箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

自分と社会のかかわりを知る

2016年11月08日 13時25分18秒 | 教育・子育てあれこれ



昨日と今日の2日間、三中では2年生が職場体験に行っています。

写真は・・・
①らいとぴあ21で、地域の子どもの活動に使う布地を切って縫い付ける作業をしている場面。
地道な仕事ですが、生徒は黙々と熱心に取り組んでいました。

②どうしても、左官業をしてみたい女子生徒が頼みこんで、引き受けてもらった城下工務店。実際に壁を塗っています。
お店の人からは、「初めてとは思えないほど上手にやってくれます」というコメントをもらいました。

③学校の校務員さんの仕事を体験する生徒もいます。三中で職場体験です。
三中の「弁慶の鏡水」の噴水池を、校務員さんといっしょに掃除しています。
長年たまった泥や水垢をきれいに除去してくれ、文字通り鏡水に蘇りました。


さて、職場体験学習が箕面市の中学校で始まって、今年で21年目になります。

よい取り組みは、長続きします。

職場体験は、私が箕面二中で学年主任をしている時、市内で初めて行いました。

当時は、中学生が職場で働かせてもらうなんて、とんでもないという時代でした。

先行例は、神戸市立鷹取中学校が、兵庫県の「トライやるウィーク」に先立って、職場体験学習を実施していました。

鷹取中学校のノウハウを教えてもらい、箕面で始めようとしましたが、実際に引き受けてくれる職場があるのかという不安が、学年の教職員にはありました。

勢いで箕面周辺のお店にとびこみ、取り組みの趣旨を話してお願いしますと、あっけないほど簡単に、「いいですよ」というお返事をいただきました。

学年教職員で手分けして、わずか3日間ほどで、70以上の体験先を確保して、あらためて、地域の人たちの温かさを感じました。

そのリストから生徒が選ぶという方法で、職場体験を行なったのが1996年のことでした。

ところで、職場体験の意義とは、何でしょうか?

自分にあった仕事を見つける。
働く厳しさを知る。
自分の将来の生き方を考える。

いろいろとあるでしょうが、私が一貫して考える意義とは、

中学生が、自分自身も社会にかかわることができるという自信を深めることです。

箕面市の子どもの場合、特に感じますが、誤解をおそれずにいうなら、「中学生は勉強だけしていればいい」という価値観が主流を占めます。

ですから、平素、中学生が、自分と社会の接点を意識することが少ないのです。

そんな中学生が「働く」というかかわり方で、自分も社会に貢献できる、人が喜んでくれるという、貴重な経験を積むのが、職場体験の効果なのです。

この自信が学校生活にプラスに作用しますし、将来の社会生活を展望することにつながるのです。

(職場体験については、過去のブログ2015年11月5日にも、関連した話題を取り上げています。)