2月3日 NHKBS1「国際報道2020」
去年9月 野球の東京五輪アフリカ・ヨーロッパ予選大会。
イスラエルは大方の予想を覆し
強豪国に次々と勝利。
圧倒的な力の差を見せつけ
4勝1敗で五輪初出場を決めた。
なぜそれほどに強いのか。
実はこのチーム
主力となっているのはアメリカ出身の選手たち。
イスラエル出身の選手はほとんどいない。
(アメリカで活躍 ダニエル・バレンシア選手)
「半年後 イスラエル代表としてプレーできるのが楽しみ。」
(アメリカで活躍 ジョイ・ワグマン選手)
「五輪のイスラエル代表として準備をしていきたい。
日本も最高のチームだけど
私たちも強いよ。」
イスラエルで人気のスポーツと言えばサッカー。
野球は競技人口はたったの1,000人。
専用のグランドもほぼ無い。
Q.野球を知ってる?
(イスラエルの子ども)
「はい。
でも好きじゃないです。」
「ぼくはサッカー大好き。」
そこから五輪への出場がかなったのにはイスラエルならではの理由がある。
キャッチャーのライアン・ラバーンウェイ選手は
アメリカの大リーグ6球団でプレーした経験がある。
ラバーンウェイ選手がイスラエル代表にスカウトされたのが
2017年のWBC(ワールドベースボールクラシック)の時のこと。
母親がユダヤ人だったため出場資格を得たのである。
ラバーンウェイ選手のようなユダヤ系大リーグ経験者を集めたイスラエル代表。
結果
強豪の韓国やキューバに勝つ大躍進で世界を驚かせた。
(イスラエル代表 ライアン・ラバーンウェイ選手)
「2017年 WBCでイスラエル代表でプレーをして人生が変わりました。
ユダヤ人としての自覚が生まれました。」
イスラエル野球連盟会長のピーター・カーツさん。
WBCの次に目指したのが
野球が3大会ぶりに公式種目に選ばれた東京五輪だった。
カーツさんのもとには
WBCでのイスラエルの活躍を知ったアメリカのユダヤ系選手たちが
次々に名乗りを上げてきたと言う。
2020年のオリンピックで
イスラエル代表でプレーさせてください
(イスラエル野球連盟会長 ピーター・カーツさん)
「去年は五輪に出たいというメールが1週間に3~4通届きました。
多くのユダヤ系アメリカ選手にとって
イスラエル代表として大きな舞台でプレーするチャンスなのです。」
WBCで活躍したラバーンウェイ選手も
次は東京五輪という大舞台を見つめている。
イスラエル代表として五輪に出場するため
条件となるイスラエル国籍も取得した。
(イスラエル代表 ライアン・ラバーンウェイ選手)
「イスラエル人として重い責任を感じます。
多くの人が期待してくれているので
五輪でイスラエル代表として最高のプレーでメダルを持って帰りたい。」
イスラエル国籍を取得したラバーンウェイ選手。
イスラエルに野球を広めるという新たな目標も掲げた。
この日は子どもたちに野球教室を開いた。
(参加した子ども)
「大リーグで活躍してきた選手に会えてうれしい!
イスラエルにはいないから。」
「とても刺激を受けたよ。
1試合で何本もホームランを打てるのがかっこいい。」
オリンピックをきっかけに変わり始めたイスラエルの野球事情。
将来イスラエルで生まれ育った選手が活躍する日も近いかもしれない。