箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

70点の価値

2017年02月08日 12時53分30秒 | 教育・子育てあれこれ

今日の2年生英語授業での一コマ。

先日の学力テストの答案が返却されました。

答案を受け取ったある生徒がつぶやいていました。

70点の答案を眺めて、
「この前が50何点だったから、だいぶん上がった。」

と、うれしそうな感想を言っていました。

私は、この光景をみて、この実感が大切なんだと思いました。

点数だけでみれば、70点は80点や90点より見劣りします。

たしかにそうかもしれません。

しかし、それは点数だけを比べた70点の価値です。その見方だけをするならば、50点少しから70点まで点数を上げた生徒のがんばりや努力は見えなくなります。

大人はその生徒が、実力をアップさせた努力の過程をともに喜ぶ。

その生徒の学習意欲は、間違いなく高まります。

叱咤激励で、「なにいってるの。◯◯くんは90点だったらしいよ。もっとがんばらないとどうするの!」

この言葉は、点数をほかとの比較でみる70点の価値です。(もちろん叱咤激励が必要なときもあります。)

しかし、「20点近く点数を上げたのね」は、点数をわが子の努力の足あととしてみる70点の価値です。

他者との比較ではなく、わが子内の成長を喜ぶのが教育の本道です。