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イスラム市場のハブとなれ!マレーシア“ハラル戦略”

2014-09-29 07:15:00 | 報道/ニュース

9月16日 キャッチ!

 

人口2900万のマレーシア。
国民の6割余がイスラム教徒で占められている。
スーパーマーケットをのぞくと食品だけでなく化粧品や医薬品など多くの製品にハラルの認証マークがついている。
ほとんどの国では宗教団体が認証を行うのに対して
マレーシアではハラルの認証を政府が行っている。
これはマレーシア政府が掲げるハラル・ハブ戦略の一環で
政府のお墨付で商品の信頼性を高め世界のイスラム圏へ向けた輸出拠点を目指すものである。
すでにハラル製品だけを製造する工業団地を国内24か所に建設。
税制優遇や認証取得の支援などで企業誘致に力を入れている。
(鶏肉加工企業 担当者)
「すべての工程がイスラム教で定められたハラルに基づいています。
 製品はブルネイや中東などに輸出されています。」
さらにイスラム教になじみのない外国企業に対応できるよう宗教の概念であるハラルを英語で文章化。
商品の原料や製造工程に至るまで工業規格のように細かい規定を設けた。
このことにより外国企業のマレーシアへの進出が加速。
ハラル産業は20万人の新たな雇用を創出しGDPの8%を占めるようになった。
(ハラル産業開発公社 ジャミルCEO)
「ハラル産業を2020年までにGDPの10%以上となる産業にして
 マレーシア経済に貢献できるようにしたい。」
この当局の自信を裏付けるのが政府が主導する認証制度である。
書類審査だけでなく成分分析も実施し
3年前からは最新のDNA鑑定も導入されている。
(検査担当者)
「このサンプルは豚の陽性反応が出たものです。
 DNA鑑定ですぐにわかります。」
進出した外国企業は認証を取得した後も厳格なものづくりが求められる。
(シンガポールCNA 5月29日放送)
チョコレート製品で豚のDNAが発見された問題で波紋が広がっています
イギリス企業が製造したハラルのチョコレートに豚の成分が入っていると指摘され
この企業は製品をすべて回収することになった。
(ハラル認証機関 ハキマさん)
「マレーシアのハラル認証には誇りがあります。
 将来は世界基準にしたいと考えています。」

ハラル・ハブ戦略を推し進めるマレーシア政府。
外国企業の誘致を行うため8年前にはハラル産業開発公社を設立した。
ベルギーの政府系企業の担当者が公社を訪れた。
北アフリカや中東など近隣に広がる巨大なイスラム市場に対して製品の開発に強い意欲を示すベルギー。
ハラル産業の豊富なノウハウを蓄積するマレーシアとの提携を模索している。
(ベルギー政府関係者)
「ハラル産業の開拓者であるマレーシアと組むことには価値があります。」
ベルギー側は自国企業のマレーシア進出とハラル製品を扱う人材の育成などでマレーシアからの協力を得ることとなった。
一方 日本の中小企業もマレーシア進出のチャンスをうかがっている。
鶏の糞を燃やして有機肥料を作る会社の関係者たちが現地を訪れていた。
視察先は現地の養鶏企業。
餌にも豚やアルコール成分は一切入っていない。
(養鶏場 担当者)
「餌はハラル認証を受けているので全く問題はありません。」
イスラム教徒の多いマレーシアでは鶏が多く消費されるが問題になるのは養鶏場から出る大量の糞。
焼却などの処理をせず直接畑にまかれているため環境汚染が深刻化している。
そこでマレーシア政府は日本が持つ高度な有機肥料製造技術に期待している。
一方 日本の企業側も原料の安定確保と
なにより将来マレーシア政府からハラル認証を取得できればイスラム市場への道が開けると考えている。
(ペナン州政府 アブドゥル・マリク大臣)
「マレーシア産のハラル製品というだけでは売れませんが
 日本企業が生産したとなれば世界中で受け入れられます。」
視察した企業の担当者は確かな手ごたえを感じていた。
(日本企業担当者 上田哲則さん)
「日本技術に期待するマレーシア政府の熱意を感じました。
 マレーシアで成功できれば他のイスラム諸国にも持って行けます。」

 

 

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