
中学生の子どもが、何かの課題に直面しているとき、その多くは、自分で解決しなければならないものです。
だから親や教師は、基本的には、見守るしかありません。
ただし、自分一人では解決が難しい場合もあるので、「何か手助けすることがあったら、いつでも言ってね」と伝えておきます。
親は、子どもから相談や「助けて」と言ってこない限り、動くことはないというのがポイントです。
子どもから援助の要請がないかぎり、動かないのには、二つの理由があります。
①子どもの課題は、基本的に子どもにしか解決できないから。
ピアノが弾けないと泣いている子の代わりに親が弾くことはできません。
②親であっても、じつは子どものことを、本当に知っているとは限らないから。
「いえ、この子のことは親である私がいちばん知っています」という人がいます。
でも、実際は、「こうだと思います」としか言えないことが多いのではないでしょうか。
そうであるならば、子どもの言動について、はっきりわからないまま、判断するよりは、疑問に思うことは、子どもに尋ねたらいいと思います。
わが子がゲームばかりして勉強しないということで、困っているのなら、心配していると話してみることができます。子どもの方から「じゃあ、こうするよ」と解決方法を出してくるかもしれません。
親だからといって、「あなたのことは何でも知っている。最適のアドバイスができるのは私よ!」ではなく、子どものことでわからないから尋ねるのです。
むしろ親が尋ねることができなければ、子どもの支えにはなりにくいのです。
子どももどうしたらいいのかわからない。自分で解決できるにこしたことはないです。でも自分だけでは解決が難しい。だから親子でどうしたらいいかを、ともに話し合うのです。