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「Rock Corps ロック・コープス」音楽と社会貢献の融合

2014-09-23 07:15:00 | 報道/ニュース

9月11日 キャッチ!



この夏福島県を中心に行われたユニークなボランティア活動。
音楽の力で楽しみながら社会貢献活動の参加を推進するこのプロジェクトは
これまでボランティアになじみがなかった人たちも取り込んだ。

福島市で8月6日 コンサートが開かれた。
会場は震災後に避難所として使われた市の体育館。
コブクロやMay・Jといった国内の人気アーティストに加え
海外からもグラミー賞を受賞した歌手イーオが出演した。
集まった観客は約4000人。
実はこの観客はすべてボランティア活動でコンサートのチケットを手にした人たちである。
(ロック・コープスCEO スティーブン・グリーン氏)
「チケットはお金では買えない。
 4時間働いてチケットを手に入れるんだ。」
今回 アジアで初めて開催されたこのプロジェクトはロック・コープスが主催した。
Give,Get,Given
与えて初めて与えられる 
をモットーに2005年にアメリカで始まりこれまでに世界9か国32都市で実施された。
このプロジェクトを通してボランティア活動の参加した人の数は合わせて14万人以上。
これまでのコンサートにはLady Gagaをはじめプロジェクトに共感した数多くの世界的アーティストが参加している。
今回の日本でのプロジェクトの目的は東日本大震災の復興支援である。
福島県を中心に岩手県や宮城県、それに首都圏で4月から4か月にわたり
農地整備や海水浴場のがれきの撤去などさまざまなボランティア活動が行われた。
参加したのはのべ4,500人。
それぞれウェブサイトに登録して144回ある活動の中から好きなものを選び4時間のボランティア活動を行った。
ボランティア活動に参加した佐野友香里さんは東京都内で医療の仕事をしている。
音楽イベントを探しているときにこのプロジェクトの存在を知り参加を決めた。
今までボランティアの経験はなかった。
(佐野友香里さん)
「やっている人がいっぱいいたけど私自身は少し抵抗感があって
 ボランティア自体に気恥ずかしいというのもあって
 “親の手伝いをしないのに外へ行くの?”みたいな気持ちがあって。」
佐野さんが選んだボランティア活動は8月初旬に行われた相馬市の仮設住宅の草むしり。
被災地に足を踏み入れるのはこれが初めてである。
この日は気温が35度を超える猛暑日となりコンクリートの照り返しが強い中での作業となった。
(佐野友香里さん)
「雑草を抜く作業だけでこんなに大変ならあと何をやらなきゃいけないのか
 やるべきことはどれだけあるのだろうと草をむしりながら思った。」
ボランティアと主に作業をするのは仮設住宅に住む福躍恵美子さん。
震災から3年半がたち住民の多くは町へ移り住んだ。
今では半数以上が高齢者となり敷地内の草むしりもままならなかったと言う。
(仮設住宅に住む福躍恵美子さん)
「助かったわ。
 これを一人でやらないといけないと思っていたから。
 来てもらって本当に助かったわ。」
佐野さんにとっては福躍さんら被災者から直接 震災直後の様子や仮設住宅での生活について話を聞く機会になった。
作業開始から4時間。
最後に参加者一人一人にコンサートのチケットが配られた。
(佐野友香里さん)
「今となってはチケットをもらってうれしいというより
 きょう一日のボランティアがすごく楽しかった。」
コンサート当日 佐野さんも東京から駆けつけ
一緒にボランティアで汗を流した仲間との再会を喜び合った。 
そしていよいよコンサート。
以前はボランティア活動から距離を置いていた佐野さん。
しかし今回の経験でその抵抗感は和らいだと言う。
(佐野友香里さん)
「やってみて思ったのはボランティアに能力があるかどうかは大事じゃない。
 絶対にできることはある。
 “私に何ができるだろうか?”と気負っていく必要はないと思った。
 ボランティアをすることによって微々たるものだけどいいことが起こっていけばいいなと思う。」

ボランティアなどの交通費などは参加者の自己負担だが
コンサート会場の設営や運営費はプロジェクトに賛同したスポンサーの支援で賄われている。



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