日暮しの種 

経済やら芸能やらスポーツやら
お勉強いたします

災害時に外国人に“やさしい日本語”

2020-02-08 07:00:00 | 報道/ニュース

1月20日 NHK「おはよう日本」


阪神淡路大震災から25年。
当時
被災した外国人への支援では
“やさしい日本語”という考え方が生まれ
今では各地の被災地に広がっている。
“やさしい日本語”はどのように誕生し変化を遂げてきたのか。

25年前 被災した外国人の支援団体で事務局長を務めていた田村太郎さん。
安否の確認や住まいの相談に“やさしい日本語”で対応した。
(被災外国人を支援 田村太郎さん)
「だいたい3割くらい日本語で対応している。
 基本的にはゆっくり短く分かりやすい日本語。
 聞いて分からないようだったらもう1回言い直す。
 違う言葉で。」
当時 被災した外国人は日本語の壁に直面していた。
「震度」や「避難所」といったふだんは耳にしない言葉が理解できずに
支援が十分に受けられないケースがあったのである。
(被災した外国人)
「家は見つかったが仕事がなく
 自立できずに困っています。
 言葉があまりよくわからない。」
田村さんは震災直後から被災した外国人向けに
15近くの言語で対応する電話相談を始めた。
しかしすべての言語の通訳を確保できないこともあって
やさしい日本語を使い始めた。
(田村太郎さん)
「わかりやすい日本語で
 最初の受け止め・やりとりはできるのではないかと
 やさしい日本語が徐々に普及始めた。」
やさしい日本語はふつうの日本語より簡単で外国人にもわかりやすい日本語である。
今朝(けさ)   ⇒今日の朝
頭がガンガンする ⇒頭がとても痛いです
警戒する     ⇒気を付ける
高台に避難する  ⇒高いところに逃げる
停電中です    ⇒電気を使うことができません
などと言い換える。
震災をきっかけに各地に広がり
去年の台風19号でも自治体がツイッターで平仮名だけの短い言葉で情報を発信した。
(長野県防災)
たいふうで、おかねや、みらいを、しんぱいする、がいこくじんのみなさん
にほんは、なんかいも、たいふうや、じしんにあいました。いえや、こころが、きずついても、たくさんのひとが、たすけあいました。
どのくにのひとも、みんな、たすけあいましょう。
うえをむいてあるこう。
おやすみなさい
やさしい日本語はいま形を変えながら広がりを見せている。
岐阜市内で行われた
外国人が多い避難所を想定した訓練。
使われたのは災害ピクトグラム
ピクトグラムとは
言葉ではなく
絵や記号で必要な情報を伝えるものである。
宗教上の理由で食べられないものがあるという人向けに食材も表示する。
「この中に食べられないものはありますか?」
「肉。
 全部。」
災害ピクトグラムの普及にあたっている菊地信孝さん。
普及が進む背景には文化が異なる外国人の増加があるという。
(災害ピクトグラム普及にあたる 菊地信孝さん)
「いま日本の外国人生活者の比率は50人に1人になっている。
 在留外国人はずっと日本に住んでいるので
 日本人と同じように避難所で衣食住する状況になってきている。」
(在留外国人)
「とても助かる。
 何が食べられないか簡単に相手に伝えられる。」
(菊地信孝さん)
「いろんな方が一緒に避難するという前提で
 分かりやすいコミュニケーションをつくる。
 そういう取り組みがどんどん広がっていけばと思っています。」
25年前の震災以来
外国人の支援にあたっている田村さん。
(田村太郎さん)
「“電車が不通です”という日本語がありますね。
 災害の時に出ている“ふつう”は“普通”ではないんです。」
いま訪日外国人の増加で
公共施設やホテルなどで研修の講師を頼まれることが増えている。
田村さんは
やさしい日本語を使うことはわかりやすいだけではなく
災害時に不安を抱える外国人の立場で支援にあたる姿勢にもつながるという。
(田村太郎さん)
「難しい日本語ではなくやさしい日本語を話すことで
 より伝わる人が増える。
 安心してもらうことが大事。
 安心してもらうことが“やさしい”ことにつながればと思う。」


 

コメント