8月31日 BIZ+SUNDAY
北海道の玄関口 新千歳空港。
全国各地から多くの観光客が訪れる
ここにご夫婦のお店がある。
ミニトマトのつめ放題。
6種類のトマトを自由に選べる珍しさがウケている。
「お得かな。」
「こんなに種類があるとは知らなかった。
いろいろ食べてみたいなと。」
空港から車で約1時間。
大塚裕樹さんと早苗さん夫婦は18ヘクタールの畑でミニトマトやハス、パセリなど年間22品目を栽培している。
野菜を中心に栽培する農家で1億円も売り上げているのは北海道でもわずか1%程度。
なぜこれだけ稼ぎ出せるのか。
その秘密は人と同じ売り方はしないというモットーにあった。
独自の売り方で人気を集めた商品がホシイモ。
スーパーなどで売られているホシイモはふつう単品で販売されている。
一方 大塚さんは5種類のサツマイモを使って商品化。
一袋600円と割高だが選ぶ楽しさがウケて年間1800万円を売り上げている。
(大塚裕樹さん)
「商品点数と販売点数は比例するので
商品開発するときは1本だけでは売れない。
3種類ぐらいないとお客さんも選ぶ楽しみがない。」
「他の店でやっていないことをやらないことには
インパクトがないと生き残っていけない。」
ちょっとした工夫で新しい市場の開拓にも成功している。
(大塚裕樹さん)
「台湾で食べてこれは美味しい 売れると
やってみようと始めた。」
空芯菜(くうしんさい)は北海道でほとんどなじみがなく普通に売っても売れないと感じた。
ごま油にニンニク、レモンを合わせて空芯菜炒め専用の特製ソースを作った。
炒め物が簡単にできる手軽さがうけ販路が拡大。
売り方をちょっと変えただけでヒットにつながった。
大塚さん夫婦は日常の何気ない出来事から売り方の発想を得ていると言う。
ある日スーパーに買い物に行った妻の早苗さん。
そこで見た光景が商品開発につながった。
(大塚早苗さん)
「犬を連れてくる人が多いのにびっくりした。
かわいがっているから連れて織るくと思う。
そう思ってこの路線はきっといけると思った。」
そして生まれたのが野菜を練りこんだドッグフード。
買い物のついでに客が手に取ると考えた。
ターゲットに人からペットにも広げる新商品。
空港の店でも愛犬家の心をつかんでいた。
「ちょっと気持ちが動いた。」
「うちの子1回分ですね。
60キロあるから。」
(大塚裕樹さん)
「みんながやっていないものを作ればビジネスとしてはぶつからないので
北海道ではうちしかやっていないとか
日本で有機農家としてはうちしかやっていないとか
そういうことはこだわっている。」