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トルコで広がる日本流の“防災教育”

2016-07-05 07:15:00 | 報道/ニュース

6月18日 おはよう日本


人口95万人のサカリヤ県。
17年前にトルコ北西部で起きたマグニチュード7,4の大地震で1万7千人以上が死亡した。
サカリヤ県でも3,800人が死亡。
1万3,000棟を超える建物が倒壊した。
地震を引き起こした北アナトリア断層が通る
最も大きな被害を受けた地域の1つである。
当時住宅地だった地区は商店街に生まれ変わった。
新しく建てられた建物は全て低く抑えられている。
復興が進む一方で地震の記憶は急速に失われている。
「今は何も備えていません。」
「地震に備える必要なんて全然感じません。」
防災への意識が薄まるなか
学校で導入が始まったのが日本流の防災教育である。
例えば学校で地震が起きたときの行動は
(生徒)
「しゃがんで頭を隠す。」
特に決まりのなかった地震の時の行動も
今は日本に習って机の下に隠れることを徹底。
さらに東日本大震災で重要性が知られた津波に対する行動。
(教師)
「津波で助かる方法は1つだよ。」
(生徒)
「走る。」
(教師)
「熊本では4月に大きな地震が2回起きました。」
授業を担当するヴィルダン・ソイハンさん。
自ら受け持つクラスで週に1回防災について教えている。
ソイハンさんは17年前の地震で被災した。
自宅が半壊し避難生活を余儀なくされた。
(ヴィルダン・ソイハンさん)
「あんな目に合うなんて想像していませんでした。
 地震がどういうものなのか
 経験するまで全く知りませんでした。」
防災教育の重要性を実感したのは3年前。
日本側の招待で兵庫県を訪問したときだった。
学校で子どもたちに地震の記憶や備えのノウハウを伝える様子に感銘を受けた。
(ヴィルダン・ソイハンさん)
「日本では自信が起きたら校庭が避難場所になると知りました
 トルコも日本と同じように地震に備えることが必要です。」
帰国後は地元の防災教育を担うリーダーとして取り組むようになった。
この日訪れたのは北部の町 チャンクル。
活断層の近くに位置しているが
十分な防災教育は行われていない。
災害を身近に感じてもらうため
ソイハンさんたちが使たのがトルコ伝統の影絵芝居。
地震の際にとるべき行動を
影絵の人形を通して子どもたちに伝えようと考えたのである。
「この袋は何?」
「防災袋だよ。」
「何を入れるんだい?
 子どもたちに聞いてみようじゃないか。」
「チョコレート。」
また建物の安全性についても意識を高めようとしている。
牛乳パックで作った不安定なビルが筋交いで安定することを体験。
自分たちの家を地震に強いものにする仕組みに子どもたちは目を輝かせていた。
「このビルを作ったんだ。
 中に支えを入れて地震に強くなるようにしたんだ。」
「地震の時に必要なものは防災袋に入れておくのよ。」
子どもたちは熊本で避難生活を続ける人たちに手紙を書いた。
被災した人に思いをはせることで防災の意識を高めてほしいとソイハンたちは思っている。
(ヴィルダン・ソイハンさん)
「建物や道路を治すことはできても
 命はそういきません。
 子どもたちが学べば家族にも広がっていくと思います。」
日本を手本に動き始めたトルコの防災教育。
トルコ流のアレンジも加えながら教師たちの挑戦は続く。



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豪で広がるオンラインゲーム賭博

2016-07-04 07:15:00 | 報道/ニュース

6月17日 キャッチ!


オーストラリアの10代の若者の部屋。
夜 そこに広がるのはオンラインゲームの世界である。
何百万人のプレイヤーの多くが
18歳のジョーダン・ブルースさんのように
ゲームそっちのけでゲームのアイテムを使った賭博にはまっている。
(ジョーダン・ブルースさん)
「誰でも賭けに参加できます。
 2歳の子どもだってコンピューターの使い方さえわかればね。
 僕は18歳以上ですっていうボタンをクリックするだけでいいんです。」
賭けに直接現金を使うことはない。
代わりにゲームにある武器などのアイテムを使うのである。
こうしたアイテムは現金で購入できる。
アイテムを使った賭博は甘い誘惑のようなものである。
(ネイソン・パイバスさん)
「賭けるのはゲームのアイテムなので現実味がありませんでした。
 けっこうな額を賭けても大丈夫だと思っていましたが
 その逆でした。」
18歳のネイソン・パイバスさんは
最近までアイテム賭博にはまっていた1人である。
でも彼はギャンブルに勝敗はつきものだとすぐに気づいた。
(ネイソン・パイバスさん)
「コインの表か裏かに賭けたり
 プロの試合の勝敗に賭けたり
 掛け金を多くの人が出し合ってその中から無作為に当選者を選ぶとか
 アイテムを使ったギャンブルは本当にたくさんあるんです。」
もちろん入手したアイテムは実際の口座で現金に変えることができる。
動画がアイテム賭博にはまる1つとなている。
大金を手にする様子が多くの若者を引きつけている。
月に1億人が訪れるゲームサイトでは
アイテム賭博の模様がライブで中継され
若者をさらにあおっている。
(ネイソン・パイバスさん)
「数千ドルもの大金を賭けるところを見るのは楽しいです。」
(ジョーダン・ブルースさん)
「勝ったぞって気分になってやめられなくなるんです。
 勝つのは快感で負けるのは嫌だから
 こうして中毒になってしまうんです。」 
17歳だった去年 
ジョーダンさんの運が傾き始めた。
ギャンブルを続けるためアイテムを買うことにためらいはなかった。
(ジョーダン・ブルースさん)
「父のクレジットカードを持ち出してアイテムを買うことを繰り返しました。
 最初は10ドルくらいだったんですが
 んだん額が大きくなって・・・
 ギャンブルがしたいという衝動に負けたんです。
 父のクレジットカードで1800ドル使うまで続けました。」
Q.息子さんがゲームでこんな事態になると考えたことはありますか?
(ジョーダンさんの父親 アンドリュー・ブルースさん)
「いいえ 思いもよりませんでした。
 最初に勘付いたのは銀行口座を見たときでした。
 高額な支払いがあったのです。」
一方 規制はほとんど存在しない。
(ギャンブル教育研究所 サリー・ゲインズベリーさん)
「ネット上のギャンブルの規制はSNSの登場以前の古いもので
 携帯アプリにも携帯ゲームにも触れていません。
 アイテム賭博については手つかずのままです。」
(オンラインゲームに詳しい ラウル・スードさん)
「うちの13歳の子どもがアイテムで賭けをしたと聞いて
 まずいなと思いました。
 手遅れになる前に規制が必要です。
 すぐにです。」
規制について政府は明確な回答はしていない。
通信省は
2001年の法律でオンラインでの賭博は禁止されているという。
一方で
コンピューターゲームは技術を競うものだとみなされ
賭けの要素はあっても禁止対象ではないという。
カードの使い込みで
ジョーダンさんの家族はアイテム賭博について深く知るようになった。
(ジョーダンさんの母親 スー・ブルースさん)
「他の親御さんたちにこうした世界が存在することを知ってほしいんです。
 子どもたちはネット上でこうしたゲームを知り
 YouTubeで動画をみて
 アイテム賭博で大金が転がり込むのを目の当たりにするのです。
 大金が動くサイトにはだれでもアクセスできるのです。」
引きずり込まれる可能性は誰にだってある。
(ジョーダン・ブルースさん)
「動いているのは本物のお金です。
 ゲーム内のアイテムじゃありません。
 アイテムは実際のお金と同じなんです。
 言いたいのは
 ギャンブルで得をすることなんて何にも無いということです。
 僕のようにならないでください。」



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南アフリカ アニメで希望を

2016-07-03 11:50:15 | 報道/ニュース

6月17日 おはよう日本


平等で自由な社会を求め続けてきた南アフリカ。
その南アフリカでは
貧困を乗り越えて成長する少年の姿を描いたアニメが
いま子どもたちに希望を与えている。
南アフリカのテレビアニメ「ジャブの冒険」。
主人公のジャブは貧困の地域にあるトタンで作られた家に住んでいる。
ひょんなことから魔法の太鼓を手に入れた少年ジャブ。
太鼓をたたくと
ジャングルの動物たちが駆けつけてくれる。
そして様々な困難を乗り越えながらアフリカ中を旅していく。
アニメを製作したパスカルさん(33)。
日本のアニメにあこがれて独学でアニメを学んだパスカルさん。
「ジャブ」の制作をメインで担当している。
(パスカルさん)
「アフリカのアニメがあまりなかったので
 アフリカのアニメを作りたかった。」
今回パスカルさんがアニメの舞台に選んだのは
ケープタウンのタウンシップと呼ばれる地域。
若者の2人に1人は仕事がなく
貧しい住民が多く暮らしている。
貧困地域の暗いイメージを変えたいと思ったパスカルさん。
アニメを通して
貧しいながらも明るく過ごしている子どもたちの姿を
世界中の人たちに伝えたいと考えた。
(パスカルさん)
「アフリカの悪いことばかり取り上げられ
 良いことはあまり知られていない。
 タウンシップ(貧困地域)の生活を知ってもらいたかった。」
こだわったのはアニメの役の声。
タウンシップに住む子どもたちの中から選ぶことにした。
主人公ジャブの声優に選ばれた ンコサーナくん(9)。
学校の先生に勧められオーディションを受けた。
元気な中にもやさしさのある声がジャブの雰囲気に合うと選ばれた。
ジャブの声を演じながら
ジャブがどんどん好きになっていったと言うンコサーナくん。
例えば
旅の途中 橋が落ちていて渡ることができないというシーン。
「どうやって渡れるか君も考えてよ!」
「僕ならあの枝に舌を引っ掛けて向こう側に飛び移れるよ!」
どんな困難にも動物たちと助け合いながら乗り越えていくジャブの姿勢に
心を動かされたと言う。
(ンコサーナくん)
「ジャブのことが大好きなんだ。
 たとえ失敗しても何度も挑戦することが大事だと教えてくれたんだ。」
ンコサーナくんはこれまであまり考えなかった将来の夢を思い描くようになったと言う。
(ンコサーナくん)
「将来は小説家になりたいんだ。
 ジャブの役をやる機会をもらったことで
 もっと頑張ろうと思ったし
 いつか夢は叶うと思うんだ。」
南アフリカの貧しさの中から生まれたアニメ。
アフリカの子どもや若者に
新たな夢とチャンスをもたらしている。

 

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若いがん患者の悩み共有 インターネット番組

2016-07-03 07:15:00 | 報道/ニュース

6月16日 首都圏ネットワーク


病院の食堂である番組の公開収録が行われた。
20代や30代など
若くしてがんを患った人たちがその体験を語る様子を撮影し
インターネットで配信している。
番組名は「がんノート」。
この番組を起ち上げたのが司会を務める岸田徹さん(28)。
岸田さんがテーマにするのが
若いからこそ直面するがんの悩み。
恋愛、結婚への不安
後遺症による性の悩みなどである。
「がんになっちゃった。
 もう結婚できない
 妊娠できないと思った。」
深刻な悩みを明るく語り合う姿が
若いがん患者たちの共感を呼んでいる。
(耳下腺がんの患者)
「あの人も頑張っているから自分も頑張ろうという気持ちになる。」
(岸田徹さん)
「闘病している人のために放送している番組。
 外に出られない人に
 ネットを通じて元気を与えられる放送をしています。」
普段は病院で働く岸田さん。
番組を起ち上げたきっかけは自分ががんを患った経験からだった。
首の張り
体のだるさ
体に異常を感じたのはIT企業に勤めていた25歳のとき。
精巣に腫瘍が見つかったのである。
(岸田徹さん)
「生存確立五分五分と言われて
 正直マジか・・・と。」
発見が遅かったため転移もあり
8か月に及ぶ抗がん剤治療と
2回の手術を受けた。
一命はとりとめたものの性機能に後遺症が残り
子どもを持つことが難しくなった。
“もう自分には生きる価値がないのではないか”
将来への希望を失ったという。
(岸田徹さん)
「何も自分は社会に対して残すものがなく
 死んでいくのかと思った。
 自分が悪いことをしたからかと
 殻に閉じこもっちゃって・・・。」
自宅に1人引きこもる日々。
そんな時インターネットで見つけた若いがん患者の体験談を読むうちに
その人たちと語り合いたいと思うようになった。
そしてその様子をインターネットで配信し
孤立する患者たちの支えにしてほしいと考えたのである。
岸田さんの番組に次々に集まってくる若者たち。
白石大樹さん(30)もその1人である。
27歳のとき甲状腺がんと診断された白石さんは
病状を会社に報告に行くと
退職願が準備されていたという。
そんなとき出会ったのがこの番組。
前向きに生きる同じ世代の患者たちの姿を見て励まされ
新たな資格を取ろうと学校に通い始めた。
さらに自分の体験を多くの人に役立ててほしいと
自ら岸田さんの番組に出演したいと申し出た。
(白石大樹さん)
「1人でも元気づけられればいいなと思いますし
 自分の経験も生かせて貢献できればいいなと思います。」
岸田さんはこうした交流を通じて人生のパートナーも見つけた。
がんノートに出演した皮膚がんの経験を持つ女性と
今年2月に結婚。
妻は前向きな岸田さんの姿に惹かれ
性機能の後遺症も受け入れてくれた。
「子どもがいなくても
 大きい赤ちゃんなので大丈夫です。」
広がりを見せるインターネットの番組「がんノート」。
岸田さんは若いがん患者たちの交流の場にしたいと
挑戦を続けている。


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ブルガリアのバラの谷

2016-07-02 07:15:00 | 報道/ニュース

6月16日 おはよう日本


5月下旬にブルガリアのバラの産地カルロボで開かれた100年以上も続く祭り。
郊外のバラ畑が会場となり
来場者はバラ摘みを体験することができる。
ブルガリアの国内にはさらに大きい規模のバラ祭りがあるが
近年 より親しみやすいこのカルロボの祭りも人気があり
観光客が訪れるようになったという。
祭りのハイライトは
コンテストで選ばれた「バラの女王」のお披露目。
ドレスの色はやはり美しいバラ色。
街の中心部では華やかな伝統舞踊が披露され
今年のバラの収穫を街中で祝った。
(祭りの参加者)
「歌って踊って楽しかった。
 皆このバラ祭りが大好きです。」
(日本人観光客)
「民族衣装がキレイでかわいくて
 とても楽しい思い出になりました。
 バラの香りがいい香りでした。」
カザンラクにあるバラの博物館。
この地域のバラづくりの歴史を学ぶことができる。
(広報担当者)
「暗所で密閉していればバラの香りは消えません。
 本当にすごいです。」
この地域は冬でも比較的温暖な気候や土壌がバラの栽培に適しているとされ
300年以上にわたってバラ産業が続いてきた。
(広報担当者)
「栽培や花摘み
 ローズオイルの生産に至るまで
 何千もの地域の人々がバラの恩恵にあずかっています。」
香水に使われるローズオイルに加え
石鹸やお酒などを生み出すバラは地域を支える重要な資源となっている。
今収穫の最盛期を迎え花の香りに包まれるバラの谷。
バラ農家のツベタン・チェルベンコフさん。
先祖代々受け継がれてきたバラ栽培を40年以上にわたって続けてきた。
バラの種類はダマスク・ローズ。
花が小ぶりだが香りはとても優雅である。
花摘みは午前4時ごろから昼頃まで家族総出で行う。
日差しを長く受けると香りの成分が蒸発してしまうためである。
しっかりと開いた花のみを摘むため機械は使えない。
チェルベンコフさんが収穫するバラは1か月で約3トン。
大変な作業だが
チェルベンコフさんたちの表情は晴れやかである。
(バラ農家 ツベタン・チェルベンコフさん)
「とても疲れますが
 この地域ならではのモノ作りに誇りを感じます。」
集められたバラの花は重さを測って工場へ出荷される。
作業するのは実はカルロボの村長 マノ・マノフさんである。
この時期は作業を手伝うことにしているという。
(村長 マノ・マノフさん)
「仲間の顔は皆うれしそうです。
 楽しい仕事をして収入も得られますからね。」
収穫されたバラは地域の加工業者に運ばれる。
ローズオイルを抽出する蒸留所。
1kgの抽出に必要なバラは3,5~5トン。
蒸留所はこの時期 24時間体制で作業にあたっている。
蒸留所のオーナー フィリップ・リシィチャロフさん。
100年以上続けてきたこの仕事を守っていかなければならないと強く感じている。
(蒸留所オーナー フィリップ・リシィチャロフさん)
「バラ産業は地域唯一のもので
 収穫期には多くの人が働けます。
 これを引き継ぐのが使命です。」
温かい日差しのもとバラの谷に咲いた可憐な花。
やさしい香りの中で誇りを持って働く地元の人々の姿があった。

 

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英EU離脱 他者への憎悪

2016-07-01 07:15:00 | 編集手帳

6月25日 編集手帳

 

 日米開戦の前夜、
元首相の米内光政(よないみつまさ)が述べた言葉は知られている。
「ジリ貧を避けようとしてドカ貧にならぬよう、
 ご注意願いたい」。途方もない楽観を頼りにした短慮を戒めた発言である。

ジリ貧の閉塞感を根気強く押し返していく主張よりも、
威勢のいい掛け声でちゃぶ台をひっくり返すドカ貧派の言動に庶民感情はときに刺激を受けやすい。
英国の国民投票で欧州連合(EU)からの離脱派が勝利した。

「移民に職を奪われる」不満が表れた結果というが、
経済の負う痛手は小さくない。
職の奪い手が「移民」から「不況」に代わるだけで終わらないか。
欧州全体はもちろん英国自身にとっても賢明な選択とは思えない。

英国の国民投票を左右した二つの感情「わが身が大事」と「昔は良かった」は、
米国の大統領選を席巻した“トランプ旋風”にも通じる。
ともに名だたる民主主義国で「ドカ貧」に傾く民意の底に、
他者への憎悪が感じられるのが不気味でならない。

〈人間が人間を理解するあの微笑がなくては歴史はつくられぬ〉(小関茂、『昭和萬葉集』巻五)。
呪文のようにその歌を口ずさんでみる。



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