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ASEAN議長国 カンボジアは

2012-11-18 08:06:09 | 海外ネットワーク


  11月17日 NHK海外ネットワーク


  ASEAN10か国でも中国との関係を重視している国と
  フィリピンやベトナムのように対立している国と別れて
  決して一枚岩ではない。

  経済的に中国に大きく依存するカンボジア。
  過去5年間の外国からの投資額の半分近くが中国からである。
  今回首脳会議で使われる政府庁舎も中国による約27億円の無償援助で建てられた。
  プノンペン中心部のマーケットでは衣服、日用品などあらゆるものが売られているが
  そのほとんどが中国からの輸入品。
  商品には中国語の文字があふれ
  値札には中国の通貨人民元が表示されているものまである。
  中国企業の進出に伴い中国語の新聞も次々に発行されている。
  現在8紙にまで増えた。
  「中国語を勉強するために買う。
   中国人をビジネスがしやすくなる。」
  中国語を学ぶ学校も次々に開校しカンボジア全土に50ほどある。
  教師は直接中国政府から派遣されている。
  (中国語の教師)
  「私は中国の文化を伝え両国の関係をより深めるという役割を担っている。」
  (生徒)
  「中国語を学べばよいところで働けるし素晴らしい将来につながると思う。」
  両国の結びつきは経済面にとどまらない。
  10月に入院先の北京の病院で亡くなったシアヌーク前国王。
  胡錦濤国家主席を始め要人らが次々と調音に訪れ関係の深さを内外に示した。
  今年7月に開かれたASEAN外相会議。
  フィリピンやベトナムがそれぞれ
  中国と対立する南シナ海での領有権争いを共同声明に盛り込むよう求めたが
  カンボジアは議長国として強く反対した。
  (カンボジア ホー・ナムホン外相)
  「中国とほかの国の2国間の領有権争いに
  ASEANの共同声明を利用することは受け入れられません。」
  45年前のASEANの創設以来
  初めて外相会議の声明が採択されない異例の事態となった。
  今回の会議でも議長国カンボジアをいわば味方につけたい中国。
  11月初め中国の外務次官がプノンペンを訪問し
  カンボジアのホー・ナムホン外相と会談した。
  外務次官はASEANとの連携を訴える一方で
  東アジアサミットの場で南シナ海の問題を取り扱うべきではないと強調。  
  カンボジアに念を押す狙いがあったものとみられる。
  「南シナ海の問題は我々の間で議論すべきだ。
   ほかの国際的な協議の場に持ち込むべきではない。」

  17日は18日からの首脳会議を前にASEANの外相会議が開かれた。
  会議では7月の外相会議で深まった亀裂を埋めるのが先決といった状況で
  フィリピンやベトナムは中国と争う個別の領有権問題は取り上げなかった。
  まずはASEANが結束しなければ中国と渡り合ってはいけない
  という現実的な判断があったものとみられる。
  ASEANは南シナ海の平和的な解決に向け
  法的な拘束力を持つ「行動規範」と呼ばれるルール作りを求めている。
  18日の首脳会議や19日との首脳会談でこの問題を那覇市合う予定であるが
  中国は自らの海洋権益の確保に支障が出かねないルール作りには消極的である。
  このため10年前にASEANと中国が合意した拘束力のない
  「行動宣言」を確認するにとどめ
  「行動規範」についての具体的な議論は棚上げとなりそうである。
  ASEANは中国のしたたかな外交に振り回されている感があり
  南シナ海は3年後に迫ったASEANの経済的な統合にも暗い影を落としている。  
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南シナ海の領有権 中国相手に各国は

2012-11-18 07:53:11 | 海外ネットワーク


  11月17日 NHK海外ネットワーク


  18日からASEAN東南アジア諸国連合の首脳会議が始まる。
  会議の焦点の一つは南シナ海の島々をめぐる中国と周辺の国々との領有権問題。
  中国は南シナ海ほぼ全域の管轄権を主張している。
  この海域は漁業だけでなく石油などの地下資源が豊富にあると言われている。
  南沙諸島 西沙諸島をめぐって中国とベトナムなど各国が対立してきたのに続いて
  今年4月にはフィリピンの西にあるスカーボロー礁を巡って
  中国とフィリピンの船舶がにらみ合いになった。
  6月には中国が南沙 西沙 中沙を統合して三沙市に格上げし
  さらに海底資源の開発を進める方針を発表しベトナムの強い反発を招いた。
  
  ベトナム北部の景勝地ハロン湾。
  世界遺産に登録され年間600万人が訪れる。
  中国との対立が深まった今年6月以降は観光地の様相は大きく変わった。
  ハロン湾を一望できる部屋のあるホテルでは半数の部屋が空いたままである。
  中国がパスポートなしでベトナムに入国できる許可証の発行曽制限したためである。
  中国人客はピーク時に比べて40%減ったと言う。
  (ホテルの支配人)  
  「中国人の客は去年に比べて減った。
   それもかなりの減少です。
   南シナ海の問題がベトナムの観光業全体に影響を及ぼしているんです。」
  より深刻な影響を受けているのが中国との国境にある町モンカイである。
  ベトナムと中国の国境は去年は大型のトラックが頻繁に行き交っていたが
  今は閑散としている。
  国境を超える貨物の量は去年と比べて40%余減少した。
  コンテナの運送会社を経営しているクオンさんは
  税関の検査を受けた者の中国側から輸入の許可が下りないと言う。
  半年余り放置されているコンテナもある。
  中国向けのエビやカニなどを保存していた大型の冷凍庫は
  新たな荷受けができず一部は使われなくなっている。
  従業員を30人ほど解雇せざるを得なかった。
  (運送会社社長 クオンさん)
  「これまでにないほど厳しい状況だ。
   このままでは別の仕事を見つけなければいけない。」
  
  同じく南シナ海で中国と領有権争いを抱えるフィリピン。
  中国との対立が深まった後リゾート地でも中国人観光客はほとんど見られなくなった。
  中国の旅行代理店が安全上の懸念が深まったとして
  団体旅行の取り扱いを中止したためである。
  さらに中国政府はフィリピン産のバナナから虫が見つかったと検疫を強化。
  中国向けのバナナの輸出が事実上ストップした。
  中国への反発が広がった。
  フィリピン政府は国際社会の支持を得ようと国連総会で訴えた。
  (フィリピン デルロサリオ外相)
  「我々は司法の場などで第三者による解決が有効と考える。」
  国際海洋法裁判所への提訴に向けた準備も始めたが
  国際社会から期待したような支持は得られず経済的にも打撃を受け苦境に立たされる。
  中国を刺激する提訴にも踏み切れずにいる。
  (フィリピン アキノ大統領)
  「中国国内の愛国主義的な圧力が弱まることを期待したい。」
  中国は10月 それまでの強硬姿勢を一変させた。
  中国外務省でアジアを担当する次官が急きょマニラを訪問。
  “友好関係を重視している”
  という胡錦濤国家主席のメッセージをアキノ大統領に伝えた。
  外務次官はエストラーダ元大統領とも会談し外交ムードを演出。
  朝食会に同席した経済団体のトップは
  関係改善を望む中国側の姿勢を強く感じたと言う。
  (フィリピン経済団体 フランシス・チュア会長)
  「中国はスカーボロー礁のような問題より国内問題の対応にもっと時間をあてたいと。」
  中国が姿勢を軟化させた背景について
  “尖閣諸島をめぐる日本との対立がある”とする専門家もいる。
  (フィリピン大学 シルバノ・マヒオ教授)
  「中国は2つの地域で問題を抱えている。
   同時に対応できないとすれは
   まず1つの問題の解決を優先せざるを得ないということでしょう。」
  中国の方針転換を受けてリゾート地には中国人観光客が戻ってきた。
  中国の代理店による団体旅行の取扱が10月下旬に5か月ぶりに再開された。
  (飲食店店主)
  「中国とフィリピンは仲良くなってほしい。
   なんといっても近い国同士だから。」
  中国側のバナナの検疫も緩和され輸出は回復に向かっている。
  しかし対立の元となったスカーボロー礁でフィリピンが引き上げた後も
  中国は監視船を送り続けている。
  フィリピン外務省の元幹部は
  このままでは領土を失うことになりかねないと警鐘を鳴らしている。
  (フィリピン 元外務次官 ラウロ・バハ氏)
  「フィリピンはスカーボロー礁に再びいけるようにしなければいけない。
   さもなければこのまま完全にスカーボロー礁から締め出されてしまう恐れがある。」  

  
  
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