大学入学共通テストが18日、19日と二日にわたり実施されました。
現行の新学習指導要領高校編は2022年度から実施されています。
この学習指導要領は、「主体的・対話的で深い学びの学習」により、生徒の思考力、判断力、表現力を高めることをめざしています。
資料を読みとる力や考察する力が求められ、高校での授業はそれらの活動を日頃から実践するように変わってきたのです。
そして、今の高校3年生は1年からずっと現行の学習指導要領に基づく新教育課程で学習してきた生徒たちです。
その意味で、今回の共通テストは、新教育課程の特徴が反映され、思考力を確かめたり、グラフやレポートを分析する力を測ったりする問題が多かったのです。
18日の社会(歴史総合)のテストをとりあげてみましょう。
「主体的な学び」を意識し、生徒間の対話や探究活動を題材としたが目立ちました。
保護者の中には、今も「社会は暗記科目だから」という人がいますが、とんでもありません。
確かに覚えた知識が問題を解くのに必要になるという側面はあります。
しかし、その知識をもとに、資料を考察したり、資料を読みとり、探究する実力がなければ、とうてい答えられない問題で今回の共通テストは埋められています。
ということですので、高校での日常の授業が一昔前の知識伝達型(教師が知識を教え、生徒が覚える)でなく、思考力等をはたらかせ、考察したり探究する活動のある授業を実践してきたかが問われていると教員は受けとめなければなりません。
これが今回の問題の一部ですが、知識を覚えていれば、答えられるような問題ではないことが理解できます。