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リーマンショックから6年 ①「グリード」はいま

2014-09-18 07:15:00 | ビズ プラス

9月7日 BIZ+SUNDAY


2008年9月15日 アメリカの大手投資銀行 リーマンブラザーズが破綻。
衝撃が走った。
ダウ平均株価は史上最大の下げ幅を記録。
世界経済が未曽有の危機に陥った。
(FRB グリーンスパン議長(当時)) 
「50年に一度か100年に一度の出来事。」
儲けのためには手段を択ばないウォール街の強欲グリード
国民から非難が集中した。
リーマンショックから6年
ウォール街は変わったのか。

リーマンショックが起きた6年前 
ウォール街で働いていた人たちは当時をどう振り返るのか。
アイラ・ワグナーさんは大手投資銀行で金融商品を開発していた。
ワグナーさんが開発したのはあのサブプライムローン
所得が低い人でも家が買えるとうたわれたローンで当時爆発的に広がった。
しかし金利の上昇などでローンを払えない人が急増。
サブプライムローン関連の金融商品を抱えていた銀行などの経営が悪化した。
これがリーマンショックにつながっていったのである。
リーマンショックの責任は自分たちにあると考えているワグナーさん。
銀行を辞め今は写真家として生計を立てている。
(アイラ・ワグナーさん)
「みんなが住宅を長く住む場所ではなくカジノのように扱い始めてしまった。
 行き過ぎを防止するためには抑制とバランスが必要。
 あのころは業界全体にそれが欠落していた。」
儲けるためには手段を択ばない。
ウォール街の強欲グリード。
リーマンショックのあと国は市場を暴走させないためにもさまざまな対策に乗り出した。
金融機関に対する監督を強化する法律を制定。
サブプライムローンのようなリスクの高い商品の取引を規制することを決めた。
(オバマ大統領)
「アメリカ国民は二度とウォール街の過ちのつけを払うことはなくなる。」
ところがいまこうした規制をかいくぐる動きが起きている。
高性能なコンピューターを駆使することなどで行われる超高速取引である。
コンサルタントとして超高速取引をよく知るエリック・ハンセンダーさん。
超高速取引による売買のデータを見ると・・・
(ナネックス エリック・ハンセンダーCEO)
「最初は何もない状態が続く。
 トレーダーの注文が入った瞬間爆発的な取引が始まった。」
高速取引を行っている投資会社がわずか1000分の1秒の間に80回以上も売買の注文を出していた。
いったい何が起きているのか。
まず一般の投資家が株を取引所から買う。
この情報をつかんだ高速取引を行う業者。
この株の値段が今後上がっていくことを見込んで一般の投資家が買うよりも先に安値のうちに株を買い集める。
そのスピードは100万分の1秒単位になるという。
業者はその後 株の値段が上がると大量の株を売り利益を上げることが出来るのである。
ハンセンダーさんはリーマンショックを引き起こしたグリードの精神がいま形を変えて現れていると言う。
(ナネックス エリック・ハンセンダーCEO)
「超高速取引はもちろん新たなグリード。
 グリードが原動力になっている。
 ビジネスを始めるにあたってグリードが無いやつなんていない。」
超高速取引はアメリカの株式市場全体の取引の半数を占めている。
こうした中ある懸念が指摘されている。
超高速取引が市場の暴走につながるのではないかというのである。
2010年5月 ダウ平均株価が数分間に一気に約11000ドル下落する事態が起きた。
金融当局がまとめた調査報告書によれば
急落のきっかけはある投資会社が超高速取引で大量の売り注文を出したことだった。
この動きを受け他の業者による注文が殺到。
株安に歯止めがかからなくなったのである。
報告書では
超高速取引が株価の下落を増幅し市場全体への影響を広げた
と結論付けている。
ウォール街であらたな錬金術と呼ばれている超高速取引。

今後さらに拡大していけば新たな危機のリスクにつながるとハンセンダーさんは考えている。
(ナネックス エリック・ハンセンダーCEO)
「グリードをちゃんと規制すればいい。
 ルールを持たなければいけない。
 もしスピード違反のルールが無かったら交通は無茶苦茶になってしまうから。」


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