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女性活躍の先進企業 ②建設現場で女性が活躍

2016-05-17 07:15:00 | 経済フロントライン

4月30日 経済フロントライン


大阪市にあるマンションの建設現場。
ここで働いているのは大阪の塗装会社に勤める浦西明日香さん(26)。
2年前 事務の仕事から転職してきた。
大型マンションや高級ホテル
さまざまな現場で活躍している。
(建設会社 KMユナイテッド 浦西明日香さん)
「やる気があると会社も認めてくれてどんどんチャンスを与えてくれるので
 すごくやりがいを感じます。」
浦西さんが勤めるKMユナイテッド。
職人は25人
そのうち7人が女性である。
以前は塗装職人は男性ばかり。
さらに若い人たちも定着せず人材不足に悩んでいた。
そこで注目したのは職人を志望する女性たちだった。
(建設会社 KMユナイテッド 社長 竹延幸雄さん)
「何も男性にこだわる必要もないと思ったので
 やる気がある女性であれば
 本当に1からでもやれる。
 しっかり技術が培われる会社を作れる。」
女性たちに働いてもらうためこの会社が行ったのは
「10年で1人前」と言われるこれまでの仕事の細かな分析である。
難易度ごとに作業をランク分け。
まずは比較的すぐに習得出来る作業を担当させる。
その後難しい作業を指導を受けながらスキルアップし
この仕事に定着してもらうのが狙いである。
さらに「技術は盗め」という職人の従来のやり方を見直し
ベテラン職人が手取り足取り教えている。
(建設会社 KMユナイテッド 浦西明日香さん)
「この会社は“教える”のが前提なので
 教えてもらう側も意欲がわいてくるし
 技術も延ばせていけると思う。」
この育成方法を取り入れた結果
技術の習得も早まり
売り上げが増加。
今期は前年より60%増える見込みである。
女性の職人が増えることで
職場環境を改善する動きも出ている。
これまで塗料を入れる容器は一斗缶を使用していた。
女性でも運びやすいように段ボールの容器を新たに開発した。
一斗缶を廃棄する際にかかる費用の削減にもつながった。
将来 出産などを見据えた女性職人の声から
シンナーを使った塗料を全面廃止。
元請けにも理解してもらい
体に負担の少ない水性塗料を使っている。
さらに4月から社内に託児施設を設け
朝6時から預けることができるようになった。
始業時間の早い現場でも対応できる。
(中井麻由さん)
「この業界ではなかなかやってないところに力を入れてもらって
 女性だからとか
 母親だからというところを感じずに仕事をさせてもらっている。」
(建設会社 KMユナイテッド 社長 竹延幸雄さん)
「女性が会社の凝り固まった考え方をほぐしまくってくれて
 もう1歩さらに先へ行けると思っている。」

 

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女性活躍の先進企業 ①どう増やす?女性管理職

2016-05-16 07:15:00 | 経済フロントライン

4月30日 経済フロントライン


大手菓子メーカーのカルビー。
社員は約3,500人。
この6年間で女性管理職を5,9%から22,1%に伸ばしてきた。
それを実現させたのが社員が1年に1度上司との間で交わす契約書。
契約書にはその人が目指す売り上げと利益を書き込み
この数字を達成したか否かを最も重視し
昇格や降格が決まる。
短時間勤務や在宅勤務など働き方は問わない。
(社員)
「確かに厳しい結果が出るときもあるが
 結果が出たときに納得しやすい。」
「女性男性問わず平等にチャンスをいただけるのはありがたい。」
会長の松本晃さん。
6年前に就任し
会社の業績を伸ばすためにも女性の力が欠かせないとして
女性管理職を大幅に増やしてきた。
これに伴い6期連続で増収増益を達成している。
(カルビー会長 松本晃さん)
「日本のほとんどの組織とか企業は“男”“日本人”“年長”“高学歴”。
 世界がグローバライズされてとにかく戦いだと。
 本当に力のある人やる人を集めていかないと生き残れない。」
松本さんは2020年までに女性管理職の割合を30%まで引き上げたいとしている。
それまで男性と女性が同じ評価だった場合は
女性を優先して登用するという。
今年の春 部長に昇格した網干弓子さん(41)。
4歳の子どもを育てながら短時間勤務で働いている。
網干さんはシリアル食品の事業を担当している。
網干さんは去年 
主婦の視点からフルーツたっぷりの商品や豆腐とヨーグルトを組み合わせた商品を提案し
売り上げを前年比1,4倍にしたことが評価された。
(カルビー フルグラ次号部 部長 網干弓子さん)
「成果を出せばきちっと結果として認めてもらえるということで
 時間に縛られない働き方という点で
 子育てをしながら働いている者としてありがたい。」
網干さんは短時間勤務の中で少しでも効率を上げるため
無駄な会議は一切なくした。
どうしても必要な会議は
1時間など時間を決めて行っている。
その中で何を決めなければならないのか
話し合いにどのくらい時間を費やすか
事前に決めてから臨んでいる。
さらに徹底しているのが部下とのスケジュールの共有である。
毎週全員のスケジュールを共有し
互いの空き時間に重要な打ち合わせをするようにしている。
退社した後は
トラブルなどの重要案件のみ電話やメールで対応。
それ以外は思い切って部下に決定をゆだねるようにしている。
(カルビー フルグラ事業部 部長 網干弓子さん)
「メンバーが話したいことのとても急用なことというのは
 実はそのうちの何割かしかないので。」
この会社では管理職になったばかりの女性を先輩が支える仕組みも整えている。
その名も「アネゴネットワーク」。
女性管理職が定期的に集まり
仕事の仕方や育児との両立などさまざまな相談にのっている。
「男性管理職は今までの長時間労働が当たり前みたいな感じなので
 そういうのは女性の上司が初めて変えていけることなので。」
この会社では女性管理職を増やすことで
企業全体の働き方の見直しにつなげていきたいと考えている。

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パパみたいに働きたいんだよ

2016-05-15 07:30:00 | 編集手帳

5月9日 編集手帳

 

 優れた登山家は、
山の怖さに敏感なのだろう。
カラコルムの未踏峰に挑む遠征隊を描いた、
北杜夫の小説にこんな場面がある。
ある隊員が、
ルート偵察のため夜明けにキャンプから歩き出そうとして、
ためらいを覚える。
そして理由を考える。

〈単にしんどいなという大儀さなのだろうか、
 それとももっと深く根ざした恐怖なのだろうか〉

大型連休を過ごし勤めに復したがまだ本調子ではな い、
という方もいるだろう。
まんざら悪いことではあるまい。
仕事が習慣と化すと、
思い込みからの失敗をしやすくなる。
休みの間に回復した感覚が、
警報を発 しているのかもしれない。

職場のわが机を見れば、
文明の利器に囲まれている。
それでも、
働くことはどこか雪山登山に似てしんどい。
どこにクレバスが口を開けているのか。
それでドリンク剤より効く言葉を唱える。

幼稚園児が発したもので、
本紙の『こどもの詩』欄で読み、
取っておいた。
〈おーれ
 はたらくのがすきなんだよ
 はたらきたいんだよ
 パパ はたらいてるでしょう
 パパみたいに
 はたらきたいんだよ〉。
仕事には喜びもあるのだと思い出す。

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子の人生が理不尽に断たれぬように

2016-05-14 07:15:00 | 編集手帳

5月8日 編集手帳

 

 お母さんは自分の汗を5歳の息子の体に塗って、
焼(しょう)夷(い)弾の熱から守ろうとする。
汗が尽きると涙を塗った。
〈折角(せっかく)生まれて来て、
 ろくにおいしいものも食べず、
 玩具だって、
 遊園地だってよく知らないまま、
 死んでしまうのか〉。
悲しみは母の目に涙を湧かした。

野坂昭如さんの小説「凧(たこ)になったお母さん」である。
連休前に刊行された中公文庫『教科書名短篇(たんぺん)― 人間の情景』で読んだ。

子の生涯にわたる無事を親は念ずる。
そのために汗も涙も流すが、
一生を見届けることはない。
あるとすれば、
子の人生が理不尽に断たれたときだろう。

その理不尽と向き合う人々が熊本の被災地にいる。
「頼りにしていた娘が先に逝くなんて」
「旅行しようと誘われていたのに」
「跡を継いでほ しいと考えていた」。
取材に絞り出した言葉を記事でたどる。
大学生13人が亡くなった1月のバス転落事故を報じた紙面にも親の痛哭(つうこく)があった。

世界から戦争をなくす。
災害に強い社会を築く。
事故の起きない仕組みを作る…。
世にいう進歩は不条理に苦しむ親を減らす歩みに一致する。
まだまだ途上なのだと、
母の日に際して思う。


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変わる新興国の食 世界の食料需給に懸念

2016-05-13 07:15:00 | 報道/ニュース

4月28日 おはよう日本


2億5,000万人が暮らすインドネシア。
国民に長い間親しまれてきたのは主食のコメを使った料理である。
朝のおかゆに始まり
定番のナシチャプチャイ(野菜炒め添えごはん)。
毎日欠かさず米を食べてきた。
しかしこのところの経済成長で食生活が急速に多様化している。
さまざまな料理が楽しめるカフェの人気商品は
パンの上にシーフードや野菜を乗せたサンドイッチ。
若い世代を中心に欧米型の食生活が急速に広がっている。
「コメより手軽に食べられるのでパンが多いです。
 ほぼ毎日食べています。」
東南アジアでは2000年に比べて
小麦や牛肉の消費は約2倍
コーヒーは4倍に急増している。
こうした変化に日本企業も反応している。
インドネシアでパンのパンの製造販売を行っている製パン会社。
患部が共同で事業を行っている商社を訪れた。
この製パン会社では
消費意欲が旺盛な若者をターゲットに
今後パンの種類をさらに増やしていく方針である。
(敷島製パン 盛田兼由専務)
「倍々ゲームで市場が伸びてくるから
 新しいものに対していろんな好奇心持っているから
 どんどんそういう若い人を中心に売っていきたい。」
一方課題になるのは原料の小麦の調達である。
近い将来 途上国と先進国の人たちが同じようにパンを食べるようになると
天候などの要因で小麦の生産量が減ったとたんに価格が上昇する恐れがある。
(双日 小麦事業課 岡部卓夫課長)
「小麦粉の消費量が
 これからますます世界的に伸びていくのではないか。
 小麦の需給はタイトな状況が続くのではないか。」
新興国の食生活の変化に世界は対応できるのか。
新潟市で開かれたG7主要7カ国の農相会合でも
問題の解決に向けて各国が連携していくことで一致した。
(アメリカ ビルザック農務長官)
「合理的な貿易の仕組みを作れば
 世界の食の安全保障は確保できるはずだ。」
専門家は
農業大国に要求を頼るだけでなく
各国で工夫した農業を進めていくことも重要だと指摘している。
(資源・食糧問題研究所 柴田明夫さん)
「食料の争奪戦の傾向が強まる。
 規模を拡大して生産性をあげて大量にものをつくる。
 それが必要な部分もあるが
 零細な1~2ヘクタールの多様な農業を行っていくのも必要。」
食の多様化が一段と進む新興国。
世界の食料供給は新たな課題に直面している。

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リオで大人気! “フレスコボール”

2016-05-12 07:15:00 | 報道/ニュース

4月27日 おはよう日本


フレスコボールはリオデジャネイロのビーチで約70年前に生まれた。
木製のラケットとゴム製のボールで
羽根つきのようにラリーを続ける。
(ルイス・ダ・シルバさん(66))
「フレスコボールは互いに助け合うスポーツ。
 とても楽しいよ。」
試合では選手2人のペアが数分間ラリーを続ける。
そして打球の速さを測ったり
アクロバティックな技術などを審判が採点し
その合計点を競う。
最近ではブラジル国外でも人気が高まり
去年初めて世界選手権が開かれた。
オリンピックで訪れた人にフレスコボールの魅力を伝えたいというルイスさん。
フレスコボールを体験してみると
始めは順調だが
次第に砂に足を取られて動けなくなる。
5分ほどで汗びっしょり。
フレスコボールを50年続けているルイスさんは筋肉隆々である。
シェイプアップにも効果があるという。
ルイスさんの本業はフレスコボールのラケット職人。
今ある夢をかなえたいと考えている。
(ルイス・ダ・シルバさん)
「オリンピックでくるたくさんの人たちにフレスコボールを見てもらいたい。
 そしていつかオリンピックの協議になることが夢なんだ。」

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金融都市シンガポールで広がるフィンテック

2016-05-11 07:15:10 | 報道/ニュース

4月2日 キャッチ


FInannce(金融) + Technology(技術) → Fintech

4月20日にシンガポールで開かれたフィンテック関連企業の展示商談会。
現地のベンチャー企業など140社が参加し
IT技術を備えた金融サービスの数々が紹介された。
計算機のような形をした機械は決済用の端末機。
持ち運びが便利なことから
途上国を中心に
小売りやタクシー業者の間で利用が始まっている。
支払い機能を備えた腕時計。
決済用の機器にかざすだけで簡単に支払いをすますことができる。
(展示会 担当者)
「シンガポールはこの分野での域内のリーダーです。
 政府はロンドンなどと競争することを目指しています。」
金融サービスの開発に取り組む起業家の1人 
イギリス人のアーロン・シオクさん。
母国の音楽業界で活動していたが
フィンテックに可能性を感じ
去年現地に移住。
シンガポール政府が設置した企業家向けの施設で活動している。
取り組んでいるのは
スマートフォンを使えば簡単に国際送金ができるアプリの開発である。
ターゲットはシンガポールに出稼ぎで訪れる外国人労働者。
彼らが抱えるある悩みに注目した。
シンガポールで働く外国人労働者の多くは金融口座を持っておらず
国際送金の専門業者を利用して母国に送金している。
唯一の休日の日曜日に人が集中するため
多いときでは3時間ほどならばなければならない。
(送金サービスの利用者)
「送金に1日かかかってしまいます。」
金融都市として発展したにもかかわらず
多くの外国人労働者が便利な金融サービスを受けられていないことに
シオクさんは疑問を感じていたという。
(起業家 アーロン・シオクさん)
「外国人労働者はスマホを持って並んでいたのです。
 誰も彼らのためのアプリを開発しないことが不思議でした。」
シオクさんが開発したのは
パスポートなど身元を証明するものを提示すれば
ネット上に口座を開設できるサービスである。
口座には市販されるプリペイドカードなどを使うことで簡単に入金することができる。
あとはスマホに金額を入力するだけで瞬時に海外に送金することができる。
1回当たりの手数料は300円余。
大手禁輸機関の7分の1ほどの価格に抑えることができた。
シオクさんのサービスには多くの投資家も関心を示している。
すでに約1千万円くが集まり
近く本格的にサービスを開始する予定である。
(投資家)
「彼こそがアジアの送金ビジネスに変化をもたらすと思います。」
(起業家 アーロン・シオクさん)
「私たちがプリ開発で行っていることは
 大手金融機関と違って
 人々の要望を聞き課題の解決に努めることです。
 それこそが起業家らしい柔軟さだと思います。」
シオクさんが開発したような新しいサービスの出現は
大手金融機関に危機感を与えている。
東南アジアで最大の金融機関DBSグループ。
去年12月 フィンテックに乗り遅れまいと
技術開発を推進する新たな拠点を設置した。
(DBSグループ ピーター・シエ会長)
「アジアの銀行はフィンテック企業などからかつてない競争を強いられています。
 私たちの将来のため
 未来に向けた人材を育てる必要があります。」
施設内にはアメリカのITベンチャー顔負けの遊び心あふれる職場環境を完備。
さらに起業家を育成する独自の支援策もスタートさせた。
今年は約1,000のプロジェクトを起ち上げ
研究開発を推し進める予定である。
(DBS 人材担当者)
「技術革新で
 生き残るか
 死ぬか
 それが今の金融業界の現実です。
 ですからフィンテック企業とも連携していく予定です。」

 

 

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進化するバーチャルリアリティー

2016-05-10 07:15:00 | 経済フロントライン

4月23日 経済フロントライン


VR=バーチャルリアリティー
VRを楽しむことができる小型の端末の発売が相次いでいる。
小型で家庭でも楽しみやすい端末は
価格が下がったことで急速に普及するのではと期待も高まっていて
今年は“VR元年”とも言われている。

東京江東区に最先端のVRが体験できる新たな施設がオープンした。
バンダイナムコエンターテインメントが開発した6つのアトラクションを楽しむことができる。
その1つ
体験者は専用のゴーグルとヘッドフォンを装着。
エレベーターで一気に40階の高さまで上昇する。
現れたのは空中にせり出した細い板。
この上を歩いていってネコを助けるのがミッションである。
実際は床にある板の上を歩いているだけだが
あまりのリアルさに体験者は前へ進むことができない。
この施設では10月半ばまで一般の人にアトラクションを体験してもらい
反応などを今後の研究開発に生かしたいとしている。
(バンダイナムコエンターティンメント エグゼクティブプロデューサー 小山順一郎さん)
「バーチャルリアリティーはコントのエンターテインメントを大きく変える。
 自分の日常の中で手軽に別の世界に行ける。
 これまでできなかった娯楽を誰でも身近にできるようにしていきたい。」
VRの導入がもっとも進み始めているのはゲームの分野である。
ソニーが今年10月に発売を予定している家庭向けVR端末。
ハイウェイを疾走したり
深海でサメに遭遇したりするゲーム。
リアルな世界が目の前に360度広がる。
ゲームの市場で本格的な普及が始まったVR。
専門家は
ゲームの分野の市場規模が4年後に1兆円を超え
他の分野も含めればさらに大きくなると指摘する。
(野村證券アナリスト 岡崎優さん)
「VRにどういう新しいアイデアを持ち込むか
 いくらでも可能性が広がる。
 マーケットの規模もゲームに限定して1兆円超という話で
 最大限のポテンシャルは何倍にも広がる可能性がある。」 
VRは不動産業界でも活用が始まっている。
マンションのモデルルームをVRを使って確認できるサービス。
完成前であってもバルコニーからの眺望を疑似体験できる。
壁や床の色を変えて部屋のイメージをつかむこともできる。
去年11月に始めたこのサービス。
すでに数百人の客が体験し
販売につながっているという。
(伊藤忠ハウジング プロジェクトリーダー 島津崇宏さん)
「実際体感してみて『このタイプならすぐ買う』という声もある。
 すごく営業もしやすくなっている。」
野球場でもVRを取り入れる動きが始まっている。
ファンサービスの一環として
一般の人が入ることができないグラウンドの中の様子などを疑似体験してもらうのである。
「もうグラウンドレベルで自分がリアルにやっている感じ。
 興奮しますね。」
「選手の真剣さや表情が伝わってきて
 もっともっと選手のことが好きになりました。」
選手を間近に感じることで野球の醍醐味を味わってもらおうという仕掛けである。



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“チャップリン博物館”オープン

2016-05-09 07:15:00 | 報道/ニュース

4月23日 おはよう日本


「20世紀の喜劇王」と呼ばれた俳優のチャーリー・チャップリン。
1人で監督や脚本家もこなし
数多くの名作を世に残した。
労働者の権利をないがしろにしているとして
資本主義や機械文明を批判した「モダン・タイムス」や
ナチスドイツのヒトラーを風刺した「独裁者」などが有名である。
アメリカのハリウッドで活躍したチャップリンだが
晩年を過ごしたのはスイスである。
喜劇王が暮らした街に
没後40年近くを経て
チャップリンの世界を体験できる博物館がオープンした。

スイス西部に広がるレマン湖。
チャップリンが暮らしていたのは湖畔にあるブベイという小さな町である。
町はチャップリンにちなんだものでいっぱいである。
公営住宅の外壁にまで映画のシーンが描かれている。
チャップリンが住んでいた自宅の敷地にオープンしたのが世界初のチャップリン博物館。
博物館を訪れるとまず映画館が人々を迎える。
チャップリンの作品を見終わると突然スクリーンがせり上がり
奥から今見た場面と同じセットが現れた。
映画の世界を体験できるようになっている。
チャップリンの代表作の1つ「モダンタイムス」に登場するj巨大な歯車も展示されている。
映画の舞台を再現したオブジェや実際に使われた衣装など約600点が展示され
チャップリンの世界に浸ることができる。
「チャップリンの作品は楽しくてためになります。
 私も子どもも大ファンですよ。」
ハリウッドで大成功を収めたチャップリン。
世界的に人気を博した理由は
笑いだけでなく
社会への風刺だった。
しかし代表作「モダンタイムス」などで労働者の権利を主張し
資本主義に批判的な作品を手掛けたとして
冷戦のさなか“共産主義者”のレッテルを張られた。
いわゆる“赤狩り”によってアメリカを追われてしまうのである。
そんな彼を受け入れたのが
どちらの陣営にも属していなかった永世中立国のスイスだった。
チャップリンは88歳で亡くなるまでの25年間スイスの家で暮らした。
博物館に展示されている放浪者や労働者
そして迫害されたユダヤ人の人形。
チャップリンは社会的弱者を数多く演じてきた。
その背景にあったのが幼少の頃のつらい経験だった。
チャップリンがわずか1歳の時に両親が離婚。
その後母親が病で倒れ経済的に苦しい生活を強いられた。
その事実はあまり知られていないという。
(博物館プロジェクト責任者 イブ・デュランさん)
「チャップリンが貧しい幼少期を送ったことは
 彼の人生と作品を理解する上でとても重要です。
 貧困を経験したからこそいつも貧しい人や弱い人の立場に立って
 金持ちや上流階級に対抗する役を演じたのです。」
博物館をつくるにあたりチャップリンの遺族も全面的に協力した。
チャップリンの息子 ユージーン・チャップリンさん(62)。
今回博物館として初めて一般にかつての自宅が公開された。
63歳でスイスに渡ったチャップリン。
自伝の執筆に加え
新作の脚本などの構想を練った。
年齢を重ねても仕事に妥協を許さない姿勢は変わらなかったという。
(チャップリンの息子 ユージーン・チャップリンさん)
「仕事に関しては完璧主義者でした。
 日中はすべてドアに鍵をかけて書斎にこもり
 何時間も仕事をしていました。」
一方で忙しい中でも8人の子どもたちにたっぷり愛情を注いだという。
特に大切にしていたのが家族全員が集まる食事の時間だった。
(ユージーンさん)
「食事中は会話を楽しみました。
 父は『学校がどうだ』とか『何か問題は無いか』とか
 聞いたものです。」
博物館ではそのだんらんの様子を映した貴重なプライベートフィルムも公開されている。
権力に対峙し続けた映画俳優であり
子どもへの愛情を注ぐ1人の父親でもあったチャップリン。
この博物館では知られざる喜劇王の素顔に会えるかもしれない。





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シリア伝統の「石けん」はいま

2016-05-08 07:30:00 | 報道/ニュース

4月22日 キャッチ!


シリア第2の都市アレッポで作られた石鹸は
「アレッポの石鹸」として世界中に輸出されてきた名産品である。
シリアは“石鹸発祥の地”とも言われ
アレッポでは古くから石鹸の生産が盛んに行われてきた。
しかし5年に及ぶ内戦で石鹸産業は危機的な状況に陥っている。

ダマスカスの通りに漂う魅惑的な香り。
さまざまな香りがあるなかでもその香りはすぐにわかる。
「アレッポの石鹸は世界一。
 宝物です。」
時が経てば経つほどに良質になるアレッポの石鹸。
しかし手に入れるためには危険が伴うようになった。
首都ダマスカスとアレッポをつなぐ1本の道。
焼け焦げた車が放置され
通行がいかに危険かを物語っている。
かつて香り高い宝物を求め人々が集った花の都アレッポ。
しかし今ここには悲しみしか残っていない。
アレッポの石鹸産業の中心地だったところは
美しいブティックや屋台が並び
ざわめきのなかで石鹸が作られていた。
そして世界中に送られていた。
しかしいまその名残は跡形もない。
香水の瓶が打ち捨てられ
カビと焼け焦げた匂いがするだけである。
かつて漂っていた月桂樹とオリーブの香りは全く感じられない。
その数キロメートル先に破壊を免れた一角があった。
アブデルさんはアレッポで石鹸を作り続ける最後の人である。
(石鹸製造会社 アブデル社長)
「工場が壊されてしまったので
 ここに小さな工場を作り石鹸づくりを再開しました。」
アブデルさんは住宅の1階を改装して工場にした。
原材料は裏庭に置いてある。
(石鹸製造会社 アブデル社長)
「こちらがオリーブオイルの樽です。
 きれいな緑色でしょう?
 今はましになりましたが
 何か月もの間材料を運び込むために
 戦闘地域を通り
 いくつもの検問を通過しなければならなかったんです。」
困難を乗り越え伝統の手法を守り続けた石鹸の評判は広まった。
材料となるオリーブと月桂樹のオイル
そして苛性ソーダを混ぜ合わせ200度まで加熱する。
このあと液体は床の片隅にそそがれる。
厚みが均一になるように伸ばす。
数時間後 液体が固まると小分けした線が引かれ
町の名前を記した刻印が押される。
カットは手作業で行われる。
そして最低9か月間乾燥させる。
あたりには月桂樹とオリーブのかぐわしい香りが立ち込めている。
(石鹸製造会社 アブデル社長)
「私と町の名前が刻印されています。
 私がアレッポの最後の石鹸製造業者です。
 心にも香りがしみ込んでいます。
 戦争に負けず耐え抜く覚悟です。」

アレッポの石鹸は激しい戦闘が続くなかで
国外に工場を映して石鹸の生産を続ける動きが出ている。
千葉県八千代市にある卸売会社。
中東各国から石鹸や化粧品などを輸入している。
日本で販売するため形を整えているのはアレッポから輸入した石鹸である。
会社を経営するのはシリア出身のガザール・勇さん(50)。
2年前に日本国籍を取得した。
アレッポの石鹸を日本で販売して20年近くになる。
(石鹸輸入製造会社 ガザール・勇社長)
「シリアの匂いがしますね。
 ハラブ(アレッポ)の石鹸です。」
アレッポにある工場から石鹸を直接仕入れてきたガザールさん。
しかし2011年に内戦が始まってから
輸入は年々混人になっていった。
(石鹸輸入製造会社 ガザール・勇社長)
「シリアから輸入したものはあとわずかしかありません。」
内戦が激しくなるなか
取引のあったアレッポの工場は3年前に閉鎖された。
国境を越え
50キロ離れたトルコのガジアンテプに工場を移して生産を続けている。
(石鹸輸入製造会社 ガザール・勇社長)
「ミサイルが近くに落ちたとかそういう話を度々聞いていて
 石鹸をアレッポで作っていただいてありがたいんですが
 作っている人たちの立場を考えると
 もちろん石鹸も大事だけど
 作っている人の命を優先しなければならないということで。」
シリア伝統の石鹸つくりを絶やしてはいけないと
ガザールさんは日本でも製造を始めた。
技術をしっかりと受け継ぎ
いつか平和になった祖国へ返していきたいを考えている。
(石鹸輸入製造会社 ガザール・勇社長)
「毎日 大勢のシリア人が海で死んだり
 爆弾やミサイル
 たる爆弾で死んだり
 そういう絶望感の中で私たちは何をすべきか考えたら
 やはり石鹸だった。
 簡単に言えば本当に自分の子どもみたいに
 どんなことがあっても守らなければならないという気持ちで今までやって来て
 これからも守り続けたいと思っているんですね。」


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ブラジル ルセフ大統領 弾劾審議の行方

2016-05-07 16:30:00 | 報道/ニュース

4月20日 キャッチ!


ブラジル国民が注目したルセフ大統領の弾劾審議は
17日ブラジルの議会下院で可決され
上院でさらに進められることになった。
この採決にルセフ大統領は
「私は憤慨している。」
ブラジルの市民は今回の可決を歓迎している。
(市民)
「汚職はもうたくさんよ!」
「この国は今 変わらないといけない。
 汚職でどん底なんだから。」
国民の多くから信頼を失ったルセフ大統領。
2011年 ブラジル初の女性大統領として大きな期待を背負って就任した。
軍事政権下で反体制活動に身を投じ
投獄されながらも強い意志を持つことから「鉄の女」とも言われた。
政治経験が浅かったものの
ルーラ前大統領時代には官房長官を務め
一気に政界のトップにまで登りつめた。
ルーラ政権下で招致したワールドカップとオリンピック。
資源高を背景に
好調な鉄鉱石の輸出にも助けられ
2010年には7,5%の経済成長率を記録。
そのポテンシャルの高さから「未来の国ブラジル」とまで言われ
ルセフ大統領もこの勢いに乗るとみられた。
しかし2014年 ブラジル全土に衝撃が走った。
国営の石油公社ペトログラスをめぐる汚職事件の捜査が開始されたのである。
ブラジル政財界の重鎮の関与が相次いで明るみになり
与野党の議員を含む100人以上が逮捕される事態にまで発展している。
一時は好調だったブラジル経済も
1次産品の輸出から脱却できず
産業の多角化にも失敗。
2015年の経済成長率は一気にマイナス3,8パーセントに転落。
インフレも10%台に高止まりしている。
そして蚊が媒介するジカ熱が発生。
小頭症の子どもとの関連が指摘されることからも
軍を投入するなど対応に追われている。
様々な問題が山積するなか
ルセフ大統領本人にも疑惑の目が向けられる。
政府会計の不正操作への関与である。
大統領弾劾の流れを決定づけたのが
ブラジルの民主主義史上最大と言われる300万人が参加した大規模デモ。
経済の低迷にあえぐ多くの国民を顧みず
私腹を肥やす政治家への怒りが一気に高まった。
窮地に陥ったルセフ政権は
ルーラ前大統領を官房長官に起用する異例の人事緒を発表。
かつて経済を軌道に乗せた実績などからいまだに人気が高く
議会に大きな影響力を持つルーラ氏を起用することで信頼の回復を図ろうとする。
しかしルーラ氏も汚職への関与の疑いで捜査を受けたことから
目論見とは裏腹に国民の反発は強まった。
追い打ちをかけるように
連立政権から最大政党と第3政党が相次いで離脱。
実現が難しいとみられていた断崖が日に日に現実味を増してきた。
そして17日 下院本会議での採決
賛成多数で弾劾可決。
上院へ。
今回の一連の弾劾手続きについてブラジリアの政治専門家は次のように指摘する。
(ブラジリア大学 政治学 D・フライシェル名誉教授)
「弾劾で政治状況が解決されるか全くわからない。
 だが国民は大きな期待を寄せている。」

 

 

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始まった香港の変化

2016-05-06 07:15:00 | 報道/ニュース

4月19日 キャッチ!


摩天楼がそびえたつアジアの金融センター 香港。
ところが中心部から40分ほど車を走らせると
たくさんの水牛や牛を見ることができる。
どの農家にも属さない野良牛である。
牛は約1,100頭
水牛は約120頭いると言われる。
これらの野良牛たちはかつては畑を耕すための家畜だったが
農家が土地を手放した後
自然の中に放置されたのである。
繁殖のペースを抑えるため一部は政府によて去勢されているが
駆除はされていない。
人の生活空間にも頻繁に姿を現すようになっている。
野良牛が増加した背景の1つが
着々と進む香港と中国本土との一体化である。
19年前の返還以降
中国本土から巨額の投資マネーが不動産業界に流入。
農地は次々に買収され高層ビルが建てられている。
その結果
返還後から農地は60%余減少。
それに伴い13%あった香港の野菜の自給率は
2%を切るまでに低下した。
今では市場で出回る野菜は9割が中国産である。
その中に香港政府の基準を上回る農薬や重金属が含まれていることが
時折報道されている。
(市民)
「有害な野菜はできるだけ避け
 食べる前に1時間ほど水につけて農薬を落とします。」
「安全は気になりますが
 できることは野菜を水につけるだけです。」
こうした香港に急激な変化に疑問を持ち
自然との共存を図ろうと
地道に活動を続けている人々もいる。
香港の農業を守ろうと活動する農家の 区唏旻さん。
区さんの村は土地の8割以上が不動産企業に買収され
そこに高層アパートが立ち並んでいる。
区さんは一昨年
政府の開発計画は農業をないがしろにしているとして
抗議集会に参加した。
さらに香港の将来を担う世代に農業の大切さを知ってほしいと
地元の中高生を招いた農業体験を
ほぼ毎週末に行っている。
(農家 区さん)
「都会で出た生ゴミを土に戻して堆肥にします。
 それを使って野菜を作り
 都会に提供し
 循環させるわけです。」
土に触れることがほとんどない都会の子どもたち。
区さんは人と自然との営みを実感してほしいと言う。
(参加した生徒)
「香港の農業を活性化させたいと思います。
 香港で作られた野菜があれば
 みんなにとって良いと思います。」
(農家 区さん)
「いま手元に届く野菜が有害な野菜かどうかも確認できません。
 農業はお金にはなりませんが
 お金よりも大切なものがあるはずです。」 
一方 NGOの女性は
野良牛が生まれた原因は人間の側にあるとして
牛たちを森に避難させるための専用道路の設置を呼びかけている。
(NGO 主席 譚詩詠さん)
「昔いたところには高層ビルが建っているので
 牛はよそへ逃げるしかないんです。」
水牛の保護に取り組むのは別のNGOの 何来さん。
水牛が湿地を動き回ることで水が循環し
地域の生態系保護の手助けになると言う。
開いたのは水牛の保護の大切さを伝える市民向けのワークショップ。
10年前にこうした活動を始めたころは見向きもされなかったが
ここ数年 市民の意識に変化が見られると言う。
(参加した市民)
「香港は近代化が進み過ぎました。
 自然と触れ合える環境が必要です。」
「経済発展を遂げたからという理由で
 牛を見捨てるべきではありません。」
中国経済との一体化によって急激な変化を遂げる香港。
豊かな暮らしとは何か
立ち止まって考える市民が増えている。
(NGO 主席 譚詩詠さん)
「香港が直面する環境汚染から回復し
 持続可能な社会にしていくために
 どのような生活をしていくべきなのか
 考え直す必要があります。」


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フランス “四面楚歌”オランド政権の苦境

2016-05-05 09:00:00 | 報道/ニュース

4月18日 キャッチ!


フランス大統領の任期は5年で
2期まで務めることができる。
しかしオランド大統領の再選へ向けた道のりは現状では非常に厳しい状況となっている。
与党社会党のオランド大統領は
4月の世論調査でも支持率は14%と低迷。
フランス史上最も人気のない大統領とも言われている。
主な国の首脳に対する支持率と比べても
10%台の国は珍しい。
オランド大統領のこれまでの支持率の推移を見てみると
去年1月のシャルリエブド襲撃事件や11月の同時テロ事件直後は
その対応を評価されて支持率を上げるが
それも一時にとどまり
むしろ連日行われる大規模なデモに象徴されるように
国民からの逆風は増すばかりのようである。

パリの共和国広場で3月末に始まった夜の討論会。
特定の政党を支持するものではないが
若者たちは閉塞感が漂うフランス社会の現状に
政治家への怒りの声を上げている。
「信頼?全然よ。
 システムをがらっと変えなきゃだめ。」
若者たちの怒りの矛先が真っ先に向けられているのがオランド大統領。
オランド大統領は2012年に
有権者に対して「失業率改善」や「景気回復」を最優先の課題にすると約束して当選した。
しかし失業率は10%台と高止まりしたまま。
景気回復の兆しは見られず
大統領への期待はこの4年間で強い失望に変わったのである。
そのオランド大統領が雇用状況の改善のための起死回生の策として進めようとしているのが
労働法の改正である。
企業が労働者を解雇する条件を緩和することで
労働者の就労機会を増やそうとするこの政策。
しかし労働者側は雇用の安定を損なうとして強く反発している。
オランド大統領にとって支持母体とも言える労働者側からは
大統領が労働者を裏切った
と受け取られているのである。
4月14日 オランド大統領はテレビ番組に出演し
自らの政策を擁護した。
(オランド大統領)
「状況は良くなります。
 経済成長させ財政赤字や税金を減らし
 企業の競争力や国民の購買力を高めます。」
オランド大統領が壁に突き当たっているのは経済政策だけではない。
去年11月の同時テロ事件を受けて自ら発案した憲法改正は
議会の承認を得られないまま断念せざるを得なかった。
憲法改正案に盛り込まれた内容の一部が
法の平等を損なうとして与党内からも反発を招いたためである。
思ったように政策を推進できないオランド大統領。
与党支持者の間では
このままでは1年後に迫った大統領選挙を戦えないという意見も出始めている。
社会党を支持してきた左派の知識人らが中心となってパリで開いた集会では
「大統領選挙に向けて新たな候補者を選び直すべきだ」
という意見が相次いだ。
社会党の候補者を決めるための予備選挙を実施することを求めている。
(経済学者 トマ・ピケティ氏)
「オランド氏も予備選挙に出てかまいませんが
 皆を納得させることは難しいでしょう。
 民主的な議論を経ずに
 当然のように2期目に挑む権利があるとは思えません。」
政権奪還を目指す右派の共和党も問題を抱えている。
党首出前大統領の二コラ・サルコジ氏。
今も一定の人気があるものの
いまだ立候補を表明していない。
その理由は
現在も捜査が続く大統領在任中の数々のスキャンダル。
早々と立候補して他の候補に攻撃されることがないよう
表明を出来るだけ遅らせようとしているとみられている。
今年11月に予定されている予備選挙に向けて
目下一番人気は右派「共和党」 アラン・ジュペ氏である。
首相も経験したベテランの政治家として
その手腕に期待がかかる。
(右派「共和党」 アラン・ジュペ氏)
「フランスに必要なのは安定です。
 そしてまずは改革を明確に打ち出すことです。」
しかし現状に不満を持つ若者たちを含め
幅広い支持を集めることができるのか不安視する声もある。
こうした左派や右派の不満の吸収を目指すのが
極右とされてきた「国民戦線」。
マリーヌ・ルペン党首はすでに大統領選挙への立候補を表明。
去年12月の地方選挙で広げた支持をさらに伸ばすべく
党の組織固めをしている。
大統領選挙でも左右両党との三つ巴の戦いになるとみられているが
指示の広がりには限界があるとの指摘がある。
(フランス政治専門家 G・ファンケルシュタイン氏)
「この状況がどの党に有利に働くのか
 選挙で何が起きるのか
 まだ分からない。
 ルペン氏が大統領になることはないと思います。
 フランス国民は拒絶するでしょう。」
 

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バスクの伝統 “美食クラブ”

2016-05-04 07:15:00 | 報道/ニュース

4月14日 キャッチ!


フランスとスペインにまたがるバスク地方は独自の言語や文化を持ち
観光地として知られているが
特に人々を魅了しているのがおいしい料理である。
大西洋に面したサン・セバスチャン。
海の幸がおいしい美食の町として知られている。
市場には魚をはじめ新鮮な食材がズラリ。
「バル」と呼ばれる居酒屋カウンターに並ぶのは
地元の人が食事の前に前菜として楽しむピンチョスと呼ばれるオープンサンドイッチ。
(来店客)
「やっぱりピンチョスが最高だよ。」
「この町の食べ物はバリエーションが豊富ね。
 色もカラフルで味も上品なのよ。」
どうしてこの町にはおいしいモノがあふれているのが。
その理由の1つに
このバスク地方ならではの食事の集い“美食クラブ”があるという。
夕方 建物の地下の隠れ家のような部屋に地元の人たちが集まった。
おもむろに始まったのは料理。
キッチンに立っているのも
料理を待っているのも
すべて男性である。
19世紀後半に始まった地元で「チョコ(美食クラブ)」とも呼ばれるクラブ。
もともとは職種ごとの組合から発足したため
男性だけが入会を許されている。
この日のメニューは
アサリとグリンピースのリゾットや牛肉のステーキなど。
地元でも最高の食材ばかり使った料理である。
(クラブメンバー)
「ここは楽しくおいしく食べて気楽に過ごせるね。」
「女性がいないのは伝統さ。
 それを守っているんだ。」
このクラブは1932年に誕生し
現在の会員は約300人。
年齢も職業もさまざまである。
この日はクラブ所有の食堂に約20人が集まった。
会長を務めるフランシスコ・サンチェスさん(62)。
いま妻と32歳の息子との3人暮らしである。
クラブに入会したのは36年前
妻の父の紹介で入り
今は息子も会員である。
チョコはバスクの男性にとって息抜きできる場として大切だという。
(サンチェスさん)
「バスク社会では女性が強い。
 クラブなら男だけで気楽なんだ。」
美食クラブは歴史的に重要な役割を果たした。
(サンチェスさん)
「人々が抑圧されたフランコ時代でも
 美食クラブなら政府への不満など自由にモノが言えたんだ。」
1975年まで続いたフランコ将軍の独裁。
バスク語に使用が禁止されるなど
バスク独自の文化は存続の危機に見舞われた。
地元の歴史家も
クラブはバスクの民族主義を支えてきた存在だという。
(地元の歴史家)
「1940年代から50年代にかけて
 バスク語は抑圧されていたのです。
 しかしクラブではバスク語で話したり歌を歌ったりして
 バスクらしさを表現することができたのです。」
混乱の時代が終わり
男性たちの憩いの場に戻った美食クラブ。
いまは地元の食文化を支える重要な役割を担っているという。
サン・セバスチャンはバスク地方でも特に質の高いレストランが多いことでも知られている。
三ツ星レストランのオーナーシェフ マルティン・ベラサテギさん。
自らも所属する美食倶楽部は
料理人を育てる場になっているという。
(ベラサテギさん)
「私に取って美食クラブは料理の原点ですね。
 駆け出しの料理人が
 自分の腕を売り込む貴重な場になっているんです。」
グルメの町のどこかできょうも開かれる美食クラブ。
親睦を深める食事会にとどまらず
バスク民族の誇りを受け継ぐ大切な場になっている。

 

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中国 仏教ブーム 若者に拡大

2016-05-03 07:15:00 | 報道/ニュース

4月13日 キャッチ!


四川省で開かれた仏教セミナー。
日々のストレスに耐えきれなくなり
救いを求めにやって来ている。
経済低迷を受けて企業倒産が相次ぐ中国。-
企業の寿命は3年とも言われている。
去年 会社が倒産寸前に追い込まれた 江軍さん(32)。
この2年で顧客から契約を相次いで打ち切られた。
友人の紹介がきっかけで近くの寺へ顔うようになり
今では不安や焦りが不思議と和らぐようになったという。
仕事中にも仏教の経典「般若心経」を肌身離さず持ち歩いている。
(江軍さん)
「思いどおりに行かない時は感情的になることがあります。
 イライラしたときには般若心経を読むと心が静まるのです。」
若い女性たちの間でも仏教がブームとなっている。
(参拝者)
「私も楽になれる境地を探しています。
 なんとか今の現実から抜け出したいのです。」
社会や家族とのつながりを絶ち
出家する若者も後を絶たない。
龍泉寺では
北京大学や清華大学などの将来を期待されたエリート学生が仏門をくぐっている。
コネがものを言う不公平な社会。
汚職がまん延し
年間5万人の公務員が摘発される現実に
若者たちは心の闇を吐きだした。
「権力に執着し投獄された人
 金に目がくらみ人格が変わった人がどれだけいるでしょう。」
「勉強も頑張りました。
 親の期待にも応えました。
 それでもなぜ楽しくならないのでしょうか。」
「どこへ向かえばいいかわかりません。」
「お父さん お母さん 私は旅立ちます。」
北京から2,000キロ
青海省玉樹チベット族自治州。
出家をするために大都市から数多くの人々がやってくる。
羅楽さん(42)は2年前に家族も財産も捨てて出家した。
かつて羅さんは中国で有名な音楽プロデューサーだった。
一時は都心に豪邸を3軒建てられるほどの年収を手にした。
しかし芸能界で不透明な金をやり取りするたび
人生に行き詰まりを感じるようになった。
(羅楽さん)
「金もうけのために嘘を言って人をだましてきました。
 偽りの世界で自分の生きる価値を見い出せませんでした。」
嘘の世界に耐えられなくなった羅さん。
最後にたどり着いたのが仏教である。
財産への執着心を捨てたことで本当の自分を取り戻せたという。
(羅楽さん)
「この寺で修業すれば
 心の中を大きく変えることができるでしょう。」

中国では仏教だけではなくキリスト教も急速に信者を増やしている。
キリスト教は1億人
仏教は3億人に達するという見方も出ている。
これまで金銭的な豊かさを猛烈な勢いで求めてきた中国の人たちが
お金だけでは心まで幸せになれないと気付き始め
精神的なよりどころを宗教に求めている。
格差(金銭的な)の固定化
社会の不公平(コネ、共産党幹部の汚職)
激しい競争。
共産党は宗教を警戒している。
文化大革命(1966年ー)では
仏像や寺などを破壊し徹底的に宗教を弾圧した。
しかし2007年に宗教を認める方針に変わった。
共産党は4つの宗教(仏教、キリスト教、イスラム教、道教)を管理している。
取り込むことで新興宗教が起こらないようにしている。
信者は増えていくとみられるが
人々の心がうまく管理できるとは限らないというところで今後も注目である。

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