箕面市では、子どもの本離れが進んでいると言われます。
とくに、中学生になると読書量は減る傾向にあります。
今年4月に実施した全国学力学習状況調査の結果によりますと、本校3年生の場合、授業時間以外にふだん1日あたり読書をする時間は30分以上と答えた率が22.8パーセントでした。
全国平均では28.2パーセントでしたので、三中生はやはり読書量が少なめであると言えます。
では、生徒たちは本が嫌いなのでしょうか?
学校の図書館等での様子を見ていますと、子どもたちはけっして本が嫌いではないことがわかります。
読書時間が短い理由はいろいろあるでしょうが、ひとつには学習塾通いなど生活が忙しく、読む時間がないという事情も影響しているのでしょう。
しかし、私は中学生には、とくに本を読んでほしいと考えています。
なぜなら、読書を通じて、子どもたちは自分を客観的に見つめ直すことができるからです。
自分の力で現実に立ち向かうことができるようになります。
少しずつでも、毎日読み続けることで、生きる力を蓄えていくと思うのです。
例えば、「星の王子さま」には、「大切なものは目に見えないんだよ」という言葉が出てきます。
この言葉にふれた生徒は、自分の学校・家庭での日常生活を重ねて考え、自分を気にかけてくれている人々の思いを考えます。
これは、たしかに目に見えないな・・・。
このような気づきが生まれることがあります。
私たち大人が、子どもたちに対してできるのは、読書に限りませんが、自分で自分を耕し、自分を育てる機会を与えることではないかと思います。