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海外の拉致被害者 家族の思いは

2014-09-24 07:15:00 | 海外ネットワーク

9月14日 NHK海外ネットワーク


10日 日本政府がスイスのジュネーブで開いた北朝鮮の人権問題に関するシンポジウム。
拉致被害者の家族らが肉親の早期帰国に向けた国際世論の後押しを求めた。
参加した被害者家族の中には日本以外の人もいた。
ルーマニア人のガブリエル・ブンベアさん(47)。
姉のドイナさんが北朝鮮に拉致されたとみられている。
日本人以外の北朝鮮による拉致の被害の実態については
今年2月に発表された国連の特別委員会の報告書でも指摘されている。
それによると北朝鮮から遠く離れたフランス、イタリア、オランダ、レバノンなど合わせて14人の被害者が出ている。

ガブリエル・ブンベアさんの姉のドイナさんは1978年に画家として活動の拠点を置いていたイタリアで行方不明になった。 
母親に電話で「画廊と契約するために日本に向かう」と伝えたきり消息は途絶えた。
ドイナさんの行方が分からなくなった1970年代~80年代にかけて多くの日本人が北朝鮮に拉致されたとみられている。
ロンドン留学中に拉致された有本恵子さんのように拉致は北朝鮮から遠く離れたヨーロッパでも起きていたのである。
ドイナさんに関する手がかりがないまま30年近く
拉致被害者 曽我ひとみさんの夫のジェンキンスさんが思いもよらぬ証言をした。
(ジェンキンスさん)
「友人の妻はイタリアにいたルーマニア人だった。」
ジェンキンスさんは著書の中でこう記している。
チャールズ・R・ジェンキンス著「告白」より
 ドナという名のルーマニア人
 筆を執れば見事な絵を描いたものだ
ドナという名前
そして絵を描いていた。
ガブリエルさんは姉のドイナさんだと確信した。
ルーマニアのメディアもドイナさんが北朝鮮に拉致されていた疑いを大きく伝えた。
2007年 ガブリエルさんは日本を訪れ曽我さん夫妻と面会。
しかし聞かされたのはドイナさんが1997年に亡くなっということ。
ところがドイナさんには2人の息子がいたという。
(ガブリエル・ブンベアさん)
「眉 目 鼻のあたりは姉とそっくりだ。
 衝撃で全身が震え涙が出ました。
 今の私の望みは甥に会うことです。」
ガブリエルさんはルーマニア政府に真相を調べてほしいと訴えた。
しかし外務省から1通の書面が送られてきただけである。
“調査は我々の権限を越えている”
そしてドイナさんやその子どもたちに会いたいと願い続けた母親が8月に亡くなった。
(ガブリエル・ブンベアさん)
「寂しさと怒りが混ざっている。
 母は最後まで2人の孫に会うことを望んでいた。
 しかし母はもういない。
 私の戦う気力も限界だ。」
ガブリエルさんを奮い立たせたのが北朝鮮が再び日本人などの拉致被害者の調査に応じたことである。
ジュネーブでのシンポジウムであらためて国際社会に訴えた。
(ガブリエル・ブンベアさん)
「なぜ牢獄のような国で行われている苦難をやめさせる行動をとらないのか。
 北朝鮮の拉致問題を直ちに解決するために断固とした強力な手段を講じることを求める。」
ガブリエルさんは日本の拉致問題が進展すれば
ドイナさんに関する真相究明を始め
他の国での拉致問題も動くんではないかと一縷の望みをつないでいる。 

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