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楽天の新ヘルメット 仙台の“玉虫塗”生かして

2020-02-29 07:00:00 | 報道/ニュース

2月10日 NHK「おはよう日本」


楽天イーグルスの新ヘルメット
大きく変えたのは色合いである。
昨シーズンまでのものと比べて輝きと深みが増している。
この光沢は仙台で生まれた伝統的工芸品“玉虫塗”によるものである。
地元に受け継がれてきた伝統を通して
新しい楽天のイメージを発信しようと採用を決めた。
(楽天野球団 マーチャンダイジング部)
「より深い強いクリムゾンレッド
 イーグルスのカラーを作っていこう。
 そこと玉虫塗がマッチした。
 東北の宮城 仙台の伝統工芸でやっているのは自慢になると思った。」
昭和初期に輸出向けに開発された玉虫塗。
光沢が昆虫の玉虫の羽に似ていることから名づけられた。
工房の3代目の佐浦康洋社長。
玉虫塗にとってもこれまでにない新たな挑戦になると考えている。
(東北工芸製作所 佐浦社長)
「玉虫塗を含めて塗り物というのは使用目的がインドアだけれど
 野球場でヘルメットに使われるということは完全にアウトドア仕様なので
 漆器としては今までになかったことだと思う。」
選手やコーチが使うヘルメットは240個。
2か月かけての製作である。
一般的な作品と違いヘルメットはつばや耳あてがある複雑な形のため
均等に塗り上げるのは難しいという。
30年以上の経験を持つベテラン塗師が
塗料を吹きかける時間や回数を微妙に調整し
むらなく塗り上げていく。
(東北工芸製作所 佐浦社長)
「今回の使い方は工業的なものなので
 絶対に均質でないといけなかった。
 時間をたっぷりもらえたので
 今回は全部同じ色に
 完璧な均質に仕上げることができた。」
今回の製作にあたっての一番の懸念は
ヘルメットが受ける“衝撃”。
玉虫塗はもともと美しく見せる観賞用の技術。
デッドボールのような強い衝撃で剥がれ落ちる恐れがある。
そこで協力を求めたのが
仙台市にある国の研究機関 産業技術総合研究所である。
最新の科学技術で
屋外でも使える衝撃に強いものを目指した。
開発したのが
玉虫塗の上に塗る特殊な保護膜である。
乾燥して固まると硬い素材になる。
実験を繰り返して傷のつきにくさを何度も検証。
保護膜のないものと比べると
傷はほとんど目立たない。
強さと美しさを兼ね備えた楽天の新たなヘルメット。
地域とのより強い結びつきを象徴している。
(楽天野球団 マーチャンダイジング部)
「地元の伝統工芸と一緒に作るとなって
 ストーリーやいろいろな思いを持って選手たちが打席に入れるし
 このヘルメットをかぶって
 選手が活躍して
 チームが勝って
 地元が盛り上がって
 コラボレーションしてよかったと
 あとからついてくればいいと思う。」

この取り組みは工房にとってもプラスの効果があったという。
工房では東日本大震災のあと売り上げが大幅減だった。
新しいことへのチャレンジは大きなビジネスチャンス。
売り上げだけでなく全国的な知名度アップなど
効果は絶大ということである。

 

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