5月30日 おはよう日本
スイーツの街として知られる神戸市で
20年前の阪神淡路大震災から復興した人や街の姿を
スイーツで表現するコンテストが開かれた。
神戸の夜景をイメージしたブルーベリーのケーキ。
街に流れるジャズの音色を形にしたクッキー。
レンガをイメージしたチョコレートなど
美しい街並みも味わえるスイーツである。
観光シーズンを迎えた初夏の神戸。
色鮮やかなスイーツが街にあふれる季節である。
「ちょっとセレブな感じ。」
「街並みがより楽しくなるような感じがします。」
毎年開かれている洋菓子のコンテスト。
県内の職人たちがつくった約80点の作品が集まった。
阪神淡路愛震災から20年の今年は“震災からの復興”がテーマである。
それぞれが思い描く復興した街の姿を表現した。
地震が起きた5時46分で止まったままの時計。
アメ細工の大輪の花火。
震災後今年から再開した神戸港の花火大会の風景である。
ポートタワーの上で結婚式を挙げる幸せなカップル。
再び取り戻した日常が描かれている。
その中に多くの客が足を留めるケーキがあった。
「えーっ?」
「これすごいな。」
「これはすごいな。」
客が見ていたのはケーキの真ん中についた小さなアルバムである。
何気ない人々の生活を切り取った写真がチョコレートで細かく描かれていた。
ケーキを作ったパティシエの石床真弓さん(25)。
6年前から神戸市内の洋菓子店で働いている。
香川県の出身で震災当時の記憶はほとんどないが
今回のコンテストがきっかけで改めて震災のことを知りたいと考えた。
(石床真弓さん)
「やっぱり当時のことを思い返すと
どれだけ大変なことをしてきた人たちがいるんだろうと
改めて考えるきっかけになった。」
当たり前だと思ってきた神戸の風景は
震災前からこの街で暮らす人たちの力があったからこそだと考えた石床さん。
その人たちの存在を記憶にとどめたいとアルバムに描いた。
そして街の未来を
咲き誇るヒマワリと親子が空に向かって紙飛行機を飛ばす姿で現した。
(石床真弓さん)
「やっぱり神戸の街は大好きで
今からももっともっといい街に自分たちの力でなっていくはずなので
自分でできることで
おいしいお菓子を作って神戸を盛り上げたい。」
スイーツと重なる神戸の風景。
甘くやわらかな味わいで
これからも人々を魅了する。