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人は言葉でものごとを考えます。また、理解して、お互いに意思疎通をします。
校長は年に何回かは式辞を読みます。
入学式や卒業式では、ふつう式辞用紙に書いた文を読む上げるのです。
その経験から思いますが、あいさつの一部分を読むとばしてしまうと、前後の文章の意味がつながらなくなります。
そこで、読み手が書かれた文字をたんに読んでいるのではなく、意味を考えながら読んでいるからとばしたことに気がつくのです。
聞き手も意味を考えながら聞いています。
読み手は、意味を考えながら読んでいるので、あいさつに感情が入ってくる箇所が当然出てきます。身振り・手振りが入ることもあります。
あいさつには、その核心と言われる部分があります。
その部分を読むときには、力強く言ったり、わざとゆっくりと言ったり、二度繰り返して言ったりします。
先日の広島での平和記念式典の国の代表あいさつでは、読み飛ばしが問題になりました。
「唯一の戦争被爆国であるわが国は、核兵器のない世界の実現に向けた努力を重ねていく」(大意)という核心の部分が抜けてしまったそうです。
何よりも聴いている広島の人たちが残念に感じたことでしょう。
あいさつは、言葉を媒介として、話し手と聞き手がそれぞれ思考し、思いを巡らせ、「本当にそうだな」と思うとき、共感が生まれ、お互いがつながるのです。
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