2021年3月5日 NHKBS1「国際報道2021」
世界各国の経済はコロナ禍で打撃を受けているが
そんななかでも中国 李克強首相は全人代で
「中国は着実に経済回復を進めている」と強調した。
中国南部広東省。
製造業が盛んなこの地域は“世界の工場”とも呼ばれ
中国経済をけん引してきた。
しかし長引くアメリカとの貿易摩擦に加え
新型コロナの影響で世界的な需要が落ち込んだことで
特に中小企業は深刻な打撃を受けている。
職業紹介所には失業したという人が相次いで訪れている。
「去年コロナの影響で会社がつぶれ実家に帰りました。
今年の雇用状況も同じです。」
「本当に労働者を募集する企業が少ないです。
あっても40歳を超えると雇ってくれず
もっと厳しい条件を緩くしてほしいです。」
労働争議の仲介など行なう会社の代表 顔さん。
対応にあたっていた製造機器メーカーを訪ねると
「この張り紙は?」
「賃金の未払いで裁判が起こされていると。」
賃金が未払いのまま経営者が行方不明になっていた。
別の会社を訪ねると
もぬけの殻になっていた。
(顔さん)
「この企業も倒産して経営者は行方不明になっています。」
経済的に行き詰まる企業はいま中国全土で急増している。
中国の最高裁判所が公開している
去年1年間の企業の破産などに関する文書は約4万円。
前の年に比べて6割以上も増えている。
顔さんのもとには労働者からの相談も急増している。
この日は勤め先の工場で突然解雇されたという男性が訪れた。
(相談者)
「雇用契約が切れたと言われ解雇されました。」
(顔さん)
「失業補償は?」
(相談者)
「いま話し合っています。」
失業して出稼ぎ先から実家に戻った労働者も厳しい状況に置かれている。
(顔さん)
「実家で仕事を探せていますか?」
(相談者)
「月4万円程度の仕事しかなく生活できません。」
(顔さん)
「失業は特に労働集約型の企業
技術水準が低い企業に発生しています。
技術がなければ不安定な職しか見つけられず失業のリスクにさらされます。」