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ハンガリー 映画産業の復活にかける

2012-11-20 07:32:47 | 海外ネットワーク


  11月10日 NHK海外ネットワーク


  撮影が行われているのはアメリカの人気映画“ダイハード”。
  派手なアクションが繰り広げられる。
  ハンガリーの首都ブダペスト上空にはヘリコプターも登場。
  ブルース・ウィリスの姿も。
  ハンガリー語を消してロシア語で“モスクワ”と書かれたパトカーを並べると
  映画の舞台のモスクワに早変わり。
  いま多くの映画がハンガリーで撮影されている。

  1960年~70年代にかけて映画製作が盛んに行われたハンガリー。
  社会の苦難や現実を見つめる独特の雰囲気を持った名作を世に送り出してきた。
  しかし民主化とともに西側の映画に押され映画産業は衰退した。
  経済の低迷が続き失業率は10%台に高止まりしている。
  (ハンガリーの若者)
  「仕事があればここで働きたいが見つからなければ外国に出る。」
  経済の活性化の切り札としていま期待されているのが映画なのである。
  ハンガリー政府は2004年 
  外国映画ロケの誘致と国産映画の活性化という2つの目標を柱にした映画法を制定。
  (国家映画事務所 所長)  
  「経済危機に陥った時は雇用・成長を生み出す分野を大切にする必要がある。
   ハンガリーでは映画産業がそのひとつ。」
  外国映画のロケを誘致するため前面に打ち出したのが
  “どんな町並みでも表現できる”というブダペストの魅力。
  特徴的で目立つ建物がなくこれまでロンドンやパリに見立てて撮影が行なわれた。
  ハリウッドに比べて安い人件費も大きな魅力である。
  証明担当の技術者は約3分の1の費用で済む。
  そして撮影経費の20%を国が還元するという支援策。
  こうした政策が功を奏し
  2009年には79本の映画やドラマなどの誘致に成功した。
  (撮影にかかわるディレクター)
  「様々な支援策のおかげで撮影現場としてとても魅力的です。」

  さらに2年前 ハリウッドの大物プロデューサーの
  アンドリュー・バイナさん(68)を経済相映画長官として招いた。
  これまでの人脈や経験を生かし次々に映画を誘致した。
  経済効果は約135億円にのぼるとみられている。
  “ミッション・インポッシブル/ゴースト・プロトコル”もバイナさんが誘致。
  (経財相映画長官 アンドリュー・バイナさん)
  「私の役割は
   外国の映画監督をひきつけハンガリーで映画を撮影してもらうこと。
   そして一流の作品に触れる機会をつくること。」
  それだけではない。
  バイナさんはハンガリー映画にかかわる人材育成にも力を入れている。
  脚本家などを目指す若者を集めたセミナーをたびたび開催している。
  (アンドリュー・バイナさん)
  「この後皆さんには脚本家と話をしてもらいたい。
   大学院の講座などをはるかに超えた貴重な体験になるはずです。」
  (参加者)
  「このセミナーを受けると想像力がわいてくる。」
  海外の映画だけでなく国産の映画製作にも資金援助が行われ
  ハンガリー映画にかつての力強さが戻りつつある。
  (映画監督)
  「ハンガリーらしさを失わずに世界に通用する映画を作っていきたい。」

  経済再生の願いが託されたハンガリーの映画産業。
  国家を代表する産業としての復活を目指し今日も撮影が続く。
  



  
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