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コロナ禍のインド 爪切りで健康意識を

2021-03-11 13:25:18 | 報道/ニュース

2021年2月18日 NHKBS1「国際報道2021」


新型コロナウィルスの感染者が1千万人を超えて世界で2番目に多いインド。
公衆衛生に対する意識が高まったことで
日本ではなじみ深い“爪切り”に熱い視線が向けられている。

インドの一般的な雑貨店。
店頭に並んでいるのは爪切りである。
日本の大手刃物メーカーが4年前から現地生産を行なっている。
爪の間の汚れを取る機能も備わっている。
食べ物を直接手に取る習慣があるため
現地に合った工夫が施された。
ニューデリー近郊にあるメーカー。
現地法人の責任者 パンディアさん。
30年間日本でビジネスマンとして働いた経験を生かし
爪切りの販売に力を入れてきた。
しかし当初は売り上げを伸ばすのに苦労したという。
インドでは伸びた爪はハサミやかみそりを使って切る人が多く
パンディアさんの会社が作った爪切りは見向きもされなかったのである。
(刃物メーカー現地法人責任者 パンディアさん)
「インド人の場合は爪切りをあまり使わずに歯でちぎったり
 爪切りの重要性は日本ほど認識されていないのが現状。」
転機となったのは新型コロナウィルスの感染拡大だった。
健康や公衆衛生への意識が高まり
清潔さを保つ道具として爪切りに注目が集まるようになったのである。
外出制限の影響で特にネット販売が売り上げを伸ばし
6月から12月までの販売は前の年の同じ時期に比べて2倍に増加した。
(刃物メーカー現地法人責任者 パンディアさん)
「“インド人もびっくり”ということ。
 人間っていうのは怖くなると健康に気遣い始める。」
感染拡大のさなかに高まった健康に対する意識をさらに定着させたい。
パンディアさんはいま各地を精力的に回り
爪を切ることの大切さを広めようとしている。
この日訪れたのはインド北部。
手を清潔に保つ方法を学ぶ子ども向けのイベントに参加するためである。
JICA(国際協力機構)が開いた。
「爪の角はばい菌がたまりやすいのでしっかり切ってください。」
都市部から離れた地域とあって爪切りは普及しておらず
初めて目にする子どもたちも多くいた。
パンディアさんの会社は5万個の爪切りを無償で提供することを決めた。
家族で爪切りを使ってもらい清潔さを保ってもらいたいと考えている。
「以前は爪をカミソリで切ったり歯でかじったりしていました。
 これからは爪切りを使い
 親にも教えます。」
(JICA インド事務所 大地田さん)
「反響はすごく良かった。
 日本らしさを生かしながら
 インドのコロナ対策に貢献したい。」
いつか爪切りをインド全土に広めたい。
パンディアさんの活動はまだ始まったばかりである。
(刃物メーカー 現地法人責任者 パンディアさん)
「きれいな爪が健康につながると教えていく。
 その1歩をやろうとしている。
 それが1つの流れになっていく。
 国全体が変わっていくと思う。」

 

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