6月13日 経済フロントライン
社会保障費は毎年ほぼ1兆円ずつ増えているが
痛みを伴うとしてその抑制には根強い反対がある。
そうした中で予想以上に効果を上げているのがジェネリック(後発医薬品)の活用である。
新薬の特許が切れた後に販売される価格の安いジェネリック。
物によっては新薬の半額以下で手に入る。
8年前 深刻な財政難に陥った広島県呉市。
歳出の大幅な見直しを迫られた。
そこで市が目をつけたのが高齢化で膨らみ続ける医療費の削減である。
市は6万人の及ぶ患者のレセプト(診療報酬明細書)データ化し薬の利用状況を詳細に分析した。
その中から新薬を多く使う患者を割り出しジェネリックの使用を促すことにした。
医療費は一部を患者が自己負担し残りは税と保険料でまかなっている。
そのためジェネリックへの切り替えが進めば市の負担を削減できると考えたのである。
市はジェネリックの利用で薬代が大幅に安くなる患者に通知を出した。
全国の市町村で初めての取り組みだった。
ある男性の場合月に600円以上安くなる。
さっそく薬局で切り替えてもらった。
「はじめは不安感があったがなじんできた。」
ジェネリックで安くなるのは助かる。」
これまでに市が通知したのは約3万人。
8割以上の人がジェネリックに切り替えた。
その結果薬剤費を毎年1億円以上削減することができたのである。
(呉市福祉保健部 鎌田健太郎さん)
「保険給付費の削減につながるし
薬剤費を負担する患者の経済的負担が少なくなる。
今後も削減効果が見込まれるので引き続き実施していきたい。」