあうイベントも開かれている。
その日に食べたものをすべて写真入りで記録した手帳。
日々の出来事を漫画にした手帳。
手帳を見せあうとお互いどんな人なのかよくわかると言う。
(参加者)
「手帳に書くことによってすごい素直な自分が出せる。
素直な自分を見てもらい楽しんでもらうことが自分も楽しい。」
長年オリジナル手帳の企画を手掛けてきた糸井重里さん。
手帳がコミュニケーションの新しい手段にもなりつつあるのはどうしてなのか。
(糸井重里さん)
「『私こういう話を持っている』というのを読んでほしいのでは。
誰でも『折れの話を聞け』というのはあるが押し付けるつもりはない。
パラパラ見る分には押しつけにもならない。
手帳がそういう役割をしてくれるようになったのではないかと思う。」
手帳というとこれまではスケジュールをまとめるものという印象があったが
いま手書きならではの良さを生かして
自由な発想で自由に書くという使い方がユーザーの心を捉えている。