1月22日 NHKBS1「キャッチ!世界のトップニュース」
アフリカ大陸のほぼ最南端にあるケープタウン。
中心部から車で3時間ほどの一帯がルイボスティーの産地である。
世界でも南アフリカのケープタウン近郊のこの一帯でしか自生していない。
その理由は
寒暖の差が激しく非常に乾燥した独特な気候である。
ルイボスは砂漠のような砂地で
しかも強い日差しを浴び続けて育つ。
(生産会社社長 バーグさん)
「人間だったら肌が荒れてしまうけど
ルイボスは乾燥を防ぐことができます。」
古くから地元のアフリカの人たちが“健康に良い薬草”として飲んでいた。
植民地時代に入植してきた白人たちがそれに目をつけ
1930年代から商品として売られるようになった。
カフェインがなく
ビタミンやミネラルを多く含むとされ
健康にいいハーブティーとして売られている。
国内最大の工場では毎年約1万3,000トンが生産され
約半分が海外に輸出されている。
このうち日本は最大に輸出先の1つで
年間約2,000トンになるということである。
(生産会社 社長 バーグさん)
「日本では1980年代に健康に良いお茶として販売され始めました。
その後 若い女性に人気となり
広く知られるようになりました。」
南アフリカの毎日の生活に欠かせないルイボスティー。
しかし最近は時代の変化の波にもさらされている。
エスプレッソなどのコーヒーの人気が広がり
ルイボスティーは全体としては消費量が増えているが
一部の若者の間では
“時代遅れで 高齢者の飲み物”というイメージもある。
そこで業界ではいま
若い消費者にもアピールしようとさまざまな取り組みが行われている。
ケープタウンの中心部にある立ち飲みバーのような店。
2か月前にオープンし
ちょっと変わったルイボスティーを提供している。
“発酵ルイボスティー”。
興味を持った若者たちがさっそく飲んでいた。
「爽やかでおいしいよ。
お年寄りの飲み物だったけど
今では若者にも人気があるんだ。」
バーを経営するのは32歳のエミーさん。
インドで発行されたお茶を飲んだことをヒントに
ルイボスティーでも応用できると思って仲間と起業した。
(経営者 エミーさん)
「コーヒーのようにトレンディーではありませんが
高齢者だけでなく
若者にも受け入れられると思います。」
また飲み物以外にも使われている。
ルイボスを使った足裏マッサージ。
ルイボスを混ぜたオイルで足の角質を取っていく。
抗菌作用もあるという。
(スパ経営者 リシャさん)
「飲む以外もいろんな用途があります。」
日本をはじめ世界的に知られるようになってきたルイボスティー。
その本場の南アフリカでは
新たな進化を続けている。