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中国全人代 どうなる中国経済と香港

2021-03-29 07:22:43 | 報道/ニュース

2021年3月9日 NHKBS1「キャッチ!世界のトップニュース」


中国 今年の全人代の注目は経済と香港。
経済をめぐっては
今年の経済成長率の目標を6%以上と設定。
成長のスピードではなく安定的で質の高い成長を目指す長期的な目標を強調した。
香港をめぐっては
民主派の排除につながる選挙制度変更の方針が示された。

中国経済の回復をアピールしつつ目標設定は慎重である。
李克強首相は初日の活動報告で中国の感染対策と経済の力強さを誇示した。
(中国 李克強首相)
「感染拡大の抑え込みで重要な成果をあげ
 世界の主要国で唯一プラス成長を実現した。」
一方で今年の経済成長率の目標は6%以上と設定。
去年の成長率が低かった反動もあり
IMF(国際通貨基金)などは今年の中国の経済成長率を8%程度と予測しているが
今回6%以上と設定したのは
世界的に新型コロナの影響が続くなかでも達成しやすい水準を示したものとみられる。
新型コロナの影響と並んで
中国の経済目標を慎重にしているとみられるもう1つの要因がアメリカとの対立である。
アメリカはバイデン政権になっても厳しい姿勢を崩していない。
それもあり習近平指導部は新たな5か年計画の中で
海外への輸出頼みから脱却し
国内で経済を回そうという新たな発展モデルを打ち出した。
海外からの投資を呼び込んで内需を拡大させた上で
国内の産業を強くしようというのである。
そこでラブコールを送るのが日本企業である。
中国内陸部
人口1,600万余の中心都市 成都。
企業が集まる地域にある敷地はすべて日本企業のためのものである。
成都市では市内数か所にこうした敷地を設け
医療やエネルギー関連の企業
それにアニメやゲームなどのコンテンツ産業などを誘致。
中国企業に無い技術やソフトパワーを取り入れ
さらなる経済の発展につなげようとしている。
(成都市の誘致担当者)
「日本企業にぜひ来てもらって
 一緒に仕事がしたいです。」
さらに進出を支援する部署も新設。
日本語のできる専属スタッフも配置している。
急速に進む都市開発でも日本の経験が期待されている。
去年11月には日本の企業との間で30近いプロジェクトを検討することで一致した。
日本側の要望に応じた規制緩和も進めたいとしている。
(成都市 日中協力プロジェクト室 主任)
「国家プロジェクトとして
 日本企業に特別な優遇措置を提供します。
 将来的には成都が中国で最も投資しやすい都市になると確信しています。」
中国政府は
成都のほか東部の蘇州や青島など
全国6か所に日本企業を誘致するためのモデル地区を設置している。
それぞれの地区で日本企業向けの優遇措置やインフラ開発を進めていて
中国市場に期待する日本企業にとっては大きなチャンスと言える。
中国はいまハイテク産業に欠かせない半導体など電子部品の国産化を進めていて
その点でも日本企業に期待している。
しかし日本企業側には技術流出などの警戒もあり
中国の思惑どうり進出が進むかどうかは不透明である。

去年の全人代で
反政府的な動きを取り締まる香港国家安全維持法の導入が決められたのに続いて
習近平指導部は今回さらに選挙制度を変更することで
反対勢力の政治参加を封じ込めようとしている。
変更のポイントは
市民の直接投票で選ぶ議員の枠を極力減らすことになる見通しである。
欧米からは避難や懸念の声があるが
王毅外相は7日の記者会見で
“選挙制度を変更して香港を安定させることが住民の利益につながる“として正当化した。
(中国 王毅外相)
「愛国者による香港統治は一国二制度を推進し
 香港の長期的な安定に必要だ。」
2019年の香港の区議会議員選挙前は
全ての議席の約7割を親中派が占め
民主派は約3割だった。
しかし一連の抗議活動を通じて広がった中国や香港政府への反発を背景に
民主派が8割以上を獲得して圧勝し中国政府に衝撃を与えた。
香港政府のトップの行政長官を選ぶ選挙は選挙委員が選ぶ間接選挙である。
選挙委員の一部は区議会議員や議会にあたる立法会の議員から選ばれる。
その数は少ないとはいえ民主派の影響力が一定程度反映されることになる。
このため直接選挙で選ばれる議席を極力減らすことで
民主派の勢力を弱め親中派の優勢が崩れることがないよう
制度を変えようとしていると思われる。
選挙制度変更の方針は全人代最終日に決定される予定で
その後具体的な法整備が行われるとみられる。


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