8月24日 BIZ+SUNDAY
インドネシアは一万以上の島々に2億5千万の人が暮らしている。
平均年齢は29歳。
日本文化への関心が高く親日的な人が多いと言われており
1200社以上の日本企業が進出している。
今年 日本の500社以上の企業を対象に行ったアンケートで“投資したい国(今後3年程度)”の第一位である。
インドネシアで白物家電の1位になっているのがシャープ。
インドネシアの地方都市 あらわれた奇抜な集団。
日本の大手電機メーカー シャープが開いているイベント MATHURI。
流れているのは日本のアニメソング。
インドネシアでも人気である。
こうしたイベントを2か月に1度開くことでブランドイメージの浸透を図っている。
「このイベントのために遠くから来たがとてもよかった。
子どもたちも喜んでいる。」
このイベントに必ず現れるのが修理専門のサービスカー。
日本式のきめ細かいアフターサービスを行っている。
シャープの製品なら修理は無料。
しかも時間をかけずその場で直す。
ひと月ほど前にテレビが故障した男性は買い換えをせずにサービスカーが来るのを待っていた。
「こうした習りサービスはとても助かる。
冷蔵庫 テレビ 洗濯機
全部シャープの製品を使っている。」
こうした日本式のサービスをアピールすることでシャープは白物家電でシェアNo.1を実現している。
シャープは去年 ジャカルタ郊外に甲子園球場8個分の広さを持つ世界最大規模の工場を稼働させた。
成長するインドネシア市場に対応するため生産能力を2倍以上に拡大させた。
作るのは現地のニーズを反映させた製品。
たとえば洗濯機は販売台数の8割が価格の安い二そう式である。
中に保冷剤が入っている冷蔵庫。
電力事情がよくない地方都市では停電がたびたび起きるがこれがあれば停電しても6時間冷やすことが出来る。
インドネシアの白物家電の普及は始まったばかり。
まだまだ伸びる余地があるとみられている。
経営再建中のシャープはこの工場を軸に2年後までにASEANの売り上げを倍増し再建の大きな柱にしたいとしている。
(シャープ・エレクトロニクス インドネシア 藤井正信工場長)
「今のインドネシアは日本の高度成長期のような感じ。
当面 中期的にみてもインドネシアの国の需要は拡大していく。」
インドネシア市場にさらなる攻勢をかけるシャープ。
ライバルとの競争が激化する中でいま力を入れているのが日本式の人材育成である。
インドネシア全土から集められた営業マンが受ける研修。
「ハチマキ締めます!」
スローガンを唱えます!
腰に手を当てて!
行くぞ!行くぞ!
私はできる!
目標を達成するぞ!
本気を出せばできる!」
指導するのは昭和の時代を知る元営業マン達。
お客さんの立場に立つというおもてなしの精神をきめ細かく指導していく。
「手をきれいにしていますか?」
気遣いは爪の伸び具合にまで。
身だしなみのためだけではない。
「お子様連れで来られるお客様もいます。
お子様の背の高さはこのくらいです。
歩いているときに爪でお子様の顔を傷つけてしまう恐れがあります。」
研修の最後に目標達成への決意を確認する。
「絶対できるのか!」
「絶対できるぞ!」
「やれるのか!」
「やってみせるぞ!」
研修を受けた営業マンが向かうのは町の小さな電気店。
大型の量販店が少ないためこうした店の売り上げが業績を大きく左右する。
営業マンは全国の電気店を月に1度は訪問し売り場のレイアウトなど日本式の売り方を伝えている。
「こちらのテレビですがこの高さだとお客さんからあまり見えないので
お客さんが見やすいように下の段へ移動してもらえませんか?」
「わざわざ店まで来てアドバイスしてくれるのはシャープだけ。
他のメーカーはそこまでしてくれない。」
こうした日本式のノウハウを生かした営業活動によってライバルを引き離そうとしている。
(シャープ・エレクトロニクス インドネシア 営業統括 寺岡真司さん)
「お客さんの目線に立つということは非常に重要だと
これは私が日本で勉強したこと。
このおもてなしの精神を持って
お客さんの立場に立って市場を攻略していきたい。」