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中国は世界でいま ①アメリカに食い込む中国投資マネー

2012-11-04 07:42:12 | 海外ネットワーク


  10月27日 海外ネットワーク


  中国のアメリカへの投資は国債など金融部門が中心だが
  最近は中国企業の現地への進出が進んでいる。

  10月22日に行われたアメリカ大統領選挙の討論会では
  両候補とも中国が国際的な経済ルールを守っていないと非難し
  厳しい姿勢を競ってアピールした。
  (アメリカ オバマ大統領)
  「中国はアメリカの対抗者だ。
   潜在的にはパートナーになりうるがルールを守らなければならない。」
  (共和党 ロムニー候補)
  「中国は意図的に通貨の価値を引き下げ中国製品の価格を低く抑えている。
   大統領に当選したらすぐに中国を為替操作国に認定する。」

  アメリカの中国に対する貿易赤字は年間約3,000億ドル。
  今年行なわれた世論調査では
  “中国に対し否定的な印象を持っている”と答えた人が半数を超えた。
  しかし経済的な苦境のなか事情の異なる地域が出てきている。
  アメリカ南部アラバマ州である。
  農業が主な産業だが失業率が高く
  全米50州中4番目に経済状態が悪い
  と位置付けられている。
  落ち込んだ経済を活性化させる切り札と期待されているのは中国からの投資マネー。
  東京ドーム10個分にも及ぶ広大な土地の工場が作られ
  中国の金属加工メーカーがエアコンや冷蔵庫などの部品を製造し
  新たに300人以上を雇用する計画である。
  中国企業がこれだけの規模でアラバマ州に進出するのは初めてのこと。
  (アラバマ州の住民)
  「雇用と景気を良くしてくれるなら中国でもどこの国でもかまわない。」
  「中国がこの町に雇用をもたらすなら中国のことを見直す。」
  工場進出を実現させた香港出身のコンサルタント レイモンド・チェンさんは
  アメリカへの進出を希望する中国企業からの依頼を受け
  地元政府との交渉を一手に引き受けている。
  アメリカの大手コンピューターメーカーの役員などを歴任し
  米中両国に豊富な人脈を持つチェンさん。
  アラバマ州知事もチェンさんの手腕に信頼を置いている。
  (アラバマ州知事)
  「激しい競争の中 アラバマ州は中国企業誘致に成功している。
   新しい企業を誘致することはアラバマ経済の助けとなる。」
  (コンサルタント レイモンド・チェンさん)
  「雇用を増やしたいなら中国の投資が必要なはず。
   中国をもろ手を挙げて歓迎するべき。」

  アラバマ州政府とチェンさんが共催したパーティーには
  工場の進出が実現したのを見て
  “中国に対する見方が変わった”と州内各市の市長が競うように出席。
  (地元市長)
  「アラバマと中国の将来は明るい。」
  “わが町にも中国から企業や投資家を連れてきて欲しい”と口々に協力を求めた。
  (コンサルタント レイモンド・チャンさん)
  「とてもうまくいっている。
   中国バッシングはどこにもない。
   互いに行為を持てばビジネスはうまくいく。」
  熱烈な歓迎にチェンさんは
  “アラバマ州が中国企業の対米進出の拠点になる”と確信した。
  仕事の効率を最大限に高めるため
  チェンさんはプライベートジェット機を利用している。
  事務所があるニューヨークとアラバマ州の間を頻繁に往復し
  さらに緊密な関係を構築してきた。
  先月には中国から100人を超す投資家や企業経営者から成るミッションを
  アラバマ州に送り込んだ。
  チェンさんは中国とアラバマ州の経済協力を進める組織を設立。
  アラバマ州側は“こんにちは”と中国語で書かれたTシャツを作って一行を歓迎した。
  記念のシンポジウムには地元選出の上院議員が出席し
  中国企業の進出に期待を示した。
  (地元進出の上院議員)
  「中国とアメリカは友人だがもっと良い友人になりたい。」
  (コンサルタント レイモンド・チェンさん)
  「現在アメリカでは中国バッシングがあるが政治的思惑や誤解によるもの。
   貿易を通して中国とアメリカの関係を改善していきたい。
   そのために外資の誘致に熱心なアラバマ州から活動を始めた。
   今のところ出だしは順調だ。」

  チェンさんはワシントンにロビー活動のための新たな拠点を設けることにしている。
  中央政界への働きかけを強化するためである。
  上下両院の議員と接触し中国への理解と協力を求める。
  経済をてこに関係を深めていけば
  中国とアメリカの関係は強固なものになると信じている。
  (コンサルタント レイモンド・チェンさん)
  「議員との面会もとてもうまくいった。
   議員は中国との関係改善を望んでいる。
   近い将来 今度は中国が世界有数の対米投資国になるだろう。
   投資が進めば両国はもっと緊密な関係になる。」

  アメリカには中国に落ち着かれ追い越されるのではないかという危機感がある。
  議会では中国企業によるスパイ活動を疑う声や
  尖閣諸島の問題などでも中国を強く非難する声が上がっている。
  活発なロビー活動の背景にはこうした中国への強い警戒感や
  アメリカから雇用を奪っているという不満をかわしたいという狙いがあり
  企業進出の動きもその一環である。
  さらに経済以外の分野でも中国の存在感は増している。
  たとえば孔子学院という中国語や中国文化を広めるための教室が
  全米の小学校から大学まで急増している。
  費用は中国政府が負担し教師も中国から送り込まれてくるので
  学校は負担なしに外国語教育を行なえると歓迎している。
  また大学には受け入れの見返りに億単位の寄付もされている。
  こうした反中国感情を和らげようという中国側の様々な働きかけが
  長期的に効果をあげれば
  アメリカ議会がいつまでも中国に厳しい姿勢を続けるとは限らない。

  
  
   
  
  

  
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