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フィリピン 観葉植物ブーム

2021-03-13 07:24:12 | 報道/ニュース

2021年2月24日 NHKBS1「キャッチ!世界のトップニュース」


新型コロナウィルスの感染拡大に伴う厳しい外出制限が今も続くフィリピン。
巣ごもり需要で空前のブームとなっているのが観葉植物である。
家々の庭先やベランダに鉢植えがどんどん増えていく様子から
植物の「プラント」と「パンデミック」をかけたプラントデミックという言葉も生まれている。
多くの人々にとって観葉植物が心の癒しとなる一方
価格が高騰するなどブームが過熱気味に。
野生植物の違法採取も相次ぎ問題になっている。

首都マニラの中心部で開かれた観葉植物の展示販売会。
今こうしたイベントがフィリピン各地で開かれ大勢の人でにぎわっている。
マニラ近郊に暮らすメンディーナさん(25)。
半年ほど前から栽培を始め
いまでは100鉢以上の世話をしている。
きっかけは感染拡大に伴う外出制限だった。
設計事務所に勤めていたメンディーナさんはこの影響で失業。
不安や孤独感にさいなまれるなか
心の癒しとなったのが観葉植物だった。
(メンディーナさん)
「植物栽培を始めたことで本当に救われました。
 世話をしているとストレスから解放されます。」
空前のブームを背景に観葉植物の価格も急上昇している。
マニラにある園芸店。
売れ筋は葉の模様や形が珍しい植物。
アンスリウム 1万7,000円
フィカスティネケ 9,000円。
(店員)
「価格は急上昇しています!」
フィリピンでは感染拡大前と比べて価格が10倍以上
ものによっては70倍に跳ね上がったという。
2万円の鉢植えを購入した女性。
フィリピンの平均月給とほぼ同じ値段である。 
(女性客)
「こんな高価なものを買うなんてどうかと思っているけど
 家にずっといるなかで唯一の癒しが植物なんです。」
ライブ動画配信での販売も好調である。
この日は5分に1鉢のペースで売れていた。
(園芸店CEO )
「利益はこの1年間で2倍に上昇しました。
 20~30代の若者も興味を持っていて
 ブームは当面続くでしょう。」
一方で深刻な問題も引き起こしている。
フィリピン北部バギオ市で撮影された映像。
大きな袋を持った人物が歩道脇の植物を持ち去っている。
バギオ市は植物の窃盗が相次いでいるとしてパトロールを強化している。
さらに動画投稿サイトには山で植物を採取する映像がいくつも投稿されている。
「やぁ みんな!
 きょうは仲間と一緒だ。」
「おい!それは何だ?」
「アロカシアだ!」
投稿者の男性が掲げるのは
独特な葉の形で人気が高いサトイモ科の植物である。
根っこごと掘り出した。
フィリピンの環境天然資源省は
違法な採取が増えているとして
こうした映像を公開し本人を特定するなど厳しく取り締まる姿勢である。
しかし広大な山林での対策には限界あり
今後生態系にも影響が出るのではないかと懸念されている。
(フィリピン環境天然資源省 レオネス次官)
「違法採取グループは組織化しており
 コントロールが難しい状況です。
 こうした違法採取が生態系全体に深刻な影響を与えるでしょう。」

 

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